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※頭を使わず、古事記を読める『アウトロー古事記』1話目から読みたい方はこちら♪
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出雲の国にそびえるオオクニヌシの神殿。
そこに、
オオクニヌシは控えていた。
聞けば、
荒ぶる神々たちの親玉であり、
地上界上の女神も財宝も根こそぎ我がものにしているという。
これだけ聞けばどれだけの悪党かと思い、
オオクニヌシと対面したアメノホヒ。
アメノホヒ「し、失礼します・・・」
何と言っても相手は百戦錬磨の地上界の王。
あの伝説のスサノオすらも、
認めた神だという噂も聞いている。
緊張しながら、オオクニヌシに対面して正座したアメノホヒ。
そんなアメノホヒにオオクニヌシが言う。
オオクニヌシ「遠く高天原よりようこそ参りました・・・」
オオクニヌシ「我が名はオオクニヌシ・・・。この地上を司るもの・・・」
ブワッ!!
オオクニヌシの一見柔和な見た目とは裏腹に、
発する言葉の重みと威圧感にアメノホヒは一瞬にしてのけ反りそうになった。
正しく、その言葉と態度から風が吹いた。
しかも座っていられないぐらいの突風だった。
そう錯覚させるぐらいの空気をオオクニヌシは放っていた。
アメノホヒ「(な、なんだ!?この男は・・・!?)」
天上界の神とはいえ、
兄アメノオシホミミと同じく、
これまで何ら実戦経験もないアメノホヒ。
正直、相手が悪すぎた。
これまで何度も死と再生を繰り返し、
黄泉の国(根之堅洲国)であの伝説の神スサノオに鍛え上げられ、
武力と尊敬の両輪で、
大国をまとめ上げてきたオオクニヌシ。
このオオクニヌシに、
アメノホヒが勝てる要素など何一つなかった。
オオクニヌシ「して、用件を伺おう・・・」
ブワッ!!
再びの風が吹いた。
もう正しくアメノホヒはのけ反ってしまった。
体勢とともに視線を戻した先のオオクニヌシは、
変わらず柔和な笑顔を保っていた。
アメノホヒ「(こ、こんな器の大きさを感じさせる神は高天原にはいなかった・・・!」
真面目で誠実だったアメノホヒ。
その誠実さは、
道理を越えて、
素直に目の前のオオクニヌシを、
ただ尊敬する気持ちに変わった。
彼の心には高天原も葦原の中つ国も、
天つ神も国つ神も、なかった。
あったのはただ男として、
一柱の神として、
偉大なる神に憧れるその気持ちだけだった。
そして、
アメノホヒが地上界から戻ってくることはなかった。
※この素敵なイラストは『描いて覚える古事記』さんのブログからお借りしています☆ぜひこちらもご覧ください♪
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