26歳サラリーマンのJリーグ観戦記2013

26歳サラリーマンのJリーグ観戦記2013

関東在住ヴェルディサポーターによるJリーグ観戦記です。
サッカー馬鹿の視点でリーグ、カテゴリーを問わず毎試合自由に書き連ねます。

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川島 5.5 目立ったミスは無かったが2試合で7失点はいただけない。
吉田 4.5 致命的なミスを連発し敗因に。メンタル面の成長が望まれる。
今野 5.5 バロテッリの個人技に手を焼くも前への強さとカバーリングで貢献。
長友 5.5 縦への突破は一回のみ。相手の足が止まった時こそ輝くべく男なのだが相変わらずキレを欠く。
内田 5.5 右サイドで次第点の出来。よりサイドを抉るような動き出しが欲しかった。
遠藤 6.0 ミスもあったが配給役として安定のプレーぶりを発揮。
長谷部 6.5 縦への飛び出しとインターセプトで貢献も不運のPK献上。次節出場停止。
本田 6.0 厳しいコンディションの中プレスを繰り返し、ここぞで体の強さを発揮。後半の切れ込んでの右足シュートが決まっていれば…。
香川 7.0 ポジションに囚われず顔を出し技術を存分に発揮し、貴重な2点目を上げる等出色の出来。後半決めきれなかった事が悔やまれる。
岡崎 7.0 絶え間なく走り続けチームを牽引。攻守ともに相手の嫌な所を突き続けた。ポストに二度阻まれた事は不運だった。
前田 5.5 中に張るだけではなくサイドへ流れるなど中盤と連動し安定したプレーぶり。前半のヘディングは決めたかった。
(酒井 5.5)得意の低く鋭いクロスは前でブロックされる。ハーフナーが出てきただけにターゲットとして欲しかった。
(ハーフナー -)出場時間短く評価なし。高さを発揮できる場面はなかった。
(中村 -)出場時間短く評価なし。もう少し長く見たかった。
川島 6.0 前半終了間際のフレッジのシュートをビッグセーブ。失点はいずれもノーチャンスに近かった。
吉田 5.0 ロングボールは通らず、終盤は相手のスピードにも手を焼いた。
今野 6.0 最後の防波堤として球際で強さ見せる。
長友 5.0 本来の調子からは程遠い状態。日本のストロングポイントとして全く機能できず。
内田 5.5 1対1でネイマール相手に気持ちを前面に出し奮闘。ただオフェンス時にはミスが目立った。
遠藤 4.5 中途半端なミスパスが多く守備でも競り負ける事が目立った。
(細貝 - 出場時間短く評価なし。ただし球際で世界と戦える選手である事は証明)
長谷部 5.0 運動量豊富に動くも連動した守備が機能せず中途半端な出来。ミスパスからピンチも招く。
香川 5.5 さすがのキープ力を発揮もゴール前で力を出せず。消える時間を減らしたいが周囲との距離感が合わなかった。
清武 5.5 技術面では通用する事を示せたが、攻め急いでのボールロストが目立った。
(前田 6.0 スタメン落ちで奮起。停滞したチームを鼓舞するべく運動量豊富に追い回した。)
本田 5.5 前半はさすがのキープ力で唯一の起点もDルイスに潰され後半は完全に息切れし停滞の要因に。
(乾 - 出場時間短く評価なし。効果的なドリブルも見せただけにもう少し長く見たかった。)
岡崎 4.5 久々のトップでの出場もルイス、シルバに跳ね飛ばされ一切機能せず。後半の唯一の決定機も枠外

早く有機的な組織的なプレスでゲームのイニシアティブを完全に握った日本代表。

前半開始早々、オーストラリアが前線からボールを激しく追い回してくる。
この試合、勝てば一番だが引き分けでもOKというスタンスでゲームを迎えていた日本にとって、明らかに勝ち点3を取りに来たオーストラリアの猛プレスは90分間厳しい試合になる事を予測させた。だが、日本はベテランWボランチを中心に、プレスとセカンドボールへの意識を完璧に遂行し、見事にゲームのイニシアティブを掌握した。
組織力という面で、圧倒的な実力差を披露したのだ。この連動したプレスはCBを高いラインに維持する事にも大きく影響した。これにより、ケーヒルを中心としたパワープレーに苦しむ事もなかった。
攻撃面でも、人数をかけて創造性あふれる本田、香川を中心に、幾度となく見事な崩しを披露した。早い段階で先制できれば、2-0、3-0というような完勝になったであろう。言わずもがな、本田、香川、長友の3人のコンビネーションをオーストラリアは最後の局面で体を張って止めるほかなかった。長友のコンディションが更に向上し、ここに遠藤、更にフィニッシュには岡崎までが絡んでくれば、アジアカップ韓国戦で披露したような完璧な崩しも期待できる。
後半はオーストラリアが日本の実力を認めざるを得なかったのか、現実的にスコアレスドローを狙いつつ、カウンターで虎の子の1点を狙うリアリストに徹してきた。ここで日本はよりアグレッシブに取りにいきたかったが停滞してしまったことは悔やまれる。そしてオーストラリアのクルース、オアーのスプリント力を生かしたカウンターにはかなり手を焼いてしまった。前から行っている分、有る程度は仕方ない点もあるが、遠藤の対応含めこの点には課題が散見された。コンフェデまでに修正が必要な点だ。

この試合を語る上で、やはり本田圭佑について話さないわけにはいかない。圧倒的なフィジカルで3、4人に囲まれても動じず引きつけ、香川や長友に自由を与えた。また局所でワンタッチでの崩しのイメージを常に持ち続け、相手の急所を突き続けた。本田への信頼があるから、チーム連帯も前に前にという意識を持ち、それが良い守備に繋がった。また自ら積極的にボールを追い回す等、より一層の進化を感じさせてくれた。
本田、香川、長友といった圧倒的な『個』に、完璧なバランス感覚と労を惜しまぬ運動量を持つ11人の『組織』。
この日の日本は、アジアの中で群を抜いていると感じさせてくれた、今年のベストゲームだった。

【個人総評】
川島【6.0】前半の1対1の決定機を阻止する等奮闘。オアーのゴールは不運だったが・・・
今野【7.0】前で奪い取る得意のディフェンスに、カバーも完璧。高さという不安要素をセンスと奪取技術で見事にカバーしてみせた。
吉田【6.0】相変わらずの安定感。制空権も譲らず。得意の縦パスで不用意なミスがあったため減点。
内田【6.0】ロアーに自由を与えず肉弾戦でも負けず。ドイツでの成長をあらためて感じさせた。
長友【6.0】豊富な運動量で相手の右サイドを完璧に制圧。とはいえ最後のクロスや1対1で負ける等らしからぬプレーも散見された。コンディションの向上が待たれる。
長谷部【7.0】奪われた時に誰よりも早く体をあて、チームのハイプレスを牽引。たよれる主将としてザックのサッカーを見事に体現した。
遠藤【6.0】長谷部との安定感あふれるコンビは他の追随を許さない。攻守のリンクマンとして絶大な存在感。但し後半疲労からかパスミスが目立った。
本田【7.0】やはり圧倒的な存在感。懐の深いキープ力は攻守に好影響を生んだ。
香川【6.5】本田の復帰で水を得た魚のようなパフォーマンスを披露。ドリブル、トラップと高い技術を久々に侍ブルーで見せた。しいて言えば得点が欲しかった。
岡崎【6.0】尽きる事のない運動量はさすが。呼び込む動きはあったもののこの日はなかなか出てこず。
前田【6.0】本田のキープ力を一番生かせるという意味でやはり前田がリードか。豊富な運動量でサイドを活性化させ、最前線からのプレスも非常に有効だった。
飯尾のトーキックシュート、高原の胸トラからのボレー、カウンターでの西の左足、最後の小池のバイシクル…。
後半、ヴェルディはあのガンバと互角の撃ち合いを演じた。バイタルを二川、倉田に面白いように使われ、そこに三列目から遠藤、今野が飛び込んでくる超J2級のガンバの破壊力ある攻撃にかなり苦しめられたのは事実だが、3バックを中心に水際で身体でブロックし続け、そして魅力的な縦に速い攻めを見せた。
もちろん勝ち点3が欲しかったところではあるが、内容結果ともにあのガンバに互角の試合が出来た事を大きく評価したい。
それにしても今日も高原、飯尾、西のベテラン陣の頑張りは観ているものを感動させる。90分、誰よりもチームの為に走り肉弾戦でも戦い続けている。高い技術を誇るユース出身の選手達が早くこのメンタリティを手にしてスタメン争いに食い込んで来て欲しいところだ。

これだけ魅力的な攻撃を継続して行なっている両クラブには早くJ1に帰って欲しいと心から思う。スコアレスドローという結果だが、実に極上の90分だった。
3バックに変えた事で最終ラインに安定感が出てきた。また本来は二列目で使いたいところだが西がボランチに入った事でボール回しもスムーズになっている。
そしてストライカー高原がいよいよ乗ってきた。これまでゲームメイクの部分での活躍ばかりがピックアップされていたが、この日はストライカーらしいプレーを随所に披露。圧巻のスーパーボレーによる先制点の他にも直接FKやクロスへの飛び込みなど随所に全盛期と遜色の無いプレーぶりだった。このまま結果を残し続ければ代表復帰も不可能ではないはずだ。
それにしても、飯尾のいつものフェイントから縦へ抜けての絶妙クロスからの西の3点目は痺れた…。久しぶりに「内容だけならうちが一番!」と言えるうちらしいゴールが見れてとにかく満足。

ヤスはサブ組に平等にチャンスを与えている。この日はユース上がり一年目の前田が気持ちのこもったプレーを披露した。注目の中島、高木、杉本らとの熾烈なベンチ入り争いがチームを更に強くしていくだろう。夏場に向けて、ようやくヤスヴェルディが勝ち点3を手にし昇格への第一歩を踏み出した。次節ガンバ戦、どこまで通用するか分からないが、今はただワクワクしている。
これまでも流れの中で3バック気味になる事はあったが、今日は頭からフォーメーションを弄ってきた。
これにより高原を孤立させない事、そして両アウトサイドを高めに置き、森と小池の個人技を最大限に生かす事に成功した。
特に小池の才能がヴェルディ入団以来最も生かされた。スピードに乗ったドリブルだけでなく、絶妙なファーストタッチでDFを置き去りにしたり、高さでも勝ち続け攻撃の起点となったり。
これまで森だけだったストロングポイントに、左の小池・飯尾という新たな武器が加わった事は大きい。

しかし、それでも勝てなかった。両サイドからクロスで揺さぶられ、マークがずれたところを頭で合わされた。これは福岡戦と同じ形での失点だ。もちろん原因はクロスを上げるところ、ペナルティエリア外でプレスにいけない怠惰なボランチ陣にもあるのだが、やはりCBの駒不足は否めない。
土屋、深津、高橋というリーグ屈指の強さを誇るCBを放出し、足下に長けたキムや福井を取ったわけだが、やはり高さ、強さという面での迫力不足は顕著だ。
ハイプレスという弱点に加え、サイドからの揺さぶりに弱いというのはあまりにいただけない。ここの補強なくして、昇格は厳しいと言わざるを得ない。
ヤスヴェルディの厳しい戦いは続く。福岡のようにゾーンでべったり守ってくる相手はもう居ないだろう。前節京都戦で露呈した拙く脆いバックラインでのパス回しは当然の如く狙われ、ショートカウンターを浴び続けた。ただこの日も決定的な場面は相手の拙攻とGK佐藤を中心とした最後の粘りでなんとか1失点に抑えた。

後半、ヴェルディの攻撃にはやや改善も見えた。特に途中出場の常盤がしっかりとキープ出来た事で全体が前を向く時間を作れた事は良い兆候だ(相手の足が止まってきた時間帯であったというのも当然あるが)。そして90分誰よりも献身的に動き続け、ほとんどの場面で安定したキープ力を披露した西の復帰は本当に大きい。高原、西、飯尾のベテラントライアングルに今後どのピースを埋め込むのか、この選手がチームの浮沈を決めるだろう。特にドリブルというアクセントを持つ翔哉、竜士、前田に大輔、南といった個性が光り輝く事が出来ればチームは大きく成長できる。ボランチ以下のパス回しについてはコンビネーションが熟成されれば少しはマシになるだろう。前線の四人+森でJ1レベルの攻撃陣への変貌に期待したい。

正直に言ってここ2、3年と比べて選手のレベルは低い。特に高橋、深津、土屋のCBと梶川、和田の両ボランチの大きさを改めて感じている。そして安田についてはこの2試合、正直言ってJ2レベルとは言い難い。
ただ高原、西、飯尾、森らベテランに依存している現状を打破するためにヤスがいかに若手を組み込み個と組織を成熟させていくのか、その手腕によっては昨年以上のチームに化ける可能性もある。
そして次節は因縁の北九州戦。ここで勝ち点3を勝ち取り、勢いに乗りたい。
マリノスが安定の試合運びで開幕3連勝。Jリーグで勝ち点を稼ぐ、という意味では理想的な内容を披露している。

マリノスのサッカーは至ってシンプル。ボールを奪ったらまずは俊輔に預ける。ここで俊輔が無理なら早めにトップに当てる。そこに中盤やサイドバックも絡むが、基本的にはリスクはあまり犯さずに最後は個人で崩すイメージ。
強さと巧さを兼ね備える富澤と、質高く運動量豊富に動き回り且つ捌ける中町と兵藤。この3人が圧倒的なキープ力を誇る俊輔、マルキーニョスを常にサポート。センターバックには裏への弱さは致命的だが高さに絶対の自信を持つ中澤と栗原がそびえ立つ。
セットプレーも含め、個の力を最大限に生かしたサッカー。古典的といえばその通りだが、バルサのようなポゼッションサッカーを志すクラブや、運動量が売りのクラブが多いJリーグでは非常に効果的な戦術だ。一昨年優勝したレイソル同様、圧倒的な個人技を持つプレーヤーがいるからこそ出来る横綱サッカーと言える。

他方ジュビロ。まずは前田、金園にあて縦→落とし→駒野クロスという形が基本。ただトップに収まらないと当然厳しくなる。山田やダブル小林などミドルレンジからパンチ力がある選手も多いだけに、より多彩な攻撃パターンを磨く必要がある。こちらも前田、山田、駒野と個々の力はあるのでハマれば上位陣に食い込んできそうだ。

ところで今日の主審の高山は相変わらず判定基準が曖昧で選手泣かせだが、以前のように無駄にゲームを止めないような意識改善が散見された。彼らの質の向上はJの発展には欠かせない。今後も厳しく温かく追って行きたいと思う。
手も足も出ない完敗。シュートはわずか1。簡単に自陣でボールを狙われショートカウンターの応酬。90分間一切修正の出来なかった間瀬の無能ぶり。これで勝ち点1をいただけるなど考えられない。早い時間帯に1点奪われていれば、7-0といったスコアになっていてもおかしくないだろう。
これほど内容で圧倒された事は正直記憶にない。HOT6でさえ、もう少しゴールの可能性を感じた。ヤスのサッカーは後ろからボールを大事に繋ぐこと。福岡戦を見れば、誰もが覚束ない最終ラインに圧力をかければチャンスに出来るという事はわかる。にも関わらず変わらず下手くそな繋ぎで、常に人数が同数の状況でプレスをかけられ、簡単にボールを失い決定的ピンチの雨嵐。割り切ってロングボール戦法に切り替える事も当然やらず。高原以外の評価は5.0以下確実。考えられない試合。なぜ翔哉を使わなかったのか。サポーター離れが一気に加速してもおかしくない。
普通ならロングボールやドン引きサッカーでもう少し可能性を感じるが、全て無駄に繋ぎ追い込まれミスして失う。それが90分間続いたのだから救いようがない。繋ぐサッカーはハマればやれる事は福岡戦で証明したのだから、今後今日のようなハイプレスをかけられた時にどうするのか。
こんな試合は一生涯見たくない。本当にこのままではJ3に降格してしまう。
試合はドローに終わったが、後半に川崎がみせた怒涛の攻撃は今後に期待できるものだった。
前半、ボールは回すが、低い位置で不用意なミスを繰り返し幾度となくカウンターから決定機を作られた川崎。
大分は狙い所を定め、それ以外には飛び込まずに人数をかける堅牢な守備組織。前節東京戦では機能しなかった有機的な守備ができていた。ブロックとプレスのバランスが非常に良かったのだ。

そこで後半川崎は右サイドの田中をボランチに回し4バックへ変更して対応。稲本と田中という球際に強い二人をボランチに並べる事で、高い位置でカットできるようになり、大久保、レナト、小林の3トップ、そして左サイドの登里の個人技を生かす事が出来た。
前半の情けない戦いはあまりに酷かったが修正後の戦いぶりは見事だった。

そして大久保嘉人。本当に素晴らしい。特に真ん中に入った後半は圧巻。ポストプレーで強さを見せ、散らし、フィニッシュにも飛び込んでくる。その迫力はまさにワールドクラス。サイドでの起用が続き野性味が薄れてきた日本史上屈指のアタッカーが川崎で最盛期を迎えるかもしれない。

川崎が目指すサッカーは悪くない。ただバルサのように徹底して繋ぐには、無駄に体力を消費しないためにも高い位置で奪い返す力が必要になる。今回のWボランチはその答えになりうるだろう。