黄瀬戸 | 遊芸人の活動日誌

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湘南に住む陶芸、絵画、おじさんバンドを趣味とする遊芸人のブログです 。

イメージ 1「黄瀬戸は難しい」とは陶芸家の“合言葉”みたいなもの。
釉の調合自体は灰と珪酸質土石のみなのだが、その灰の種類と素地土によって全く発色が異なるし、溶け具合も違ってくる。これほど大胆に変わるものかと今回のテストでは実感。
一枚目の写真は鉄分が比較的多く、コゲ(色ではなく焼き肌のこと)が出やイメージ 2すい黄瀬戸向けの土。
しかし、どうだこの色は。全くのこげ茶色ではないか。
しかし、二枚目の写真。同じ釉なのに本来的黄瀬戸の黄味が出た。珪酸分を比較的多めに含んだ土。これほどに反応が違う。
さて、灰の種類と珪酸質土石をちょっと変えるとどうなるか。
イメージ 3三枚目の写真
灰は同じ樫灰を使っても素地と珪酸質土石がかわる(珪酸分が少し減る)とこんな色になる。
世の中、コレでも“黄瀬戸”と堂々の賜っているものもある。しかし、本来の桃山の黄瀬戸とは違う。
素地土に鉄分が少量で緋色が出にくく、焼きしまらないタイプの土が黄味の発色がいい。
しかし、コレは今回私が調合した釉のみの話で、灰の種類、素地土の種類が違えば又全く違ってくる。
鬼板、黄土などを混ぜて“黄瀬戸”と言っているものもあるが、かの加藤唐九郎に言わせれば、“泥黄瀬戸”すなわち、伊羅保だという。
全くその通りと思って、私は灰一本での黄瀬戸に挑戦している。