(C) 2020 Daily Bulletin

アメリカの状況と言ってもまあ、このブログ読者の大半は、民度の低いひとびとが多く住む街は騒がしいし、まともな教育の行き届いた住民(私のような)が占める街はほぼ無風、という認識だろう。

確かに私の街でも、先週の土日に買い物に出かけたら、市役所(the city hall)の前に50人ぐらい、「BLACK LIVES MATTER」など書かれたプラカードを持った、ヒマな市民(大半が若い学生、もしくは無職っぽい、だらしない身だしなみのひとら)が結集していた。

だが、その周りを、40人ぐらいの警察官が囲んで、少しでも怪しい動きをしたら取り押さえる、みたいな空気を醸し出していたので、誰も大声を出さないし、みんなこう、「集まったはいいけど何をしたらいいの?」みたいな感じで戸惑っているのが、外から見ていてもよく分かった。

なんだかマヌケな光景というか、時間のムダ。


(C) 2017 The Daily Show

そういや今日、6月14日は、我が国が誇る世界に誇る独裁者の74回目の誕生日だそうでハッピーバースデーミスタープレジデンチュランプ!


(C) 2020 Click Orlando

私は別に、いわゆるプロテスト(protest)、日本語だとゴルフ・ボクシング用語のイメージが強いが、要は「反対デモ」は、アメリカ文化の特色だと感じているし、どんな環境に属していても何か文句を言いたかったら複数で集まって、大声を挙げて、自身の反対意見を述べるのが、この国に住むひとびとらしいと感じる。

とりわけ今回のは、一般市民に対する警察官の暴力がこの数年間で積もりに積もりすぎていたのもあって、黒人の怒りは妥当且つ正当性の感じられるものだし、結局、暴力は何も解決を生み出さないという当たり前の事実を、まともに認識させられる。


(C) 2019 The Nation

でも、我が家がプロテストに誘われても、私は頑なに「そんなの時間の無駄(waste of time)だし、何も変わらない(no change)でしょ」との一点張りで、絶対に参加しない。

実際に過去、大都市に住んでいた時に、同僚からそうやって反対運動に誘われたことがあるが(理由は、教師の収入が不当に低い、との理由で、私が当時勤務していた学校ではデモが一時的に横行していた)、私は即座に参加を断った。

だって冷静に考えて、そんなデモを行ったとこで、何も変わらないもん。


(C) 2020 WLRN

本当に現状を変えたいなら、立法議会(legislative session)にきちんと顔を出して、投票などを行って、一市民としての声を議会に届けるぐらいの行動力を、示さないとならない。

単にプラカードを掲げて大声で叫んでるだけなら、カラオケに行くのと変わらない。

そんな時間のムダをするぐらいなら、「Animal Crossing」(=どうぶつの森)を、子供たちと共に楽しんでいたほうが、よっぽど有意義だ。



アメリカ社会の良い所は、そうやって周りからの誘いを断っても、後から陰口大会にならないこと。

私は私、あんたはあんた、が徹底されているから、トナリキンジョノツキアイといった呪文が、いらないのだ。

とはいえ、先述の通り、騒がしい街は面倒なもので、たとえば私と英会話レッスンを受けている生徒の1人は現在ロサンゼルス近郊に住んでおり、彼女から聞いたのは、「リトル東京まで買い物に行くと、声を上げて騒いでいるプロテスターを、平日でもかなり見る」とのこと。

こういった情報は、私が現地に住んでいないのもあって、とても助かるし、どんなニュース番組よりも、精度が高い。


(C) 2020 Workforce

いずれにせよ、引き続きアメリカは、すべての州で……

(1)どうやってレストランを運営するか?
(2)エンタメ施設は?
(3)常識的な意味での人との付き合いは?


……といった項目をクリアにしないとならず、先週辺りから多くの州や街で、これまでクローズしていたビジネスを再開しても、ぜんぜん客が入らないのは、まあしょうがないっちゃしょうがない。


(C) 2020 MICECHAT

この状況でも良いニュースとしては、ディズニーランド、それも中心とされるカリフォルニア州アナハイムが、7月17日から客を入れ始める、とのこと。

詳細はまだ出ていないが、「予約システム(reservation)」を強化する、とのことで、私の予想だと、チケット購入希望者の抽選(lottery)を導入、もしくはディズニーランド専用アカウントを習得して予約、みたいな感じで、1日に入れる客を制限、という流れになるだろう。

せっかく入園券の購入を申請しても、それが当たるかどうかは、ランダムになる可能性が高い。


(C) 2017 Endo Express

これは逆に考えると、いざチケットが当たった入園者は、1日ですべてのアトラクションを回れるぐらいの自由度を、得られるわけだ。

私はディズニーランドには昔から「客多すぎ、ぜんぜん見れねーよ!」との印象なので、たとえ乱数とはいえ、もし当たればフルにサービスを楽しめることを考えれば、これはこれで、アリだと思う。

スペースマウンテンを1日で3~4回乗れるか、と思うと、そりゃ私でも「ええやん!」思うわな。


(C) 2019 Medium

そんな感じで、様々な細かい変化が、今のアメリカ社会で起こってはいるが、ウチ(Hoshi World Inc.)がかなり波に乗って進めているのが、これまでにも何度も言及しているが、オンライン英会話プログラム。

現時点でもそれなりの生徒数に達したが、どの生徒も、去年の12月から始めてもう継続7ヶ月目に突入しても、学ぶことが沢山。

というか、7ヶ月目にしてようやくいくつかの生徒が、私の目から見て「やっとアメリカの短大で勝負できるレベルにまで届いた。」と感じるようになった。


(C) 2016 Quora

いや、誤解を招いてほしくないが、これらの生徒さんたちの英語力は、その辺の外資系企業の課長レベルクラスを、余裕で超えている。

なんでかって? だって私が、そうした企業の課長レベルの英語を過去に指導してきたし、だからこそ、一瞬で比較できる。

現行で私が「長期で」教えている生徒さんたちは、「1. 自身の意見をまとめられる。 2. 単語数を日々増やしている。 3. 自身のアイデンティティを確立している。」

なので私からも、25分という短い時間でガンガン、必要な情報を与えられるし、生徒側もきちんと、レッスン前・後に予習・復習を欠かさない。


(C) IBERDROLA

ゆえに、伸びる。

特に現在、このプログラムで強化しているのは、「上級の定期試験」と、「小論文作成」

小論文作成に関しては過去の記事を参照にして頂きたいが、定期試験に関しては、レベル3とレベル4の上級試験(Advanced Exam)を月に一度は受けるのを、現行の生徒さんたちに漏れなく勧めている。


(C) EnglishClub.com

というのも、レベル3の上級試験は、英語習得に必要不可欠な四大要素、読み・書き・聞き取り・喋り(Reading/Writing/Listnening/Speakig)の4つを短時間で試すし、レベル4の上級試験は、たとえば「自分で持ち込んだ医療専門用語を、自分の言葉で説明しろ」といった、生徒の創造性を徹底的に試す設問が主。

これらは、試験前に生徒たちが「ほとんど用意できない、カンペが使えない」ので、純粋に生徒個人の英語力を測る上で、とても役立つ。


(C) 2017 Medium

さらにこの試験フォーマット、特にレベル3のバージョンは、現在、新たにこのプログラムに参加したい意志のある生徒全員に、例外なくぶつけている。

それも、「英語力測定試験(English Proficiency Exam)」名義で。


(C) iStock

この英会話プログラムを試したい受験者は、英語力にある程度の自信を持っているひとたちがほとんどだが、それがこの試験、それもたったの25分で、打ち砕かれる。

何しろ平均点は、100点満点で、40~50点。

試験管の私からすると、みんな、あらゆる点で、上記の四大要素がカバーできておらず、それはそれで、日本の英語教育の低レベルぶりが未だ変わってないのを考えると、仕方がないのだ(逆に、英語圏で勉強を経験した受験生たちは、60点をしっかり越えてくる)。


(C) SlideShare

たとえば作文に関して、私が「regard / license / suspend / traffic / letterhead / logo / include / statement」といった単語をチャットへ投げ込み、それらを30秒の短い時間内で、最低でも2つ使用で、きちんとした「学術的な(academic)」作文ができなければ、7/10以上は与えられない。

たとえ文章が作れても……

×I need to include logo on a letterhead.
〇The applicant's license is suspended due to multiple traffic violations.


(C) dot com WOMEN

………ここで言う「学術的」とは、客観的視点(objective view)や常識(a common sense)、公平性(fairness)などに重きを置いたものなので、マニュアルに近い書き方ほど、高評価につながる。

受験者には予め試験内容をPDFで渡すが、全て英語で指示が書かれているから、こうした試験コンセプトを理解できないひとも、必ず出る。

試験内容を受け取った段階から、英語力を試されているわけ。



「I don't know」と言ったら、その時点で、0点。

この作文セクションは、全体の4割を占めているので、ここでしくじって低得点を出す生徒が、少なくないのだ。

それだけじゃ、ない。


(C) 2018 National Eczema Association

たとえば試験の冒頭で出す「医療用語を“自分の言葉で”説明」は、予め辞書などからコピペして用意してきた文章を読むだけでは、失格。

医療用語を「自分の言葉で」説明できないと判断したら、私からもプレゼンを遮って厳しいツッコミをガンガン入れるし、慣れていないと「inflammation(炎症)」すらも、説明に詰まる。

そんなの、「soaring or burning pain」で、済むでしょうに。


(C) 2020 TIME

このブログでも何度か言及した、アンソニー・ファウチ先生のコメントを聞いていても明白だが、アメリカで活動する、本当の意味での専門家は、自分のフィールドを熟知しているから、外部の一般人へも難しい用語や言い回しなどを、易しい言葉に落とし込んで、丁寧な解説ができる。

自分の言葉に酔わず、まず第三者に理解してもらえるよう模索・努力し、情報を正しく伝達する姿勢が、一貫している。

特にアメリカで活動する看護師は、様々なタイプの患者を相手にしないとならないから、専門用語に頼っていると患者の不信感を募らせるだけ、ゆえに専門用語を「誰にでも」「分かりやすく」「説明できる」アビリティは、常識的に考えて、必須なのだ。


(C) Thesaurus Plus

そんな感じで、この「英語力測定試験(English Proficiency Exam)」は、そもそも準備ができない、加えて受験者のリアルな英語力が測定できる、との点で、日本の英語教育しか受けていない受験生にとっては、難易度が極端に高い。

この評価システムは、私が過去の、アメリカの大学生活経験を基に組み立てたのだが、冷静かつ客観的に判断しても、これほど分かりやすく、フェアな仕組みは、ない。

実際、私がこれまで会ってきた、アメリカ社会で立派に、独立して生き残っている移民たちは、「読み・書き・聞き取り・喋り」の四要素すべてがA評価(100点中で90点以上)。

アメリカ生活において、完全な英語環境できちんと職を見つけ、安定した収入を確保し、不動産屋とも交渉して、マイホームを買えるところまで辿り着けば、そりゃあ面白い話なんていくらでもできるし、人間的なスキルも確実に高まっている。


(C) Sukiya

ま別に私は仕事以外だとけっこうなダメ人間で、どれぐらいかと言うと、子供たちにインターネットでしか通用しない日本語スラングを教えてげらげら笑っているぐらい。

子供らが無邪気にInnnu, innnnnu! Nukkko, nukkkkko! Chiigyuu, chiiigyu!と叫んでは、それを聞いてもう爆笑。

特に最近の個人的な大ヒットはchiigyuuだがまあ余談はともかく、さらに、やる気のある生徒には私から、「General Education(一般教科)」を、提示している。



一般教科、と聞くと、やれスウガクリカシャカイといった、超ツマンネーイメージがあるが、私にとっての一般教養は「銃乱射事件・極端な肥満・性教育のひどいギャップ・職業倫理」といった、アメリカの現在の社会問題に根差すしたものだ。

現行の生徒の興味を煽る「今のアメリカで起っている問題、または医療に関係した内容、もしくは単純に私が面白いと思ったもの」に焦点を絞っているから、生徒のひとたちが興味を持って、取り組める。

一応私もそれなりの年齢で、「何が面白いか、つまらないか」を、客観性を持って判断できる確固たる自信を、これまでの経験から築いているし、実際にG.E.(こう略す)を受けた生徒さんたちからも、とても好意的な反応を得られている。

ちょっと長くなりすぎたので(いつものことか)、この辺の詳細はまた、気が向いたときにでも。

(Stephen)