● 突きの威力と貫通力を増す、肩のチンクチを、素早く使えるようになります。
こんにちは。川村です。
唯真流空手をされているHさんの、研鑽クラスの講座の様子を、ご紹介します。
Hさんは唯真流の稽古と並行して、研勢塾の研鑽クラスにも通われています。
研鑽クラスとは、研勢塾の上級コースを修了したかたのクラスです。
初級・中級・上級コースで学んだことを、さらに研鑽し高め、各専門分野に対して、より実践的な練習をします。
今回は、力みをなくしていくことで、突きをブラッシュアップしていきました。
まず、自然体で立ち、鎖骨を動かして、片方の肩を胸より前に突き出します。
鼻から、フッと息を吐くのに合わせて脱力し、肩が勝手に、後ろに引かれるに任せます。
「ああなるほど!胸を回すわけじゃないんですね!」
この練習により、突きの威力と貫通力を増す、肩のチンクチを、素早く使えるようになります。
次に、片方の肘を曲げ、背中より後ろに引いて、できるだけ高い位置に構えます。
肘を、後方の高い位置に留めていた力を抜き、肘が勝手に、前にスイングするに任せます。
「ああ~出ますね!これはわかりやすいですね!」
構えから、肩のチンクチに続く、突きの前半動作を、脱力してできるようになります。
続いて、片腕だけで、小さく前にならえの体勢になり、前腕の重さを感じるようにします。
前腕の重さに耐えかねて、肘が勝手に伸ばされるに任せます。
「ああ~本当にプランプランにするんですね!」
上腕三頭筋の筋力に頼らず、突きを出して、威力を浸透させるために、重要な練習です。
今度は、壁に片手を着き、上半身を前に倒して、床と平行にして立ちます。
この体勢で、縦拳を脇に引いて構え、肩を胸より前に突き出します。
ここまでに練習した、3種類の脱力を、連続して行うことによって、勝手に突きが出るようにします。
「ああ出ますね!まるで力を使ってないですけど(笑)!」
この練習で、重力を利用して、自分が筋力を使わなくても、突きが勝手に出る感覚をつかみます。
次に、上半身を直立させて立ち、縦拳を脇に引いて構え、肩を胸より前に突き出します。
3種類の脱力を、連続して行いながら、素早く正中線を出します。
突きが勝手に前方に飛び出し、そのまま止まらず、同じ速さで勝手に戻ってきます。
「ああ~勝手にこうなりますね!速いですね!」
構えたところから、脱力するだけで、自動的に突きを出し、自動的に引くことができました。
再び、縦拳を脇に引き、肩を胸より前に突き出して構えます。
拳を、相手に、前から両手でつかまれ、突きを出せないように、押さえられます。
脱力し、構えを解くだけで、自動的に突きを出し、相手を、後退させることができました。
「もう、最初に脱力した瞬間から、相手の身体全体に、力が伝わるのがわかりますね!」
腕力を使うどころか、逆に脱力するのに、腕力では動かない相手を、後退させることができたんですね。
ミットに、脱力によって自動的に出る突きを、当ててみました。
構えたところが、一番力が入っていて、そこから順に脱力していくことで、突きを出します。
一切がんばらなかったのに、ミットを貫通し、相手の背中にまで威力を伝えることができました。
脱力しか使わなかったのに、ミットを持つ相手を、後ろに吹っ飛ばすことができました。
「うははは(笑)!これは凄いですね!軽くなのに、思いっ切り威力が浸透していきますね!」
こうした一連の練習で、身体の使い方がわかっていれば、脱力するほど突きが強くなると、確信できるわけです。
ガマクを入れることを活かしたその場突きに、この脱力による突きの出し方を、使ってみました。
「ああ~ヤバイですね!そうか!呼吸を使えば、さらにムチミも同時にできるんですね!」
「なるほど!相手の動き出しに呼吸を合わせれば、カウンターを取るタイミングが、ピッタリ合いますね!」
「これはいいですね!ラクなのに、これなら手を故障しないですからね!」
「握らないで、強く突こうとも思わないで突いたほうが、ミット持ってる相手の、首まで衝撃がきますね!」
「空手の技は、力を抜かないと効かない!力は入れないほうがいいどころじゃないんですね!」
「ああ下段払いも!外受けも!落とし受けもか!みんな、ブラブラでやったら、威力がシャレにならないですね!」
「本当に、こういうことがわかると、力を入れるのは、もったいないなと思いますね!」
体力を浪費せず、ラクなのに、突きを速く、強くすることができますよ。
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合気・発勁・浮き身などの武術の極意を、マンツーマンでお伝えしています。