先週末のドイツ(BW州)は3連休。

 

夏にひとり旅したバイエルン州はアルトムールタール(Altmühltahl)に行ってきました。

 

 

今回はおひとり様の電車旅ではなく、夫と一緒に車で2人旅。

すばらしく美しい景色と貴重な化石の数々を夫と一緒に楽しみに行ってきます。

 

 

金曜日の夕方、仕事を終えて、会社の駐車場から旅行スタート。

目的地までの約350kmの前半はわたしが運転し、夫に運転交代。160km強のスピードでぶっとばす彼はやはりドイツ人なんだと改めて思いました。

わたしも明るいうちに130kmほどがんばりました。仕事のあとは目が疲れているので運転辛い。

 

イングロシュタット(Ingolstadt)のホテルに着いたのは22:00すぎでありました。

金曜日は疲れてベッドに転がったきり、記憶がありません。

 

 

 

そして日曜日の朝。

予報どおり天気は曇りでありました。

 

9:00にホテルを出発し、まずは朝ごはん。

すごく美味しかったけどお腹いっぱいで、夕食まで何も食べられなかった。。

 

 

この日は、前回の旅行で行けなかったデンクドーフ(Denkdorf)にある恐竜パークに行ってきました。

風車と畑しかない場所に突如あらわれる恐竜博物館&パーク↓

 

Dinosaurier Museum Altmühltahl

 

大人19.50€(2022年現在)と入場料は決して安くなく、直通バス以外のアクセスが難しかったので前回はパスしたのでした。

 

 

12番目に発掘された最古の始祖鳥化石。

こんなお宝が惜しげもなく20€で入れる施設に展示されているのだから、ドイツすごい。

 

 

 

しかしながら博物館のメインは、

Tレックス(Rocky)、アロザウルス(Littele Al)、翼竜(Doracula)。

 

ドラキュラは世界最大級らしい。確かにでかい↓。

 

 

10代のTレックスの個体は非常にめずらしいらしく、現在のところ他には見つかっていないらしい。

 

ただし、アルトムールタールで見つかったわけではない。

 

現在露出しているジュラ後期のアルトムールタールは大陸から離れたラグーン地帯であったため、大型の爬虫類化石はほとんど見つかっていない。

なので、このあたりの地域に特化した質の高い博物館にはいわゆる恐竜はほとんどいないのです。

 

 

個人的には、ゾルンホーヘン・アイヒシュテットで発見された始祖鳥化石の方が心動かされますが、ファミリー集客力となると難しいのかも。

 

ワニやイクシオソラスはともかく、トンボの化石ではキッズの心は掴めないので、こういった『恐竜』博物館の需要は確かにある。

 

つまり、キッズだらけでありました。

 

 

 

これは、アルトムールタールで見つかった最大のダコザウルス母(ワニ)。

母の胎内から生まれた赤ちゃん化石もありました。卵生ではないエビデンスを示す標本として価値があるものらしい。

 

右下がベビー・ワニ↑

 

 
迫力の展示を楽しみ、散歩コースに進みます。
一周ぐるりと歩くと1.5kmの森のトレイルで、古生代→中生代(三畳紀・ジュラ紀・白亜紀)→新生代とポイントがあり、立体モデルとともに生物の進化を学びながら進んでいきます。

 

 

これらのモデルは完全に子供騙しですが、時代別に進化していく古生物の説明とともにサイズ感が分かるのはおもしろい。

 

いよいよ雨が降ってきて、傘を差してもびしょぬれ。天気のよい日に来たかった。

 

途中のヒュッテでココアを飲んだのですが、屋外なので寒い。

 

最後はホモサピエンスで締めくくり、1時間ほどかけて一周まわる頃には雨も風も激しくなる一方でありました。

 

お土産屋さんで、アンモナイト・べレムナイト・トリロバイトのキーホルダーが欲しかったけど、列が長過ぎて断念。

 

そのまま20km先のアイヒシュテット(Eichststadt)に向かいました。

 

 

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前回のアイヒシュテットに来たときは、城のなかにあるジュラ博物館に行き、そのまま化石トレイルを歩いて化石採掘を楽しみました。

 

 

この採掘場が経営する私設博物館があり、前回は採掘に時間をとりすぎて閉館に間に合わなかったのでありました。

 

化石トレイルの途中にあるこの博物館のまわりに作業中の石灰岩が所狭しと置かれており、館内が気になっていたので再訪できてとてもうれしい。

Museum Berger

 

大人3€(2022年現在)。

 

私たちが到着したときには誰もおらず、建物からオーナーが出てきて博物館を開けてくれました。

 

『説明書きなどあっても誰も読まないだろう』、という創設者の意向で館内は化石展示のみで説明書きはなく、お願いすると説明をしてもらえます(英語OK)。

 

これが大変ありがたく、わざわざ半年後に出直してきた甲斐があったというものです。

 

半分ちぎられたべレムナイトの先端が突き刺さった魚の化石。

この状況から想像されるストーリーが4コマ漫画になっているのが面白かった。

 

左が海老だとはパッと見ただけでは全くわからない。ゆえに、この海老の化石は誰にも見向きもされず放置されていたらしい。

蛍光塗料を塗り、UVライトで照らすことで海老の姿が確認できるとのこと。

じゃあ、そのように展示してほしい。

 

べレムナイトの化石には大きな穴があいて、クリスタルが発達していました。

石灰岩に閉じ込められた生物の軟組織や体腔に発達するこの鉱石は方解石(カルサイト)。

アルトムールタールで化石採掘したときもたくさん出てきました。

ちなみにアンモナイトやべレムナイトのまわりにある小さな石ころみたいな方解石は糞。

前回のわたしは、嬉々として古生物のうんこを収集していたようでありました。

 

体は食べられて頭だけになった化石の魚↓

美味しくない部分が残った、ということでしょうか。

 

質問にすぐ答えてもらえるというメリットが素晴らしい博物館でありました。

 

 

雨が降って化石採掘できずがっかりしたけれど、蓋を開けてみれば充実の1日でありました。

 

 

最後に前回1人で食べたイタリアンレストランで、本日の夕食。

化石でない現生の海老とイカを食べて満足です。

ごちそうさまでした。