禍(か、わざわい)
伝説の生物、怪獣である。災禍を生み出す存在であると言われている。禍獣、禍母(かも、かぼ)とも。
日本では『宝物集』巻第6(「天竺の国王禍を求む并経説譬喩の事」)などで説話が紹介されており、猪のような姿で鉄だけを食べたことが示されている。
また室町時代ころに書かれた御伽草子『鶴の草紙』(つるのそうし、鶴草子)の一系統に、地頭の出す難題(こなせねば美しい女房(鶴)を渡せと迫る)のひとつとして「わざわい」という獣が登場している。牛のように大きく、ツノの生えた狼のような獣で、ツノを振れば空がくもり凄まじい風が巻き起こったという。山の中にある鶴の両親の家にこの獣の「わざわい」が居た為この難題は打ち破られ、「わざわい」を持ち込まれた地頭はその乱暴な生態に恐れおののく。