ヤンボシ | 湯舟沢 鰐魂狗の幻夢草子

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ヤンボシ

鹿児島県肝属郡百引村(現・鹿屋市)や宮崎県に伝わる妖怪。

夜の山道を歩いていると出遭うもので、大きな影が人型に広がって現れるといわれる。見越入道の一種とする説もある。

宮崎ではヤンブシともいって、坊主が首吊りをした場所に必ず現れ、夜に山へ行くとヤンブシにさらわれるという。出現に気づいてから走って逃げても追いかけてくるので、狙われた際にはさらわれることを覚悟しなければならないが、人間がヤンブシに気づかないときには、ヤンブシの方も人間を気にしないことが多いという。

奄美群島でもヤンブシといい、髪を振り乱した妖怪として怖れられている。

山道でこうした妖怪の言い伝えがあるため、かつては夕方に道を行く人同士が声をかけ合う風習があった。これは単なる礼儀ではなく、行き会った相手に対して、自分が化け物でないことを証明する意味であったという。

名称は「ヤンボシ」「ヤンブシ」ともに、「山伏(やまぶし)」に由来するといわれる。