七夕なので夜空を見上げたら、雲に覆われて星はひとつも見えません。
織姫星と彦星の逢瀬をあおいで、俺にもいいことありますように…と祈るつもりだったのです。
つまんねえなぁ…と台所でポテトサラダを作っていたら、ふと気づくと窓の外側に星がいっぱい…じゃなくて、虫がいっぱいたかっているのでした。
なんだか気持ち悪いなぁ。
ここ10日くらいでしょうか、2センチくらいのムカデが家の中にいっぱい入ってくるのです。
暮らしにあまり影響を及ぼさないムカデだけど、畳の上に一度に5、6匹もうごめいていると気持ちのいいものではありませんね。
去年は気づかなかったのに、今年はやたらと目立ちます。
ムカデと言えば、気仙沼で8年住んだ一軒家。
昭和30年ごろの木造建屋で、かなり古かったのです。
夏になると、12センチくらいあるムカデが侵入してきました。
ごっつい節が並んだ体に長い脚が何十本もあり、動きが速いヤツです。
豆電球が切れて真っ暗だったある夜、寝ていたら顔に何か触れる感じがしました。
クモか何かが顔の上を這っているような感触。
あわてて手で払うと、今度は脚に電撃的な痛みを感じました。
驚いて電気をつけると、布団の上に、その、12センチもあるムカデが反り返っておりました。
食われた脚は赤く腫れあがりました。
それに比べれば、西和賀のムカデはかわいいもんです。
ナメクジはどこから家に入ってくるのでしょうか。
胴が赤いアリもよく入ってきます。
畑にも虫がたくさんいるようですね。
キャベツは虫に大半食われそうです。
先月、キャベツ苗を2本しか植えなかったのです。
なんだか物足りなくなって、苗10本を新たに植えました。
ついでに白菜の苗も10本植えました。
植えながら、二十歳のころを思い出しました。
ひと夏を長野県の野辺山(のべやま)という開拓地の牧場で過ごした時のことです。
八ヶ岳を間近に見る高原です。
乳牛20頭くらいと高原野菜を生業(なりわい)とする農場でした。
毎朝、畜舎の掃除をしてから、レタス、キャベツ、白菜の広大な畑で働きました。
苗を間引く作業では、畝が途方もない長さに感じて、うんざりする毎日でした。
でも、採りたてのレタスを手でざっくり割って大きなフライパンで軽く炒めて、搾りたての牛乳をぶっかけた朝のおかずのおいしかったことが忘れられません。
小柄でおとなしい奥さんは、おいしいおかずをいつの間にか作ってしまう魔法の手を持っていました。
5か月くらいの住み込みアルバイトでした。
30年後くらいに野辺山を訪ねた時、働き者の主人は亡くなっており、奥さんは施設に入っていて話もできませんでした。
話が横にそれてまた長くなってしまいました。
虫の話でしたね。
レタスやキャベツや白菜の根に夜盗(よとう)と呼ばれる虫がついて大変だったことを思い出しています。
「虫は無視できない」話はまだあるんですけど、またの機会に…。 (7月7日)