あの博物館が素晴らしかったのと、あの時はハイキングを控えており十分な時間を割けなかったので、今回再訪することにしました。
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ゾルンホーヘンは化石大国ドイツのなかでも屈指の化石採掘場。
リトグラフに適した厚くて平らな石灰岩(Plattenkalk)の美しい路頭↓
帰国した時に購入した書籍によれば、ドイツには化石採掘で有名な場所が3カ所あり、始祖鳥の化石が発掘された世界で唯一の採掘場(いまのところ)であるゾルンホーヘンもその一つ。
あとの2ヶ所は、
ジュラ紀前期の頁岩から保存状態のよい化石が発掘されるホルツマーデン(Holzmaden)、
ユネスコ世界遺産に登録されるフランクフルト近郊のメッセル(Messel)←まだ行ったことないからよく分からない。
いずれもうちから約400km圏内とは、素晴らしい環境に住んでいる自分の強運に感謝するばかりであります。
ドイツに移住して本当によかった!!!
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イングロシュタットからゾルンホーヘンまでは50km、車で50分。
電車でも同じくらいで、渓谷を走る景色が素晴らしいので、夏に再訪するときはまだ電車に乗りたい。
Solnhofen Bürgermeister Müller Museum
大人5€。オーディオガイド2€(英語あり)
記憶力が悪いので、2度来ても新鮮な情報が多いのであります。
前回はひたすらオーディオ聴いたので、今回は説明を読んで特に知りたい時だけ聞くことにしました。
立派なイクシオソラス。
尾鰭の軟組織が残っており、イルカのような尻尾の形状がはっきりと分かる(尻尾は下方に伸びた骨しかない)。
ホルツマーデンの頁岩ではこのように尾鰭の軟組織が残っている標本は一体しかいなかったような気がします。
腹のなかに未消化のウニがいる。
食生活の赤裸々ない亀。↓
この鰐の下顎の下にさらに歯があるってどういうことなのかと思ったら、右側の下顎らしい。
夫と笑っていたら、きちんとオーディオで説明されていました。
館内のオーディオ使用率は低いように見受けましたが、だいぶ多くの情報を逃している気がします。
そもそも下顎の下にさらに歯がある異様な形状に誰もつっこまない不思議。
そして、わたしも前回全く気が付かなかった。
何度見ても甲殻類の完成度の高さに驚かされるばかりです。
1億5000年前の化石なのに、ディテールまで完全に日本のスーパーに売っている海老にしか見えない。
このヒラメみたいな化石の3D具合にビビりましたが、石板のネガに残った化石をポジに移植し完成させた逸品らしい。
プレパレーダーとはすごい高度な技術職なのだと驚かされます。
ラグーンの沼地にはまった2種の魚群。
口が開いたやつと閉じたやつが別の種類らしいのですが、今回はよく観察してみました。
左:閉口グループ、右:開口グループ(??)
ラグーン海底に沈んで化石化したうんこ。
外海から閉ざされたアイヒシュテットのラグーンに沈んだクラゲたち。
外海から流されてきて、酸素が少なく塩分の高いラグーンの底で生きられず石灰岩に堆積していったあわれな7体。
小魚を捕まえて飲み込もうとしたがうまく飲み込めず窒息した魚。
すごい瞬間がそのまま化石になったものであります。
始祖鳥Nr.9 (Chicken wing)
始祖鳥Nr. 6 (ゾルンホーヘン標本)
左は始祖鳥Nr.11の写真(ホログラム下)↓
現物は現在フランクフルトにあるSenckenberg Museumで展示されている。
右は、始祖鳥Nr.7 (ミュンヘン標本)↓
このNr.7はミュンヘン大学古生物学科の所蔵標本であり、前回ミュンヘンで見たと思ったのですが、あれは何だったんだろう(左)↓。
写真を見せて受付の人に聞いたけれど、回答は得られず結局どっちがレプリカなのか不明。
もしこっちが本物なら、ミュンヘン大学での感動を返してほしい。
まあ、どちらかは本物なのでしょう。
2階はリトグラフ博物館とアンモナイトの特設展。
前回駆け足でよく見なかったので、今回はアンモナイトをじっくり堪能しました。
異常巻きアンモナイトたち。
様々なサイズのアンモナイトの下顎。
両面あるやつはまだ見つけたことがないので、週末・化石ハンターの血が騒ぎます。
たっぷり3時間楽しんで、満足して博物館をあとにしました。
また来れて本当によかった。
情報が多すぎてちょっと疲れたので、近くのカフェでひと休み。
アップルパイとコーヒーで一息ついて、ホテルに戻りました。
帰り道には雨も止んで、景勝地であるTwelve Apostles(ジュラ紀後期の苦灰岩でできた12個の切り立った岩)も見れたしよかった。
非常に充実した二日間でしたが、アルトムールタールは夏に来るべき場所でありました。
寒いし雨で美しい自然のなかを歩けないのはもったいなかった。
アルトムールタールの実力(初夏)↓
また来年あたたかくなったら再訪したいと思います。