西和賀日記174回「雪の中の塩ラーメン」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

週末に雪だった西和賀は朝から青空が広がりました。

 

 

真昼岳登山口に通じる峰越林道をクロカンスキーで歩いてきました

新雪にスキー板がかなり沈みました。

 

 

枝の雪がシャワーになって降り注ぎます。

無風だったから、太陽熱と重力だけの演出による雪山ショーですね。

 

 

運が悪いのか、いや運がいいのか…時々、スノーシャワーを全身に浴びます。

大きな塊に直撃されるとけっこうな衝撃です。

 

 

2.5キロメートルほど行った先で、どうも雪崩っぽい気配を感じたのでUターンしました。

日当たりのいい展望地で雪を踏み固めてランチタイムにしました。

 

 

雪の中で食べるサッポロ一番塩ラーメンには思い出があります。

一人娘が低学年のころ、天気が良ければ奥日光の雪山にクロカン遊びに連れていきました。

塩ラーメンをつくって半分ずつ食べた時、娘が「おいしい!」と心の底からの叫び声を挙げたのです。

 

 

その声が今も僕の耳の底の方に鮮明に残っているのです。

父親失格となって25年ほど過ぎて、真昼山地の静寂の中でひとりすする塩ラーメンは、それでもやっぱりうまかったです。

 

 

熱いコーヒーが感傷をやわらげてくれました。

 

 

帰り道に、ある希望がふくらむ出来事がありました。

雪上の二本の筋は往路の僕のスキー跡です。

これに交差しているのはイノシシの足跡です。

大事なのは、スキー跡をイノシシの足が踏んでいることです。

つまり僕がここを通過したあとにイノシシが横切ったということです。

およそ2時間くらいの間に。

僕がサッポロ一番塩ラーメンをすすって「うめえなぁ」とつぶやいていたころに…

どんな希望がふくらむかというと、イノシシの実物を見る可能性があるということです。

興奮して、イノシシみたいに鼻を鳴らしながら、帰る途中にある真昼温泉に飛び込みました。 (1月30日)

 

 ※春から秋の雪がない季節は秋田県美郷町に通じています。積雪期は真昼温泉のある下の沢地区の奥まで除雪され、その先は車の通行はできません。