アホちゃうか | ワンコ’s +2の日々

ワンコ’s +2の日々

2匹のパピヨンと人間2人が住む
パピヨン城にやって来た保護WANs
3匹&被災犬1匹の日々を綴ります

 英国でロイヤルウェディングが執り行われた。

色々な意味で画期的なこのイベントをどう報道するか興味深く注目していた。

 

そして失望した。

 

誰がデザインしたドレスなのか、ベールの長さがどのくらいか、ロイヤルキスの長さがどのくらいだったか、どんな有名人か招待されたか、そんな内容ばかりの報道。

 

同じ資源の乏しい島国、皇室と王室、呼び名は違うけれど共にロイヤル一族を有する国。

伝統が大好きな国民。

 

片方は王室の一員と言えども、一般国民と同じ人権を有し、納税などの義務もある。

方や人間宣言を行ったとはいえ、国民としての人権や義務とは無縁の皇室。

 

国籍を越え、人種も越えて、愛する人と結婚できる王子。

そしてそれを指示する国民。イギリス国内での調査によれば、アフリカ系アメリカ人との今回の結婚に難色を示したのは国民の15%程度だったそうだ。

世界はまだまだ白人至上主義がはびこり、有色人種に対する差別は激しい。

表面上はそれは恥ずべきこととされており、全く差別意識を持たない人もいるけれど、実際はまだまだ少数派にとどまっている。

 

歴史あるお城の中の礼拝堂で、異人種かつ他国の神父が長い説教を行い、黒人だけで構成された合唱団がゴスペルを歌う。

それがイギリスで行われたことの歴史的意味は大きい。

そして、国際化、国際化と喚き、自国の言葉、歴史教育よりも、英語教育に重点を置き、英語さえ話せれば国際化だと勘違いをしている日本人が学ぶことはたくさんあった。

 

仮に日本の皇族が他国籍かつ異人種との結婚を望んだらどうなるだろうか、想像して欲しい。

いや、異人種とまではいかなくとも、中国や韓国の人と結婚を望んだらどうなるだろう。

皇室典範においては、外国人との婚姻を禁止する条項はないし、過去には女性皇族が外国人と結婚したこともある。(本人の意思とは関係ない政略のためではあったが)

 

そもそも今のこの時代において、女性であることが天皇になることの妨げになるこの国である。

それがいいか悪いかは別にして、開かれた皇室だの国際化だのと言いながら、そのことについて真剣な議論をしようとしない。

それでいて、世界において常に主導的役割を果たしていきたいと望む我が儘さ。

 

世界で活躍する日本人も多く、個人としては尊敬される人もいるが、国家としては尊敬されることのない日本。

その原因がどこにあるのか、どうすればいいのか、そうしたことを国民に問いかけ、しっかりとした議論をする良い機会だったのに

社会の木鐸であるべき報道機関が、いっさいそうしたことを提議せず、ファッションショーのごとくの報道をする。

そしてゲストと称して呼ばれた国際事情に詳しいだの、世界の王室に詳しいだのと言われる輩もいっさいそうした話はしない。

 

こんな国が、こんな国民が、やれ国際化だの、やれ世界のオピニオンリーダーだのと言ったところで相手にされるわけがない。

 

日本の未来は暗い。