8月ゆいの会の報告 | 障がい児・者の「性」を学ぶ会 《ゆいの会》

障がい児・者の「性」を学ぶ会 《ゆいの会》

障がいのある人たちの豊かな生活を支援していくために、「性」について学びましょう

今年の夏は各地で豪雨の被害が相次いでいます。

いったい、この頃の気候はどうなっているのでしょう。


8月ゆいの会の報告です。

障害者施設の指導員、特別支援学校教員のお二人と、定例のメンバー4人とともにお二人の持ってこられた事例について話し合いをしました。


ヒマワリ成人男性の事例

ゆいの会で継続的に話し合いを進めている事例。障害者施設にて性的問題行動があり、1年前より性教育を受け、徐々に改善がみられ、春には交際する女性ともめぐり合いデートをするなど順調に見えていたが、最近また問題行動が発覚し、指導員たちに落胆の気持が広がっている。


問題行動はくり返される。

成長は、行きつ戻りつし進んでいくもの。問題行動はくり返されるものだと念頭において関わっていくこと。この事例でも、行動が変化し成長がみられるものの、心のコントロールがうまくいかない時もあり、まだまだ職員のサポートが必要である。

性教育は何度も同じテーマで実施していくこと。日々の変化を記録し、地道に対応をしていくこと。

他施設での実践を参考にすること。


問題行動の背景を明らかに。

本人が抱える問題、家族が抱える問題を把握して、問題行動につながる背景を明らかにする。その中から新たな課題が見えてくる。


学校での性教育の必要性を発信する。

学校を卒業後の実態と、成長期の学校生活のなかで豊かな人間形成のための性教育を実施してもらいことを要請する。それは保護者の願いであることも言い添える。


★一人の人に思いをつなげていくことは、9歳程度の発達年齢にならないと難しい。次々に好きな人を変えていく行動が奇異にみえたりするが、7歳程度の発達年齢だとすると、それは当然の行動と言える。

★恋愛感情に気持ちが引きずられて仕事ができないときには、心がつらいということは認めつつ、社会人として仕事をするためには、仕事ができなかった代価として工賃がもらえないということを教えていくことも必要。


ヒマワリ高等部女子の事例

次から次へと好きな人をつくり、性的問題行動をくり返す。地元に友だちにそそのかされ拍車がかかっている。自分を大切にできるように性教育をするが、なかなか伝わらなくもどかしい。


自己肯定感を育てる。

心地よい体験をする。ハンドマッサージ。肌のタッチング。で彼女のいいところ、できることを探し、一緒にやるなかで成功体験を積み重ねていく。人の役に立つ体験を重ねていく。毎日の積み重ねが大切。指導者とのほどよい距離感を保ち、お互いに負担にならない関係のなかで関わっていくことも大切。


避妊は必須。

周りにいる男子ともに避妊について学ぶ。いい恋愛とはどんなことか、皆で学びあうことも必要。


ヒマワリ参加者の感想

●毎月くり返し行われている性教育の時間があり、彼自身も変わってきていると思っていました。でも行動はくり返し行われるという気持ちで対応することで、こちらの気持ちも変わってくるんですね。

彼らの発達年齢を考え、様々な恋愛があっても「そうかぁ~」と受け入れてあげたいなと思います。


●ついついその子の先々まで考え入り込んでしまうので、できるだけ入り込まず長い目で子どもを見てゆきたいと思います。子どもは「くり返すもの」という言葉は、納得できました。また、子ども同士、いい男ってどんなんだろう?とか、みんなにとって最高の恋愛って何?など話し合ってみたいと思います。性教育や子どものとの付き合いの中で、いきづまることが時々あり困ってしまうことがありますが、いいヒントをもらいとてもありがたかったです。ありがとうございました。


今回参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

皆さんで貴重な話し合いができ、本当によかったです。

次回も、たくさんの皆さんの参加をお待ちしています。