西和賀日記540回「動物の足跡ない雪山」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

大雪が明け、西和賀の景色を白いベールがふんわりと包みこんだ朝でした。

50~60センチの新たな積雪があり、氷状になった前の積雪と合わせると80センチくらいになりました。

曇天ですが風がなく、久しぶりの雪遊びにでかけました。

 

 

玄関を出ればクロカンハイキングの入り口です。

30年くらい前クロカンに凝ったころ、車を飛ばして奥日光に行くか電車を乗り継いで裏磐梯に通ったことを思えば、西和賀は何と恵まれた環境なんでしょう。

 

 

けさの雪はクロカン板でも20センチ以上もぐってしまい、滑るどころではありません。

急きょスノーシューに履き替えました。

それでも、やっぱり20センチくらいもぐるのでした。

 

 

家からすぐの雪面に、いつもなら動物の足跡がたくさんあるのに、けさはありません。

足跡かな…と思って見ると、なんだか酔っ払いの千鳥足みたいに乱れているのは、電線からの落雪の跡なのでした。

 

 

裏山に分け入って行くと、オニグルミ(鬼胡桃)の羊(冬芽)が雪を背負って迎えてくれました。

 

 

愛嬌たっぷりのオオカメノキ(大亀の木)の冬芽は、やっぱりバンザイしてました。

 

 

花粉症の人は見たくないでしょう。

 

 

ずいぶん奥まで行きましたが、動物の足跡はまったくありません。

キツネや野ウサギやテンはどうしているんでしょう。

雪に埋もれた巣穴に潜んでいるのか、大雪を察知して雪が少ない地方に移動したのか。

少なくとも大雪の翌朝、僕が歩き回った範囲を動物は歩かなかったということは事実です。

なんだか不思議というか、怪しいというか、さびしいというか…。

けがれのない雪面を乱すのは木の枝からの落雪と僕の足だけでした。

 

 

雪カフェしながら、あっちやこっちで枝が雪を落とすかすかな気配を耳に、しばし何も考えないひとときを過ごしました。

雪あっての貴重な時間です。

 

 

雪面を歩いていたのは雪虫だけでした。

「歩いてくれてありがとな、足跡はつかねえけど」

「おっさん馬鹿じゃねえか!」

 

 

4時間ほどのスノーハイキングから帰り、半分埋まったミツバチの巣箱をどうしようか考えましたが、何も手出ししないことにしました。

ミツバチにも馬鹿にされそうなので…。 (3月5日)