西和賀日記524回「遠くに近くに根菅岳」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

晴れ渡ったら撮ろうと狙っていました。

「平地から見た根菅(ねすが)岳」です。

真昼山地(奥羽山脈の一部)の北部、和賀山塊にある根菅岳は、地元・西和賀町内の平地から見えません。

周囲の山や尾根に隠されてしまうんです。

でも、(当ブログには何度も書いていますけど)とってもいい山なんです。

 

 

けさ、日の出のころ貝沢地区から見た沢尻(さわじり)(真ん中奥の白い小さなピーク)

この山頂から根菅岳を正面に見ることができるんです。

その前に、とっておきの平地の撮影地に向かうことにしました。

山伏トンネルを抜けた雫石町の御所湖畔です。

以前から狙っていて、なかなか晴れ渡った日に行けなかったのです。

 

 

日の出のころ雲がかかっていた和賀山塊が、僕の日ごろの行いを神様が見逃がしていたらしく、すっかり晴れ上がりました。

宝くじの2等に当たったくらいのうれしい瞬間でした(当たったことありませんけど)

白い山脈の左の方に根菅岳が見えているのです。

よほど根菅岳に興味がある人以外は目にも入らないことでしょう。

 

 

ズームで撮った根菅岳。

端麗な双耳峰がくっきりと見えています。

全国的には無名の山です。

でも、僕は密かにこの山に想いを寄せているんです。

誰にも見られず、奥深い山峡につつましく身を置いて、周囲の和賀岳や高下岳といったスターたちの陰になりながら、それらを引き立てている純情無垢で孤独な山。

愛さずにはいられません。

 

 

山伏トンネルを抜けて西和賀町に戻り、貝沢から登山口に入りました。

遠望の興奮さめやらぬうちに間近に見ようという考えです。

 

 

ブナの尾根はやっぱり気持ちいいなぁ。

登り口の杉林でカンジキのツメを痛めてしまいました。

だから、ほとんどを長靴のツボ足(キックステップ)で登りました。

幸い、つま先に鉄板入りの安全長靴だったので、斜面へのキックは快調でした。

 

 

標高が上がるにつれて根菅岳が姿を現してきました。

 

 

沢尻岳の最後の登りです。

先客が何人かいました。

皆さん、さらに奥の羽後朝日岳に足を延ばしたようです。

 

 

標高1260メートルの沢尻岳山頂に立ち、和賀山塊の主脈を望みました。

真ん中が根菅岳です。

右奥は和賀岳、左端は高下岳。

 

 

根菅岳の全容です。

沢尻岳の山頂は強い風が吹いていましたが、タヌキの尻皮で雪面に座り、この景観を眺めながらおにぎりをほおばりました。

 

 

壊れたカンジキのツメは、ゆで卵の殻を割るのに役割を果たしました。

 

 

至高の雪カフェは、こんな山景色の中で一番映えます。

平地から見る根菅岳の愛おしさ、間近に見る根菅岳の美しさに胸を熱くした雪山でした。 (2月17日)