こんばんは。
泉鏡花「婦系図」読了しました。
お蔦主税と貫一お宮の違いもよく分かっていなかった私。
とある新聞記事で興味をもって、購入はしたものの
「積ん読」になっていましたが、やっと読めました。
いやー、びっくりした!
これ、お蔦主税の悲恋物語と思いきや全然違うのよ。
まあお蔦はかわいそうなんだけど。
というか女性の登場人物はみんなかわいそう。
で、舞台とかで有名な湯島の白梅のシーンも
この小説にはないんですよ。
あれは舞台化されたときの台詞なんですね。
後半、とくに終盤の怒涛の展開がものすごい。
前半なんだかよくわからなかった主税さんの本当に姿に
びっくりするー!
どんでん返しの連続なんです。
なんか、歌舞伎の黙阿弥物みたい。
出自の秘密とか、敵役と思いきや実は、とか。
お蔦主税を引き裂く先生なんか、ほんとひどいヤツ、
と思っていたら… もういろいろびっくりなんですよ。
流麗な文章、歯切れのいい江戸弁に酔っ払いそうに
なります。
明治の東京の人は、ほんとに黙阿弥物みたいな
話し方をしていたんだ、と不思議な気持ちになりました。
読み終えて、ちょっと呆然とするような作品でした。
それではまた!