気仙沼日記895回「音楽23:ボブ・ディラン」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

ボブ・ディランを知ったのは高校生のころです。

華麗で色彩的なビートルズとは対照的な、渋くて思索的な詞・曲・歌唱に引かれました。





高校を卒業して東京に住んだころ、アパートの壁に「偉大なる復活(大事故のあとに活動を再開した時のライヴ)で歌うディランのパネルを飾り、毎晩のようにギターをかきならして歌っておりました。


僕の密かな自慢は、ディランの初来日公演を聴いたことです。

1978年2月、日本武道館での8夜連続のステージのうちの2回をこの目と耳で体験したことです。

当時アルバイトしていた神田のレコード卸問屋の幹部は8夜全部を観ました(僕にはそこまでのお金がなかった)


イントロもリズムもメロディーも違うのですが「How many road … 」と歌い出して、あぁ『風に吹かれて』だなと分かるのです。

レコードとまったく同じに歌うことなどありません。

それがまた、とても魅力的なアレンジになっている。

比類なき天才です。


レコーディングも、ライヴと同じような一発勝負だということも、他にない特徴です。




その後も何度か来日公演を観ました。

このTシャツは公演会場内でしか買えないものです。


この4月に東京と大阪で来日ツアーを予定していましたが、1週間前に中止が発表されました。

新型コロナウイルスの影響です。

ライヴハウスのチケットは買えなかったので、追加公演(NHKホール)を狙っていたのですが…




ノーベル文学賞を受賞後の初めての来日で注目されておりました。

78歳ですから、もう来ないかもしれません。


日本ではいまだにディランはフォーク・シンガーだと思い込んでいる人が多いのが残念です(若い人はその存在すら知らないでしょう)

ロックやブルースなど幅広い音楽の牽引者です。


ビートルズとボブ・ディランは、好きとか嫌いとかの次元を超えた、別格の存在だというのが僕の見方です。


仕事をやめて時間が余ったら、大海原のようなディランの詩の世界に漕ぎ出すのが僕の楽しみのひとつであります。 (3月20日)