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CINEMA道楽

映画を見続けて40余年。
たくさん見過ぎて
忘れてしまうので、
映画館やテレビで観た
映画の鑑賞日記を
つけることにしました。
ネタバレもありますので、
未見の人は気をつけてね

 会社の宣伝のために無理なK2登山を強行したら、案の定遭難しちゃって、助けに向かった救助隊も大変な目に会う、という雪山登山アクション。

吹雪や雪崩や断崖絶壁だけは飽き足らず、ニトロ爆弾までバンバン爆発させていて、脚本家はノリノリで楽しく書いただろうと思います。
ロケ地は本物のK2ではなく、ニュージーランドだったとはいえ、撮影スタッフや俳優さんたちはすごく大変だったでしょうが。

この手の映画のストーリーや心理描写にケチをつけても意味はありませんが、ひとつだけ欲を言うなら、「新しい航空会社の1番機に社長が山頂から手を振るキャンペーンのための強行登山」という設定だったのだから、「遭難してバニックになっている登山隊の上空を悠然と飛び去る1番機」のカットが欲しかったです。
 ハリウッド映画や角川映画など、お金がかかった商業映画ばかりを見て10代を過ごした私が、ATG映画の存在を知ったのはハタチ前後の頃だったと思います。
ATGは、まだ見ぬオトナの世界を覗き見る"禁断の扉"のようなモノでした。
ちょっと難解だったり、バイオレンスだったり、エロティックだったり・・・
今でも、ATG映画を見ると、背伸びをしてオトナになろうとしていた自分のことを気恥ずかしく思い出します。

この作品も、ATG作品の1本。ピンク映画出身の高橋伴明監督が撮っただけあって、久しぶりに見てもセックスシーンは生々しいエロさでした。

実際の銀行強盗事件の犯人をモデルにしたお話しで、「30歳になったらどデカイことをする!」と心に決めた青年が強盗を決行するまでの約10年間が描かれています。
「デカイこと」が銀行強盗というのは、非常にアホっぽいですが、妙に律儀な面や勉強熱心な姿も描かれていて、「もう少し上手く生きられたんじゃないか」と思わずにはいられません。

若い頃に見た時はまったく記憶に残っていませんでしたが、今日見直してみると、ラストシーンがとても印象的でした。
主人公の遺骨を抱え、田舎の駅のホームのベンチでうなだれる母親の姿。
このシーンが撮りたくて、この映画を作ったんじゃないかと思えるほどでした。

破滅的な生き方をする主人公の若者より、そんな息子を持ち、先立たれてしまった母親の気持ちの方がわかる年齢に、私がなったということかもしれませんが。
 こんな映画だとは思わずに見たら、こんな映画でした。

たくさんの映画で軍人役を演じているデンゼル・ワシントンですが、「正義とヒューマニズムの高潔な士官」といった役どころが多いので、この映画では良い意味で期待を裏切られました。

最初はいつものデンゼル・ワシントンが演じる軍人さん風に登場しますが、観ているうちに、だんだん「いつもと違う感じ」になって行きます。

戦時中に1小隊を丸ごと監禁して、身体や脳にチップを埋めて記憶や人格を書き換えてしまう民間企業、なんて深夜アニメにでもなりそうな設定ですが、妙にリアリティを感じたのは、俳優さんたちの演技力のおかげかもしれません。
デンゼル・ワシントンはもちろん、息子を副大統領にするために画策する上院議員役のメリル・ストリープの、母としても議員としても行き過ぎちゃってる感じがたまらなかったです。
 私は幼い頃、ディズニーの白雪姫が大好きで、絵本を毎日繰り返し見ていたそうです。初めて覚えたひらがなも、白雪姫の「し」でした。

ディズニーの白雪姫は、かわいいだけが取り柄のか弱い女の子。
王女の毒リンゴに倒れ、王子様がキスで起こしに来てくれるまで、ただ眠って待つしかありませんでした。

でも、イマドキの白雪姫は違います。
殺陣を学び、盗賊のリーダーになり、自分から王子様にキスをして王女の呪いから解放し、魔物を退治して王も救う、かわいさと強さと知恵を兼ね備えたヒロインとして大活躍。毒リンゴなど食べてるヒマもありません。

コメディタッチの、「オトナのための白雪姫」といった作品。
強くて賢い白雪姫と王女の"犬"になってしまう王子様の情けなさが対照的でおもしろかったです。
7人の小人たちも色々とワケ有り。
王女役のジュリア・ロバーツもキュートで憎めない悪役っぷりでした。

今の私にはディズニーの白雪姫より、この映画の白雪姫の方がずっと魅力的です。
でも、幼い私がこの白雪姫を見ていたら、最初に覚えたひらがなは多分「し」ではなかっただろうと思います。
「キレイでか弱いお姫様が、強くて正義感に溢れるイケメン王子様に助けられる」というおとぎ話はきっと、20世紀で終わったのでしょう。