リョウイチさんちで「ヌケオチ」という茸(きのこ)を食す機会がありました。
手前がヌケオチ、奥の赤っぽいのはマスタケ(鱒茸)です。
ヌケオチは、カンブリア紀の古生物みたいな見た目ですね。
みそ漬けになっていて酒の肴に合います。
詳しいマサカズさんによると、立っている枯れ木の上の方に生える珍しいキノコだそうです。
人が届かないようなキツツキの穴に生えたりして、棒で落として採るとのこと。
「冬になると雪の上に落ちるんですぁ。だからヌケオチ(抜け落ち)と言います」
もちろん僕は初めて見たし聞いたし食べたというわけです。
傘の裏の細かい突起(針)が特徴ですね。
かなり硬かったのは、採る時期が遅かったからだそうです。
新・岩手きのこ百科に「エゾハリタケ」の名で載っていました。
「ブナやカエデの立ち木の枯れ幹に塊になって発生する」
滅多に見つからないので、これを探しに山に入る人は「まずいねえな」とリョウイチさんは言います。
このみそ漬けは、キノコ名人からのいただきものだそうです。
まったく変わったキノコがあるものですね。
ウチでは、秋に採って冷凍しておいたキノコを解凍して食べています。
たくさん採れたラクヨウ(落葉)です。
みそ汁にするとおいしいです。
落葉という名前も面白いですね。
カラマツ林に生えるキノコですけど、カラマツは落葉針葉樹で、その「落葉」が由来だそうですね。
キノコ鍋でもイケます。
秋に保存しておいたキノコを冬に食べるのは、なんだか得したようで思わず頬がゆるみます。
図鑑によると、ヌケオチは雪解けのころ半腐れの状態で自然に落下するとのこと。
雪の山を歩いていて見つかるかな…
でも「抜け落ちたのはとても食えたもんじゃねえ」のだそうです。 (1月11日)