図書館で「安全登山の基礎知識」(2017年、スキージャーナル社)を借りてきました。
巻末付録に「山の知識検定」問題があったからです。
日本山岳検定協会というのがあるんですね。
平成28年度のブロンズコース検定の問題です。
ステイホームの暇つぶしにやってみました。
山に関する100問に90分で答える設定です。
地形図や天気図、装備や技術、動植物や地理・歴史など多岐に及ぶ設問です。
ちょうど90分かかりました。
こんなにアタマをつかったのは7~8年ぶりです。
気仙沼に移住するにあたり、いくつか国家資格を取ろうと勉強して以来です。
「カラよ、87点取ったぞ! どうだ!」
🐾 飼い主にしちゃ上出来だにゃぁ。
「ぼーっと山を歩いているだけじゃねえってこと、わかったか」
🐾 初級者レベルで喜んでどうするにゃ。
ブロンズコースというのは、カラが鼻で笑うとおり初級者レベルの設問なのです。
間違ったうちの3分の1は読図に関するものだったので、ちょっとショックでありました。
国土地理院の地形図(2万5000分の1)は山歩きの必須であり、読図は基本です。
民間地図会社が発行する登山地図が見やすくて情報がたくさん盛り込まれているので、いまは主流になっていますけど。
20年くらい前に冬の八ヶ岳で使った地形図に、ある書き込みがあります。
小屋に泊まった翌早朝に下山する際の出来事です。
一晩で1メートル近い雪が積もった標高2000メートル付近の谷筋。
真っ白い世界から男のうめき声がしたのです。
灌木帯に積もった雪の上を歩いて、もぐってしまった登山者でした。
もがけばもがくほど、スノーシューが枝の間に沈み込んでしまい、大きなザックを背負っているので身動きできなかったようなのです。
地形図には「吹きだまり」とだけメモしましたが、首都圏からの中高年の重い体を1時間ほどもかかって引き上げた場所なのです。
バス停まで下山した時、僕にチョコレートをくれながら「孫が待ってるから、どうしても帰りたかったんですよ」と言ったおじさんの安堵の顔を思い出します。
もう40年以上も地形図や登山地図を見ているのに、検定試験ではいっぱい間違ってしまいました。
まだまだ初心者なんでありましょうな(検定は80点で合格だそうです)。
最近は奥羽山脈の一部、真昼山地の地形図を眺めております。
きょうも和賀岳のあたりを見ていたら、もう大相撲の時間になってしまいました。 (1月23日)