今日は一日中、雨模様の埼玉県です。
ここまでの6月とは思えない激しい暑さも、ちょっとやわらぎました。
さて、そのあっついさなか、京都旅行に行ってまいりました。
当然のことながら、駅前は巨大なキャリーバッグを持った外国人観光客でごった返しており、もう海外旅行に行ったような気分。
これが噂の、オーバーツーリズムってやつなのね。
さて着いて早々、今回の旅のメインへ。
まあぼくのブログを読んでいただいていれば薄々お気付きかと思いますが、旅はだいたい「観光 < アート」ですから、そちら方面へ。
地下鉄を乗り継ぎ、やってきました京セラ美術館。
左右対称の重厚なデザイン、すばらしいですね。
この奥に行きますと、早速すごいのがお出迎え。
そう、こちらでは、現代アートに興味のない方でも一度は目にしているであろう村上隆さんの大規模個展が開催中!
村上隆さん流の絵巻「洛中洛外図」
ときどき、ちょっとかわいい「もののけ」が登場。
漆の伝統工芸のような美しい作品、でもエッセンスが注入されています。
暗いお部屋には、京都をもののけから守る4大守護神の巨大な絵が。
「青龍」「朱雀」「玄武」「白虎」
そのうちの青龍。
異様なパワーを感じつつも、なんとなくかわいさを残した構成が絶妙。
村上隆さんの代名詞「スーパーフラット」は、もともと日本画からキャリアをスタートさせた村上隆さんがあみだした手法。
日本画特有の奥行きのない画法が現代アニメのルーツである、という考え方。
今回の個展を全体的に観ると、スーパーフラットが確立するまでと、逆にスーパーフラットの観点で日本画を見直すとどうなるのか?という、村上隆さんの次なる挑戦を大いに期待しちゃう内容。
「今」を意識した、アイコンをずらっとならべた作品を楽しみつつ。
伝統的な日本画が、ことごとく村上隆さんの色に染まっていくのが、まことに痛快です。
そして、代表作のお花をモチーフのどでかい屏風絵。
特に印象に残ったのは、サービス精神旺盛な村上隆さんらしい、やたら長い名前の巨大作品。
「雲龍赤変図《辻惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》」
NHKのEテレ「日曜美術館」では、村上隆さんがその辻惟雄先生ご本人といっしょにこの絵を見ていましたね。
実際に見ると、躍動する豪快な線に圧倒されつつも、竜の顔がちょっとにやけているように見えました。
まるで辻先生に向かって「へっへっへ、やってやったぜ!」って言っているようで。
村上さんのそういう遊び心が、すっごく好きです!
いやあ、すごいの見せてもらいました。
村上隆さんの作品は、どれもポップと伝統と猥雑さと気持ち悪さのギリギリのラインを突いていて、見ていてほんと痛快です。
そのための試行錯誤は膨大な量で、その跡も垣間見れる展示も
Eテレの日曜美術館では、さらにAIの画像生成技術も導入していたりして、時代の最先端を行っていますよね。
いやー、すごい。
すごすぎる。
ということで最後に、中庭にあるお花の親子を愛でます。
超でっかい!
でも写真を撮る人でごった返していて、この一枚は奇跡的なのですよ。
まだまだこの展覧会、9月1日までやってるから、現代アートに興味ない人も行ってみて!
とにかく、すっげーから!