2022支援者・保護者のための障害児・者 性教育セミナーinふくい 報告 | 障がい児・者の「性」を学ぶ会 《ゆいの会》

障がい児・者の「性」を学ぶ会 《ゆいの会》

障がいのある人たちの豊かな生活を支援していくために、「性」について学びましょう

10月2日(日)に講師に日暮かをるさんをお招きし、64名が講演、年代別グループ交流会を通して学びを深めることができました。オンライン開催でしたが、全国の皆さんとの交流する有意義な時間となりました。

 

講演  考えてみよう!人権としての「性と生」

元東京都支援学校教員の日暮かをるさんの講演では、まず、「大人が性を学び、学びあうことで社会に根付いた性の偏見から自由になりましょう」とエールを送っていただき、性の学びで大切にしたいことは、誰でも自分の「こころとからだの主人公」「人生の主人公」であり、「性」は人権の基本であり生きる基盤であること、性教育の大事な項目は「関係性」「多様性」であること、からだの学びは、早い時期から丁寧に繰り返し、個々の成長の時期に必要な学びを当事者・支援者がともに学習していくことであると話されました。

 また、最近メディアから注目されている2003年の都立七生養護学校(現:七生特別支援学校)の「こころとからだの学習」への攻撃にも触れ、「七生養護こころとからだの学習裁判」において2011年に東京高等裁判所に提出した最後の意見陳述書から、担任として関わってこられた2事例を紹介され、性教育は、ただ授業をすればよいということではなく、日々の生活の中で当事者と支援者との安心できる関係性を作りながら生涯をとおして実践していくものであり、都立七生養護学校の性教育でも目指していたと述べられました。「子ども自身の発達や育ちを大切にする包括的性教育に皆さんで取り組んでいきましょう」と結ばれました。

 

年代別交流会

年代別交流会では、就学前から小学生、中・高校生、成人2つの4グループに分かれ、当事者・保護者・支援者からの発言をうけ、参加者の体験や実践をもとに話し合いました。どの年齢層でもみられる困りごとと捉えられる性行動について、育ちや背景にあるものを探り、禁止するのではなく学びのチャンスと捉え、性教育や周りの人たちとの関わりの中で適切に行動できるように、繰り返し支援していくことが大切であると確認し合いました。