西和賀日記438回「あした天気になぁれ」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

夜来の雨の音には雪が混じっていたようです。

この5日ほど、空がぐずついています。

 

 

僕んちの庭、この冬初めての雪化粧。

 

 

週末にミユキさんが渋柿をたくさん持ってきてくれました。

大きくていい形です。

 

 

あした晴れの予報なので、人生初めての干し柿づくりに取り組みました。

 

 

皮をむいてひもに結びました。

 

 

熱湯に5秒間。

殺菌とカビ対策をするようにとインターネットに出ていたので。

 

 

外は雨降りなので室内に仮干しして、あしたの晴れに備えました。

 

 

ショウイチさんが群馬の娘さん宅に行くので、送別の小宴がありました。

88歳の独り暮らしですから、雪の半年間を関東で過ごすのです。

 

 

弁舌旺盛なショウイチさんです。

この夏、僕んちにナスを持ってひょっこり現れたことがあります。

1時間くらい茶飲み話をして、僕は半分くらいは話の内容がわかりました。

 

 

この夜はリョウイチさんやタツヤさんが相手なので、僕は話の1~2割しかわかりませんでした。

夏の時は、ショウイチさんなりに僕に気を遣ってくれたのでしょう。

 

 

内容は定かでなくとも方言(なまり)と話しぶりが面白いのです。

笑いっ放しです。

そして、頭脳明晰なんです。

 

 

誰かから電話がかかってきました。

こんなに表情豊かな人はあまり知りません。

…現役のころ、インタビュー取材の撮影もやったことがありました。

取材相手が話しているところのアップ写真を撮るのです。

質問する取材記者にくっつくようにしてカメラを構えます。

カメラ目線からほんのわずか角度を取るのです。

「シャッター音しますけど、カメラはないものと思ってお話しください」

そう断って、話し手の表情に応じて何枚も何十枚もシャッターを切るのです。

 (映画監督の熊井敬さんを撮ったモノクロフィルム時代が懐かしいです)

「ショウ兄(あに)」と慕われるショウイチさんは写真映えする人だなぁと思いながら、酔っ払った手でスマホを構えて何十枚もボタンを押しました。

 

 

来春のゼンマイ採りの季節に再会するのを楽しみに、小宴はお開きとなりました。

帰宅して今季初めて、据え付けのFF式ストーブをスイッチオンしました。

干し柿がおいしくできますように…と願って、子供みたいに「あした天気になぁれ」と口ずさみました。 (11月14日)

 

 ※熊井敬(くまい・けい):「黒部の太陽」「忍ぶ川」「海と毒薬」などの名作を世に出した映画監督。病魔と闘いながら制作に打ち込んでいた鋭い眼光を思い出します。