アルプスでパラグライダーコースを受講している夫は日曜日まで帰ってこないので、久しぶりのひとり旅です。


抜歯がんばった自分へのご褒美として、金曜日にお休みを頂いて小旅行に行ってきました。


46€で1年間ドイツ国内の鈍行乗り放題のチケットをここまで利用している社員はわたしだけだと思われます(会社負担ありの49€Deutschland Ticket)。




1日目は、シュトッガルトの古生物博物館へ。

線路工事中のため片道3時間ですが、急ぐ旅でもないし問題なし。

途中バスに乗り換えて移動しました。

普段車で通らない道だから、景色を眺めるのも楽しい。



昼頃にシュトッガルト中央駅に到着。

そのまま博物館へ行こうと思ったのですが、電車がめちゃめちゃ遅延していたので、先に腹ごしらえにクレープとラーメンを食べてきました。

せっかくの都会だから、なんとか右で噛んで食べたいものを食べておく作戦です。


クレープはシュトッガルト駅前の小さな路面店で、ここのシンプルなバター砂糖が大好きなのです。甘くてうまい。


そのまま地下鉄で市街地まで出て、最近?できた新しいラーメン屋さんへはしご。

EArth Tokyo Rahmen Restaurant


味噌ラーメン一杯に1600円という理不尽はドイツの物価を考えれば仕方ないとして、麺がとても美味しかったです。また来ようと思う。

ただし、酸っぱい味玉とスープはそんなに好みではなかった。



お腹いっぱいで、そろそろ路面電車も走り始めたので、12:00ごろに博物館に向かいました。

Naturkundemuseum am Löwentor


Baden-Württemberg州産の化石の展示が最も豊富且つ古生物に特化した自然史博物館なので、定期的に来訪して化石に親しみ、最近見つけた化石の答え合わせしたりしています。

別の地方の博物館で見た化石に似たものを見つけるのも楽しい。



最近歯を抜いたので、三畳紀のマストドンザウルスの歯の並びがおもしろいことにようやく気づきました。

とんがったやつはいわゆる犬歯(人間や犬の犬歯とは異なる)らしいけど、そもそも歯の並びの後ろにもう一段歯が並ぶって、サメのようでもある。



このマストドンザウルスはどう見てもワニっぽいのに両生類、つまりワニの先祖ではない。

これはいつみてもおもしろしい比較標本であります。

上:mastodonsaurus(両生類)

下: Battachotomus(爬虫類)



チュービンゲンで見つかったプレテオサウルスのモデル↓

1984年に発見された当時の知見により、四肢が横に広がって爬虫類っぽい体勢になっている。


本物の標本は幸運にもチュービンゲン大学のコレクションで見ることができました。


チュービンゲン大学の展示を見直してみたら、四肢は胴体の下に伸びているので、現在の知見に基づく展示になっていました↓


こちらは直立してるので、大腿骨は下に向かっており、博物館のモデルとは知見が異なるのが分かる。


博物館のジオラマモデルも、現在の知見に従い、胴体の下に伸びる四肢が表現されているらしい。



いつも見ていたイクシオソラスの母岩もよく見たら、ポセドニア貝をたくさん含むポセドニア頁岩でありました。


無数のポセドニア貝たちが刻まれる母岩。

2種のうちのどちらかはよくわからないので、次回ホルツマーデンに行く楽しみが増えました。



このべレムナイトもよくみたら軟組織が残っている逸品でありました。

ロストラム(頭の先のとんがり)の下にある黒塊が墨袋らしい。


ジュラ紀後期の化石群のなかに、先日ゾルンヘホーフェン(バイエルン州)でみつけた雲丹がいたのもうれしい

(左下2番目)。


アイヒシュテット産雲丹↓


ゾルンホーフェンはバイエルン州なので展示はほとんどないけど、層は異なっても堆積した年代と環境が似ているので同じような化石群が見つかるのがおもしろい。




4時間ほど楽しんでホテルに向かいました。


市街地を歩いてお店を覗いても欲しいものがなくなっている自分の女子力に愕然としながらも、大変よい1日を過ごすことができて満足であります。



新しく展示に加わったこのイクシオソラスの解説が見つけられなかったのが悔しいので、また来ます。

年間会員だし。