TATOO<刺青>あり | CINEMA道楽

CINEMA道楽

映画を見続けて40余年。
たくさん見過ぎて
忘れてしまうので、
映画館やテレビで観た
映画の鑑賞日記を
つけることにしました。
ネタバレもありますので、
未見の人は気をつけてね

 ハリウッド映画や角川映画など、お金がかかった商業映画ばかりを見て10代を過ごした私が、ATG映画の存在を知ったのはハタチ前後の頃だったと思います。
ATGは、まだ見ぬオトナの世界を覗き見る"禁断の扉"のようなモノでした。
ちょっと難解だったり、バイオレンスだったり、エロティックだったり・・・
今でも、ATG映画を見ると、背伸びをしてオトナになろうとしていた自分のことを気恥ずかしく思い出します。

この作品も、ATG作品の1本。ピンク映画出身の高橋伴明監督が撮っただけあって、久しぶりに見てもセックスシーンは生々しいエロさでした。

実際の銀行強盗事件の犯人をモデルにしたお話しで、「30歳になったらどデカイことをする!」と心に決めた青年が強盗を決行するまでの約10年間が描かれています。
「デカイこと」が銀行強盗というのは、非常にアホっぽいですが、妙に律儀な面や勉強熱心な姿も描かれていて、「もう少し上手く生きられたんじゃないか」と思わずにはいられません。

若い頃に見た時はまったく記憶に残っていませんでしたが、今日見直してみると、ラストシーンがとても印象的でした。
主人公の遺骨を抱え、田舎の駅のホームのベンチでうなだれる母親の姿。
このシーンが撮りたくて、この映画を作ったんじゃないかと思えるほどでした。

破滅的な生き方をする主人公の若者より、そんな息子を持ち、先立たれてしまった母親の気持ちの方がわかる年齢に、私がなったということかもしれませんが。