西和賀日記647回「滝ミストに包まれて」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

西和賀登山ガイドの会の女神山パトロールに同行しました。

女神山(956m)は真昼山地の南端にある三角錐の端正な山です。

 

 

和賀岳自然保護観察指導員でもあるミユキさんと、兵庫県出身で西和賀町に最近移住してガイドの会にも入ったシモちゃんについて歩きました。

シモちゃんの苗字は「下山」です。

入山しても下山……? 「げざん」ではなく「しもやま」さんです。

 

 

登山道の状況を確認したり樹木や花を見ながら歩きます。

前日の風雨の影響か倒木が登山道をふさいでいました。

 

 

タマガワホトトギス(玉川杜鵑)が咲いていました。

黄色に焦げ茶の斑点がホトトギスの胸の模様に似ていることから名づけられたそうです。

 

 

ツルアリドオシ(蔓蟻通し)がたくさん咲いていて踏まないように気をつけて歩きました。

接写なので大きく見えますが、花の高さは1センチくらいしかありません。

V字の対になって開き、色は純白ですがピンクを帯びた花もあって思わず見入りました。

2時間かけて山頂に着き、ブナ見平を周回するように下山しました。

 

 

女神山といえば楽しみなのは滝めぐり。

黒い岩肌を繊細な布で包み込むようにやさしく落ちる白糸の滝です。

 

 

姥滝(うばだき)は音もしぶきも豪快です。

この少し上流には小さくて控えめな爺滝(じいだき)があり、人間社会になぞらえてガイドするのが笑いのタネになるようです。

 

 

滝つぼを裏から見ると、束の間の別世界を体験できます。

 

 

最も高い落差の「降る滝」が滝めぐりのハイライト。

沢伝いに遊歩道を詰めた先、断崖に水の精が弾けながら舞い遊ぶような光景に胸がすく思いです。

 

 

滝のミストに包まれると、きっと誰もがこんな笑顔になるのでしょう。

 

 

駐車場の仮設トイレを清掃して女神山パトロールを終了しました。

1000mに満たない低山ですが、真昼山地の中では入山する人が一番多いようです。

ブナの森と清冽な滝が人を惹きつけるのだと思います。 (7月6日)

 

 ■「白糸の滝」と称される女神山の滝めぐりは西和賀町を代表する観光スポットですが、駐車場までの6キロほどの林道(未舗装)は悪路で、滝に降りる急坂は一般観光客には危険です。このことは次回以降に書きたいと思います。