まきのがたり【レッツダンシング】 | 牧野由依オフィシャルブログオフィシャルブログ「19860119」Powered by Ameba
私は運動神経が悪い。

小学校での体育の時間。
バスケをやろうものなら、パスしたつもりのボールが味方に当たり、もはやドッヂボール。

サッカーをやろうものなら、ドリブルしているはずのボールに乗っかって、もはやサーカス。

中学校では…
ソフトボールをやろうものなら、ボールを打ったはずが、飛ぶのは何故かバット。

高校では…
テニスをやろうものなら、ラケットから繰り出される突然のホームラン。


まあこれだけ球が絡んでいると、ただ単に球技が苦手という考え方もありそうなものだが…
問題があるのはやはり運動神経だろう。

そんな女が20代折り返しのタイミングでダンスという大きな壁にぶち当たることとなる。

2013年「アイドルマスターシンデレラガールズ」の佐久間まゆ役をいただいたのである。

オーディションの時点では歌唱と簡単な振りをイベント等の際にお願いする可能性があります。
ということだったのだが、やってみるとこれが結構難しい( ;∀;)

最初に立たせていただいたステージは、あるイベントのもので覚える曲数もソロ曲と全体曲の計2曲。
しかしその約半年後…周年記念Liveに出演させていただけることになり新規で10曲前後覚えなければならなくなった。

その頃にはもはや最初に伺っていた「簡単な振りとは…?」な状態で、ダンスが苦手な人間からしてみたら「人間の重心バランスはどうなっているのが正解なのですか?」という疑問が付き纏い、無駄に力が入ってしまう右腕は常に筋肉痛が襲うレッスンの毎日だった。

公演が終わればまたダンスをしなくなる日々になるのだが。
2015年「プリパラ」の黒須あろま役を演じさせて頂くこととなった。

…アイドルの役である。

30近くなって、アイドルを演じさせていただく…
だけでなく、役として歌って踊るミッションに立ち向かうことになるとは、だれが想像できただろうか。

ただ、そこで驚きと同時に感じたのは演者としての可能性と責任だ。

役を全身使ってパフォーマンスする。
まるでそのキャラクターがステージに立っているように演じきる。
このキャラクターならどんな風にステップを踏むのだろうか、どんな風に腕を上げるのだろうか…

そんな事を考えながら踊るのが、いつの間にか楽しみに変わりつつあった。

Liveする事が楽しくて楽しくて、踊りも歌も元気に全力!を目指すこともあれば、指の先まで動きを綺麗に見せられるように。繊細さ可憐さを出せるように気をつけながらパフォーマンスすることもある。

ただそのためには、私自身が踊ることにもっともっと慣れていかなければいけないし、せっかくステージに立たせていただく機会があるのであれば、やっぱりどんどん成長していきたい。
今はそう思っている。

演じさせて頂くキャラクターには、少し申し訳ない気もするのだが、その子が本来持っているであろうスペックにどこまで私が追いつけて、一緒に歩んでいく事ができるか。課題はまだまだ山積みだ。
できなかった事が出来るようになる喜び、何度も失敗を繰り返す悔しさにヤキモキできるのも、大人になった今、とても貴重だと思う。

運動が苦手だった私が、踊る意味。
少しずつ、少しずつ、見えてきた。

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