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CINEMA道楽

映画を見続けて40余年。
たくさん見過ぎて
忘れてしまうので、
映画館やテレビで観た
映画の鑑賞日記を
つけることにしました。
ネタバレもありますので、
未見の人は気をつけてね

 最近になってリメイク版のシリーズも作られましたが、これが1970年前後に公開された"元祖"「猿の惑星」です。
 全部で5本のシリーズで、私が子どものころ頻繁にテレビで放送されていた映画のひとつです。
 1作目のチャールトン・ヘストンが主人公の「猿の惑星」が、子ども時代にテレビで観た映画の中でも特に印象に残っています。とにかく怖かったし、同時に「映画っておもしろい、すごい!」と思わせてくれました。

 1作目の「猿の惑星」が大ヒットしたので、一気に5作目まで撮ったようですが、2作目はあまり当たらず、3作目以降はだいぶ予算も削られてしまい、評価もあまりよくありません。でも、ストーリーとしては全作とても面白いと思います。
 リメイク版の「創世記」「新世紀」も、このオリジナルシリーズの3作目以降のストーリーをモチーフに作られています。

 1作目の衝撃は、猿がヒトを支配しているこの世界は「どこか別の惑星」だと、主人公も観客もずっと思い込んだまま物語が進み、最後の最後に別の惑星ではなく「未来の地球」だったことがわかる仕掛けになっていたことです。それを明かすのは誰かの言葉でも、回想シーンでもなく、傾いて砂に埋もれている「自由の女神」でした。
 子供心に「映画ってすご~~い!!」と心底思った、忘れられないシーンです。

 5作品を1本ずつ評価して行けば、1作目以外は駄作の部類に入ってしまうかもしれませんが、シリーズとして観れば、映画史には欠かせないシリーズだと思います。
 少なくとも、私自身の映画史の中では燦然と輝いています。
 デパルマ作品をもう1本。
 デパルマ監督はヒッチコックのファンなのだそうで、この作品もヒッチコックの「裏窓」「めまい」をモチーフにした、B級映画風ホラーサスペンスです。
 "安っぽいサスペンス映画"という酷評もされている作品です。

 ハリウッドのB級映画出演で何とか食いつないでいる売れない俳優が、自分の弱みやスケベ心に付け込まれて、まんまと殺人事件の目撃者に仕立て上げられ、巻き込まれて大変な目に合う、というストーリー。

 ハリウッドのB級映画やポルノ映画の舞台裏を背景に、デパルマがわざとB級映画っぽいチープなテイストで撮ったんだろうな、と思いながら、私は楽しんで観ました。
 望遠鏡で隣家の人妻のオナニーを覗いたり、彼女がゴミ箱に捨てたパンティを拾ってポケットに入れたり、といったチープなエロシーンや妄想のカットがあるのですが、男性はこれを観ると、少年時代に親に隠れてこっそりポルノ雑誌やAVを観ていた頃を思い出すのではないかと思います。「青臭すぎて気恥ずかしい」気持ちになれるはず。

 主人公が事件の謎を追うため、B級俳優の立場を生かして潜り込んだポルノ映画の撮影シーンはとくに私の"ツボ"にハマりました。
  安ミュージカル仕立ての演出で、ただの「ポルノ映画」にしておくのは勿体ないほど。
 BGMはフランキー ゴーズ トゥ ハリウッドの「リラックス」
 この曲、大好きでロングバージョンの12インチシングル盤まで持っていたほどでしたが、久しぶりに聞きました。(ちなみにこの曲の歌詞は、男性が男性相手にセックスしながら喋ってる内容です。気になる人は歌詞を検索してみてください)

 デパルマ的な「血と女性」のコントラストカットも満載だし、ヒッチコック風のシーンはもちろん、フランス映画に出て来そうなビーチリゾートのシーンなどもあり、デパルマのエンターティナー振りが発揮されている作品だと思います。
最近リメイク版も作られましたが、これはオリジナル版。
公開当時、私はまだ幼かったのですが、一時期、テレビで毎日「キャリー」という言葉が流れていた記憶があります。今なら「流行語大賞」になっていたはず。
でも当時の拡がり方は「ホラー映画」のイメージが先行していて、大学生になって初めてレンタルで観るまでは、ずっと血まみれスプラッタームービーだと思っていました。

確かに流血シーンはありますが、ホラーやスプラッタームービーというより、「高校生の青春グラフティ」です。
ヒロインのキャリーは、いじめにあったり、母子家庭で母親がいわゆる"毒親"だったりと、決して明るく楽しいばかりの「青春」ではありません。でも、当時の高校生活とか、卒業ダンスパーティーなどがしっかり描かれている「学園もの」です。

そうはいっても、原作はスティーブン・キング、監督はブライアン・デパルマ。
家庭や学校生活で長年鬱積していたキャリーの怒りと悲しみは念動力となって放出します。そんな設定でも、安っぽいカルト映画にならなかったのは、しっかり人間関係や登場人物たちの心の動きが書き込まれているからでしょう。

デパルマ監督はこの後、光と影、赤と黒、静と動などコントラストを強調した独特の映像でヒット作を何本も撮ることになりますが、その原点がこの作品にはあるように思います。

一番怖いのはやっぱりラストシーン。
リメイク版はラストに別の仕掛けがあるようなので、機会があったら見比べてみようと思います。


 題名に"2013"とついているぐらいで、2013年の映画なのですが、どうしてイマドキこんなチャチな映画を作ったのかよくわかりません。  
 恐竜のCGは影すらない適当な作りで動きも安っぽいし、どこかで観たようなストーリーだし。
 役者さんたちはちゃんとしてるのに、もったいない映画でした。
 25年以上前のフランス映画ですが、いまだに恋愛映画のナンバーワンに挙げる人も多い作品です。
 フランス映画らしい小粋な会話、おしゃれな音楽とインテリア、心に染みる風景・・・
 日本語の「愛してる」や英語の「I Love You」はしらじらしく聞こえても、フランス語の「ジュテーム」にはつい心酔してしまいます。

 でも、私にはこの映画の「良さ」はよくわからないです。
 秀作だとは思いますが、繰り返して観たり、「マイベスト映画」に挙げるようなことは絶対に無いです。
 
公開当初も、久しぶりに観た今回も感想はあまり変わりません。

 男の人は「思わせぶりに男を振り回し、ちょっとメンヘラで、時には自傷行為もして、儚くて、ひとりでは生きて行けそうもない美人」が好きなんだなぁ~

 「痴人の愛」とか「ノルウェーの森」など、日本の小説では結構よくある女性像ですが、フランス男性もこういう女性が好きだということを知りました。

 気に食わないことがあると窓から家の中の物を全部投げ捨てて、放火までしてしまうような女性を、一途とか情熱的などと褒め称えるのがよくわからないです。私が彼の立場なら、その時点で醒めて別れます。「だんだん壊れて行くベティ」といった解説も見かけますが、だんだんではなく、最初から壊れてますよね、この子。
 パリに移ってからも、彼の小説を全部タイプしたところには健気さを感じましたが、あとはバイト先のレストランでは気に食わない客の腕にフォークを突き刺したり、彼の小説を酷評した編集者の家に殴り込みに行ったりと、傷害罪レベルのことを繰り返しています。純真、かわいい、で済ませられるレベルではなく、それでも彼女に愛を囁き続ける彼の気持ちには感情移入できませんでした。
 若い女とセックスしたいだけでしょう、とすら思いました。

 もっとふたりがきちんと向き合って愛を育むステキな恋愛映画は他にたくさんあると思いますが、なぜこの映画だけがこんなに人気があるのかはわからないです。

 ラストも決してハッピーエンドとは言えない、フランス映画らしい終わり方。
 きっとみんな、そんなフランス映画マジックにハメられているだけだよ。