青春18きっぷをはじめとして僕はJRには本当にお世話になっております。
JRの真面目な姿勢、正確無比な運行、行き届いた気遣い…
そのおかげで僕の人生の何割かが楽しい時間となっているのです。
東日本大震災から何年かして、駅を中心に「行くぜ、東北。」の大判のポスターが貼られています。
東北に住む者にとって、うれしいキャンペーンでありますな。
回りくどい、イヤミなおっさんになってしまいました。
気に食わんのです、このポスター。
「行くぜ」というのは男言葉です。
なのに、ポスターのモデルはことごとく妙齢の美人なのです。
「行くぜ」の「ぜ」は、辞書によれば終助詞で、「文末に添えて、意味を強める」役割があり、「主に男性の会話に用いるぞんざいな表現」なのです。
あちこちの駅で目にするたびに、「ああ、まったく…」と思いながら、頭の中で繰り言を発しています。
カレーには福神漬けでしょう。塩辛じゃないでしょう。
書道には毛筆ですよね。万年筆じゃ書きません。
登山には登山靴。スニーカーでは足を傷めます。
神社には鳥居と決まっています。大手門だったら驚きます。
「行くぜ」と言ったらモデルは男でしょう。
ポスター作製に当たっては、広告代理店などと入念に企画を練っているはずで、奇をてらった発想ということなのかもしれません。
石頭のオッサンには、常軌から離れた発想は受け入れ難いのであります。
かと言ってJRに抗議するなんて大人げないことはしません。
表現の自由の範疇なんで…
(写真はJR常磐線の亘理駅)
「行くぜ、東北。」
いいフレーズじゃありませんか。
文句言っちゃいけませんな。
今どきの女たちは「行くぜ」くらいの乱暴語は使うようだし…
今年も鉄道駅で、頭の中で繰り言を巡らせながら、どしどし乗ろうと思っております。 (1月5日)