それは、温泉としても有名な山形県南陽市赤湯
から始まりました。
山形市と米沢市の中間辺りに位置する赤湯温泉は、
開湯900年余りの古湯。
戦国の世には戦で傷ついた兵の傷を癒し、
江戸の時代には近隣農民や病を患った者の
湯治場として賑わいました。
赤湯温泉の名の由来は
温泉が兵の血で赤く染まったことから名付けられたそうです。
赤湯辺りでは、江戸時代にはぶどう栽培が行われ
この葡萄を使ってのぶどう酒造りが盛んに
行われるようになりました。
ところが悲劇は第2次世界大戦の頃から始まります。
軍の指導により電波兵器用の酒石酸を軍に供出するため
大量のワインが造られ(砂糖と交換だったんだって!)
酒石酸を取ったあとに残ったワインを販売していたそうです。
当然味は悪く“赤湯のワイン”と言えば
不味い酒の代名詞と言われるようになり
そのイメージが尾を引き、多いときには90件あったワイナリーも
今では、たった4件になってしましました。
大変な時代を乗り越え、今の山形ワインの礎を築いた
赤湯のワイナリーの方々は、いったいどれほどの困難を
乗り越えたのだろうと思うと、ワインをいただく前に
敬意を払わずにはいられません。
そんな赤湯のワイナリーをシリーズで飲んでみませんか?
つづく・・・