西和賀日記155回「ヌケオチ茸みそ漬け」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

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リョウイチさんちで「ヌケオチ」という茸(きのこ)を食す機会がありました。

 

 

手前がヌケオチ、奥の赤っぽいのはマスタケ(鱒茸)です。

ヌケオチは、カンブリア紀の古生物みたいな見た目ですね。

みそ漬けになっていて酒の肴に合います。

詳しいマサカズさんによると、立っている枯れ木の上の方に生える珍しいキノコだそうです。

人が届かないようなキツツキの穴に生えたりして、棒で落として採るとのこと。

「冬になると雪の上に落ちるんですぁ。だからヌケオチ(抜け落ち)と言います」

 

 

もちろん僕は初めて見たし聞いたし食べたというわけです。

傘の裏の細かい突起(針)が特徴ですね。

かなり硬かったのは、採る時期が遅かったからだそうです。

新・岩手きのこ百科に「エゾハリタケ」の名で載っていました。

「ブナやカエデの立ち木の枯れ幹に塊になって発生する」

滅多に見つからないので、これを探しに山に入る人は「まずいねえな」とリョウイチさんは言います。

このみそ漬けは、キノコ名人からのいただきものだそうです。

まったく変わったキノコがあるものですね。

 

 

ウチでは、秋に採って冷凍しておいたキノコを解凍して食べています。

たくさん採れたラクヨウ(落葉)です。

 

 

みそ汁にするとおいしいです。

落葉という名前も面白いですね。

カラマツ林に生えるキノコですけど、カラマツは落葉針葉樹で、その「落葉」が由来だそうですね。

 

 

キノコ鍋でもイケます。

秋に保存しておいたキノコを冬に食べるのは、なんだか得したようで思わず頬がゆるみます。

 

図鑑によると、ヌケオチは雪解けのころ半腐れの状態で自然に落下するとのこと。

雪の山を歩いていて見つかるかな…

でも「抜け落ちたのはとても食えたもんじゃねえ」のだそうです。 (1月11日)