西和賀日記321回「真昼岳で真昼の昼寝」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

ゆうべ飲み会があって宿酔気味の朝、青空が広がっているのでありました。

 

 

6月1日以来ことし2回目の真昼岳です。

本内川の吊り橋に板が架かりました。

去年より渡りやすくなっております。

 

 

落書きは本来、よくないものですが、これは良い落書きです。

「いち ごうめ 合目」の落書きがなければ、右向きの矢印に見えてしまいます。

この標柱が立てられた4年くらい前、僕は「まぎらわしい」と同行の人に言っていました。

右に行く踏み跡のようなものもあって、初めての人は迷う原因になり兼ねませんでした。

誰が書き込んだか、良い落書きです。

 

 

「二」なら矢印には見えませんからOKです。

一合目で矢印だと勘違いした人は二合目までたどり着けないかもしれないのです。

さっきのは、ホントに良い落書きなのです。

 

 

二合目のあたりに大きなブナが二本並んでいるところがあります。

僕は「真昼の門」と呼んで、両方に手を触れて「きょうもよろしくな」とあいさつします。

 

 

兎平(うさぎだいら)の先の灌木の藪でモズがうなり声をあげていました。

「おめえモズにしちゃぁ見慣れねえ顔だな」

 

 

「獲物が逃げちまったべ、このやろう!」

チゴモズでもないしオオモズのわけないし。

普通のモズにしては大き過ぎるし目力が強過ぎなんです。

 

 

七合目からの急登をやり過ごして九合目に立つと見える真昼岳山頂部(左のピーク)

 

 

前回登った時にもブログに書いた頂上の標柱は、どうやら登山者のベンチ替わりになっているようであります。

 

 

誰もいません。

ビスケットをかじりコーヒーをすすり、1時間ほど「真昼岳で真昼の昼寝」をしました。

強い風も横になっていると音しか感じられず、快適な午睡となりました。

 

 

少し先に進んで秋田側への赤倉分岐を下り、1月の遭難現場で手を合わせてきました。

雪山のころの悲報でした。

 

 

去年の夏に登った時に虫の総攻撃に遭ったのを思い出し、こっちも武装しました。

野外用の防虫線香をザックにぶらさげました。

「金鳥の渦巻W」という商品名の蚊取り線香で、7時間くらい煙を出し続ける頼もしい武器です。

これ、鈴なんかよりよっぽど熊よけにもなるでしょう。

熊は耳よりも鼻が利きますから。

防虫ネットも頭からかぶりました。

効果あったようで、首すじとか額とか、いつも刺されるところも無事でした。

 

 

二合目あたりに咲き出したツルアリドオシ(蔓蟻通)です。

センチくらいの白い花を対で開き、茎は地面をはっています。

数は少ないのに、とてもうれしい気持ちにしてくれます。

この健気な山の花を真昼山地で知って以来、登山道の歩き方に気を遣うようになった気がします。 (7月6日)