西和賀日記197回「猫の日に卵を立てる」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

猫との楽しい生活の中で、悩みのタネが二つあります。

爪とぎと抜け毛です。

抜け毛は主に夏ですが、爪とぎは年がら年じゅうです。

 

 

ふすまの対策にカレンダーを貼っています。

その下の低いところにも爪をたてるんです。

 「カレンダー貼った意味くらい理解してくれよな」

🐾 猫に爪とぎするなって言うのは歌手に歌うなって言うようなものだからにゃ。

 

 

柱はプラスチック製障子紙で防衛しています。

 

 

🐾 やることが甘いんだにゃぁ。

 

 

 「やめろ!カラ坊‼ そこは防衛予算が足りないんだぞ」

 

 

外は猛吹雪。

そうだ! 卵を立ててみっか…

 

 

はじめ8分やって立ちました。

10秒くらいで倒れました。

そのあとは何度も立って、最後は10分以上立っていました。

こたつ台を手でたたいても、熱いみそ汁をふうふうするみたいに息を吹きかけても倒れませんでした。

 

 

今読み進めている中谷宇吉郎集の第五巻に「立春の卵」という随筆がありました。

それを読んでいる時、冷蔵庫に卵を切らしていて試せなかったので、ふと思い出したのです。

 

 

皆さんご存知のとおり、根気と集中力と平常心がそろえば必ず立ちます。

種も仕掛けもありません。

物理学者・中谷も「釣合の安定」という専門家の目で説明しています。

「物が立つのは、重心から垂直に下した仮想線が底の面積内を通る場合」

 

 

この随筆が書かれたのは昭和22年2月です。

雪の物理学者は、当時の世間でかまびすしかった「卵は立春に立つ」という噂を面白おかしく、そして真面目に論じました。

先入観に左右される人間の弱点を突いたのです。

 

 

 「こらっカラ坊! ふすまに爪立てるんじゃねえっつってっぺ!」

🐾 猫の日のネタを卵にすり替えた腹いせだからにゃ。

 

猫のくせにすねているようです。

 

 

15日ぶりに雪かきをしました。

腰痛はもう大丈夫そうです。

さっきの卵でオムレツでもつくって晩酌にすっか… (2月22日)