西和賀日記515回「小澤征爾を聴く喜び」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

指揮者の小澤征爾が6日に88歳で亡くなったニュースを深夜に聞いて、ついにこの日が来てしまったんだなぁと悲嘆にくれました。

 

 

けさ、JR北上線ほっとゆだ駅の売店で新聞を4紙(朝日、読売、毎日、岩手日報)買ってきました。

各紙1面に大きく掲載されていました。

その活躍ぶりは音楽界を超えた存在でしたね。

 

 

世界で小澤ほど愛された日本人はいるでしょうか。

各紙とも社会面のほとんどを使って、評伝と経歴、賛辞を載せていました。

 

 

昨秋、NHKテレビがセイジ・オザワ松本フェスティバルを放送しました。

ジョン・ウイリアムズ本人の指揮による映画音楽の演奏が終了した後、車椅子を押されてステージに小澤が現れました(思わず画面にカメラを向けました)

これが公衆の前に見せた最後の姿だったのだそうです。

 

小澤の演奏の思い出がたくさんあります。

30年くらい前だったか、ボストン交響楽団を率いた来日公演を聴きました(宇都宮市文化会館)

プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」、ベートーヴェンの交響曲第5番。

そのエネルギッシュで繊細で音が輝くような一瞬一瞬が今も鮮明です。

サイトウ・キネン・オーケストラを指揮したバッハのマタイ受難曲(東京オペラシティ)は、席が前の方だったので小澤の息遣いまで感じた、感動の3時間でした。

 

 

水戸室内管弦楽団で生の小澤を観る機会が多かったので、CDはあまり持っていません。

手元にある中で一番気に入っているビゼーの交響曲(フランス国立管弦楽団)を今夜は聴きながら悲報をかみしめると同時に”小澤征爾を聴く喜び”にひたりたいと思います。

現役で仕事をしていたころ、何度もくじけそうになった時、このバイタリティーあふれる演奏に救われたのです。 (2月10日)