西和賀日記11回「大川清一山岳写真展」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

きょうも西和賀町は早朝から雨でした。

また山に行けねえなあ…

そこに突然の雷鳴がドドンときて、観たかった山岳写真家・大川清一(せいいち)氏の個展を思い出しました。

 

 

県境を隔てた隣町、秋田県美郷町(みさとちょう)の「美郷町学友館」に行ってきました。

秋田魁(さきがけ)新報の連載「北東北 山々の輝き」を基にした写真展です。

大川氏は鳥海山の写真で著名で、これまで主に東京で個展を開いてきました。

秋田、青森、岩手の山や自然を撮った100点を展示しています。

 

 

手前は和賀岳山頂のニッコウキスゲ群落の夕景です。

鳥海山や岩手山、八甲田山、早池峰山などと並んで和賀山塊を「名山」と紹介しています。

四季の山々の圧倒的な景観を伝える力量に感服しました。

 

 

写真機材や登山用具も展示されていました。

とりわけ厳冬期の撮影姿勢に感銘を受けました。

単独で深い雪をかきわけ、テント泊しながら日の出や日没を狙います。

登ったら、吹雪が来るのを何日間も待つことがあるそうです。

登山者の足跡やスキー痕が消えるからです。

 

 

登山用具もハンパなものではないようです。

登るだけでも大仕事だろうなぁ…

そして、シートフィルム1枚に大判カメラ(リンホフテヒニカ!)で写し込んだ作品の神々しいことと言ったら…すごいのひとことです。

 

大川氏は美郷町の生まれで、陸上自衛隊の厳しい訓練で鍛えられ、プロボクサーの経験もあるそうです。

重い機材を担ぎ上げ、孤独に打ち克ち、ここぞのチャンスをものにする「心技体の充実」を感じました。

 

 

この写真展のために、故郷の山・真昼岳の撮影も間に合わせたとのこと。

大川氏の心が表れた4点です。

真昼岳は僕にとっては西和賀町に引き寄せられた原点の山ですから、うれしかったなぁ…

 

 

北東北の山を撮るプロカメラマンの熱い思いを感じた写真展でした。 (8月13日)

 

 ※美郷町学友館特別展 大川清一「北東北 山々の輝き」は7月30日に始まり、9月25日まで開かれています。入館料300円。