昨日の続きです。
舞台「たわごと」をPLATで観たあと、ごはん食べてホテルに帰りましたところまではいいのですが・・・全集中したせいか眠くて眠くて。
なので夜9時を待たずに睡眠。
おじいちゃんモード。
そして目覚ましをかけないでも5時に目覚めてしまい。
ということで、お散歩も兼ねて朝ごはん。
早朝の豊橋駅西口。
昨日の冷たい風はちょっと和らいだかな?
ここから道をまっすぐ、まっすぐ。
だいたい15分ぐらい歩いたかな?
着きました、「カフェ・フローレン」
7:30から開店しております。
ただいまちょうど7:30であります。
ゆったりと落ち着いたお店にて、モーニングです。
店内はご年配の方々が優雅に寛いでおりました。
ゆっくり、コーヒー飲んで、談笑。
こんな老後を迎えたいなあ。
きましたよ。
ミネストローネスープと焼きたてパン。
名古屋のようなシンプルなのもいいけど、こういうのもいいですねえ。
さて、ではホテルを出て静岡方面へ電車(JR)できっかり30分。
高塚駅に到着〜。
ん〜、コンビニさえ無い
ここから、普通の住宅街を歩いて10分ほど。
すごく大きい工場が出現。
世界に名だたる、スズキ自動車であります。
こちらの右側にある、スズキ歴史館がおめあて。
外観は、「いかにも資料館です!」って感じじゃなく、ふつうのオフィス的な雰囲気。
なんか、生真面目さを感じます。
だもんであいちトリエンナーレのついでで寄ったトヨタ産業技術記念館みたいな、こっちが威圧されるような雰囲気はないので気軽に入れます。
しかも無料ってところが、いいですよねえ。
あ、予約制なのでお気をつけを。
でも、よっぽどの大人数じゃなければその日のうちに予約すれば入れるみたいですよ。
知らなかったんですが、スズキはトヨタと同じく自動織機の会社だったんですねえ。
機織りって、「とんとんからり、とんからり」なんて音で表現しますけど、「とん」が縦糸をクロスする音、「からり」が横糸を渡す時の音なんですね。
で、これを昔は人がやってたんですが、「とん」はいいとして「からり」が大変。
特に縞模様を織るときは、「からり」の回数を間違えちゃったらやり直し。
そこでスズキは、左下の部分のおもりのパターンを変えることで、「からり」のプログラムを仕込むことを考えた。
いや、頭いいね!
これで「とんとんからり」も「とんとんからりからり」も「とんからりからり」もできるし、しかも間違わない。
で、さらに自動的に編むため、こんなのを考えた。
もう完全に人がいらないシステム。
「とん」も「からり」も、上にある穴が空いた紙を読み込ませ、それで織っちゃう。
もうこうなると、ほぼコンピューター制御と同じシステムで、いまの織機も基本はこの原理なんだって。
ただ・・・時代はグローバル化。
織機はほとんど壊れないそうで、なかなか買い替えしてくれないし、そもそもほかの織機メーカーだって(豊田自動織機という巨大企業が近所だし)どんどん性能は上がっていきます。
うーん、どうしよう・・・ということで考えたのが、自転車にエンジンをつけた製品。
おー、今で言う電動アシスト自転車のはしりではないか!
で、これがけっこうバカ売れ。
このエンジンのノウハウをもとに、2サイクルエンジン主体のオートバイ開発もはじめます。
そしてこれも大成功。
さらに4サイクルエンジン開発も軌道に乗り、写真のように名車がずらり。
当時としては高い買い物なれど、できるだけ庶民に買えるお値段にすることに全力でがんばったことが、スズキの成功した理由。
だって当時でも海外のバカ高いオートバイはあったわけですが、戦後の日本でそんなの買える人ほとんどいないですからねえ。
ちなみにいままで2サイクルと4サイクルの違いを知らなかったんですが、ちょっと勉強しました。
エンジンはガソリンを燃やして小爆発を起こし、その力を回転力にします。
さっきの織機の「とんとんからり」で表現(「とん」が爆発、「からり」が回転)しますと、2サイクルが「とんからりとんからり」、4サイクルが「とんとんからりからり」です。
2サイクルのほうがシンプルで高速回転できる分、なんか忙しいですよね。
だもんでちょっと燃費が悪いみたい。
いっぽう4サイクルはちょっと凝っているから急に早く回転できない分、動きがゆったりしてるから燃費がいいんですって。
さてさて本題。
オートバイが軌道に乗ったところで、次に手をつけたのが車。
実績ある2サイクルエンジンをつかって、4輪車「スズライト」を作ってみた。
いい味出してる形ですねー。
これもけっこう売れたみたい。
やっぱり成功の理由は、大型エンジンのバカ高い車ではなく、できるだけ価格を抑えたこと。
(だからオートバイ技術を応用したんですね。)
当時はトヨタだってがんばっていたわけですが、トヨタがお手頃価格から高級車まで手広くやり始めたのに対し、スズキは頑固に「お手頃価格の車」にこだわりつづけます。
そして、トヨタやホンダとは別の道を歩み、成功していくんですね。
ちなみに現在、バカ売れの軽自動車「ハスラー」って、もとはオートバイだったって知ってました?
当時から、ちょっと遊び要素のある乗り物のイメージだったんですねえ。
ここからは製造工程の展示。
ジムニーが真っ二つになってたり。
車のデザインを決める、モックアップの説明があったり。
粘土で形を決めるってのは知ってたんですが、まさかちゃんと塗装までするとは知らなかった。
CGでそんなのできるじゃんと思うのですが、やはり実際にそこにないと、光の反射具合とかはわかんないんだって。
製造ラインの説明も、ほぼ本物ですごくわかりやすい。
とにかく説明が丁寧だし、実物で見せてくれるので、妻ちゃんもすごい興味津々。
ほかのお客さんたち(意外と女性が多い)も、しゃがみ込んで見てる人もいたり。
玄関横には、最新オートバイ「隼」に乗れるブースも。
いやあ、オートバイってあんまり触ったことないし、近くで見たこともないもんで、その大きさにびっくり。
こんなに大きいんだ!って。
なおぼくも妻ちゃんも乗って写真撮りましたが、見返すと「しがみついてる感」がすごい(笑)
よくこんな大きい機械に乗って、高速道路走れるなあと思いますよ。
最後に、こちらをご紹介。
浜松(と、そのご近所)の偉人たち。
これ、すごくないですか?
鈴木道雄さんのスズキ、そして豊田佐吉さんのトヨタ(正確にはお隣の湖西市)、本田宗一郎さんのホンダ、山葉寅楠さんのヤマハ、河合小市さんのカワイ。
いまの日本、ほぼ浜松で独占!
世界の人に聞けば、いまの日本の総理大臣は知らなくてもこれらの会社は知ってますよね?
いや、すごいわ、浜松。
それにしても、全部見て思うのはスズキの生真面目さ。
展示もそうだし、今現在も軽自動車に特化した開発をし続けているところも、庶民の味方。
やろうと思えば高級車だって作れるはずなのに、あえてそうしないのが素晴らしいです。
次の車、スズキにしようかななんて思っちゃう見学でした。
ちなみにその生真面目さは駐車場の看板にも。
車種別に車を停めるところが決まっているという。
どんだけ真面目なんだよ!とツッコミたくなる。
いやあ、いいもの見せてくれました。
ということで、ここから一駅移動し、浜松へ。
高く聳えるアクトシティは、さっきのスズキからも見えるぐらいデカい。
おなかもすいたので、浜松名物のぎょうざを。
駅ビル内「石松餃子」にて。
野菜たっぷり、薄皮パリパリのぎょうざ。
いくらでも食べられますよ。
そして食後のコーヒーは、どう見てもたばこ屋さんにしかみえない「こんどう」さんへ。
入るとまるでラーメン屋さんみたいなカウンター席。(写真なし)
マスターが小さな扉から器用にひょこって出てきて、目の前でコーヒーを淹れて去っていくという、シュールな情景がたまらない。
でもコーヒーは、ネルドリップで淹れるスッキリとしながらもとろっとした味わいで、非常においしい。
ちなみにさっき「目の前で」淹れてくれると書きましたが、本当に至近距離だもんで、妻ちゃんとふたり、じっとマスターの手元を凝視するしか方法がなかった
このアップルパイがでっかく、食べ応えあります。
個人的にゴリゴリした牌が好きだもんで、これ、いいですね。
前日は舞台、この日はものづくりを堪能した2日間。
両極端ですけど、すごく刺激的な旅でした。
あ!
豊橋と浜松で素晴らしいことを発見。
前に「埼玉は信号のない交差点で車が止まらない」なんて書きましたが。
この両市で、車がほぼ確実に止まってくれます!
いや、これはおどろき。
埼玉県民はぜひ見習うべきですよこれは。
これってもしかして、スズキのように真面目な人が多いからなんでしょうか?
わかんないけど、すごくすばらしいことです。
このことだけでも、気持ちよくこの旅を満喫できたことを最後に記しておきます!