林芳正外務大臣がインドで開催された20カ国・地域(G20)外相会合を欠席したことに批判が集まっています。
【参照】日経記事 


 この議論を聞いていて政治記者として取材していた麻生政権時代を思い出しました。当時、衆議院外務委員長だった河野太郎さんが、外務大臣は国際会議などに優先的に出席できる国会ルールにするべきだと野党民主党に提案されました。その頃は与党自民党の支持率はかなり低く、総選挙があれば民主党政権の誕生は間違いないという時期でした。こうしたルールづくりは民主党が政権を獲った時にも有利になると説得されていましたが、合意に至りませんでした。
(のちにご自身が外務大臣になるとは思っておられなかったと思いますが)

 14年前から言われていたこの問題。今回はどのような決着を見るのか。私の今の参議院委員長としての所管は外務省、外務大臣ではありませんが、議論の行方を注視したいと思います。

【参考】当時の河野太郎さんのブログ 


 2月27日、佐賀市の坂井英隆市長が佐賀空港へのオスプレイ配備計画について受け入れ表明をされました。計画に反対の声がある中で、非常に難しい判断だったと思います。

 坂井市長の決断に対しては「国の言いなり」などと書いた報道もありましたが、実際は正反対の対応だったと思います。市長は「国防に国全体で分かち合う考え方は理解している」という立場でありながら、地域のみなさんの不安や思いにどう応えられるか苦悩されていました。

 佐賀市の要請に対して防衛省は当初は冷淡な対応でしたし、それ以外の関係者も「佐賀県が受け入れ表明をしているのに、なんで佐賀市はウンと言わないんだ」という姿勢でした。そんな状況下でも坂井市長は市の思いを国に飲ませようと粘り強く、時に頑なとも言える態度で交渉されていました。合意見送りもやむなしではないかという時期もありました。

 坂井市長は政府で働いていた経験があったからこそ、国の意思決定構造を踏まえた動きをされたと思います。佐賀市長として国防への協力の視点だけでなく、市民生活への影響という点で守らなければならない一線を死守されたと思います。

 これからも安全対策や環境への配慮、漁業・農業への影響防止、生活環境整備などについて、私も坂井市長とともに取り組んでいきます。
先月のことになりますが、

 岸田文雄総理大臣の施政方針演説に対する参議院の代表質問では、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の舩後靖彦議員(れいわ新選組)が質問に立たれました。
舩後議員が質問の冒頭で
「私は難病ALSの進行により喉に人工呼吸器のチューブを差し込み呼吸をしています。故に声を出すことができません。従いましてパソコンを用いて電子音声の読み上げによって質問を行います。代表質問がこのような形で行われるのは憲政史上初めてです。これは私だけでなく、他の人工呼吸器利用者、言語障碍のある人が当たり前に本会議場で質問できる道が開けたこととなります。心よりうれしく思っております」
と仰った時、議場から大きな拍手が起きました。

 舩後議員の介助のために一緒に登壇された秘書さんは全国紙の元記者で、佐賀支局に赴任されていた際は私もしばしば取材を受けました。質問後に秘書さんとお会いした時に「歴史的な場面に立ち会えましたね。私も参議院の一員として、すごく良かったと思いました」とお伝えしました。

 これからも立場の違いを超えて、障碍や難病の有無に関わらず活動しやすい国会、参議院となるように努力していきたいと思います。

■舩後議員の質問動画 




 阪神淡路大震災から28年経ちました。5年前の午前5時46分は防災担当政務官として神戸市の東遊園地の追悼式典に参列しました。今朝のその時間は、現地を繋いでいるテレビを前に手を合わせました。

 今年の東遊園地では灯籠で『むすぶ』の文字がつくられていました。誰もが被災者になる可能性がある中、大きな災害を経験した場所やそこで生きる人びとを「むすぶ」ことで得られた知恵や教訓を伝えていこうという願いが込められたそうです。

 この28年の間にも地震や津波、台風、豪雨など多くの災害が起きました。今日の日中は筑後川水系合同期成会の総会に出席しました。災害を減らす取り組みにも力を尽くしていきたいと思います。



 10月3日に開会した臨時国会が先ほど閉会しました。今晩の参議院本会議では旧統一教会による被害者救済法が自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主などの賛成多数で可決、成立しました。

 救済法への関心が非常に高かった反動で、同時に成立した他の5本の法律については報道が相対的に少なかったように感じました。特に民法の改正では、長年の懸案だった女性の『100日間の再婚禁止期間』が撤廃されます。加えて、子どもの法律上の父親を決める嫡出推定のルールを見直して、離婚した女性が出産時点で再婚していれば現在の夫の子とする例外を設けました。

 これまでは離婚して間もない女性が出産した場合、戸籍上は前の夫との子どもとされてしまうため、出生届を出さない『無戸籍者問題』が起きていました。今回の民法改正で、こうした事態が解消されることが期待されます。さらに、改正民法は子どもに対する親の懲戒権も削除されています。

 土曜の国会審議は29年ぶりとのこと。週末に審議を行うなど、通常は野党から拒否されますが、今回は与野党が違いを乗り越え協力し合うことができました。異例の『土曜国会』は大きな成果があったと思います。来年の通常国会でも"良識の府"たらんと努力していきたいと思います。