「婦系図」 | 日光暮らし四季折々

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東京生まれ、東京育ちの私が、2013年に夫と二人で栃木県日光市に移住してまいりました。この地での四季折々の暮らし、仕事や趣味のこと、たまに病気のことなど(2度のがん経験者です)、そして大好きな奥日光について綴ります。

こんばんは。

 

泉鏡花「婦系図」読了しました。

 

お蔦主税と貫一お宮の違いもよく分かっていなかった私。

とある新聞記事で興味をもって、購入はしたものの

「積ん読」になっていましたが、やっと読めました。

 

いやー、びっくりした!

これ、お蔦主税の悲恋物語と思いきや全然違うのよ。

まあお蔦はかわいそうなんだけど。

というか女性の登場人物はみんなかわいそう。

で、舞台とかで有名な湯島の白梅のシーンも

この小説にはないんですよ。

あれは舞台化されたときの台詞なんですね。

 

後半、とくに終盤の怒涛の展開がものすごい。

前半なんだかよくわからなかった主税さんの本当に姿に

びっくりするー!

どんでん返しの連続なんです。

なんか、歌舞伎の黙阿弥物みたい。

出自の秘密とか、敵役と思いきや実は、とか。

お蔦主税を引き裂く先生なんか、ほんとひどいヤツ、

と思っていたら… もういろいろびっくりなんですよ。

 

流麗な文章、歯切れのいい江戸弁に酔っ払いそうに

なります。

明治の東京の人は、ほんとに黙阿弥物みたいな

話し方をしていたんだ、と不思議な気持ちになりました。

 

読み終えて、ちょっと呆然とするような作品でした。

 

 

 

 

 

それではまた!