気仙沼日記417回「内湾に防潮堤ついに出現」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

南町や魚町のある内湾地区にこの4月、ついに防潮堤が姿を現しました。


地元の人たちの多くが反対していた防潮堤の建設が始まったのです。

皆さん口をそろえて言う言葉は「海が見えなくなるのはイヤ」というものです。

まさに、海が見えなくなってしまいますね。




近くで見ると、意外に薄っぺらです。

まさか、これが防潮堤そのものになるわけではないでしょう。

刑務所の塀だって、これより頑丈でしょう。




ここは船着場も兼ねた観光施設になる計画なので、その一部分ということでしょう。




すけて見えるのは大島汽船のフェリーです。




これも少し離れた鹿折地区の防潮堤の工事現場。

見えていた船も海も、こうして見えなくなるんですね。




あす5月1日に出港するサンマ漁船です(公海で漁をしてロシア船に転載する特別な船です)。

今は道路から、誰でも見ることができます。


このような港町風景は、気仙沼の重要な観光資源なんです。


普段、海が身近にない土地から来た観光客は、サンマ船やマグロ船やカツオ船や、カジキ漁の小さな漁船でさえ珍しく、それが間近に見ることができる風景に旅情を感じるのです。


防潮堤は、気仙沼を代表する観光資源を台無しにしてしまいます。

気仙沼市が「気仙沼は水産と観光の街」と銘打っているのに…です。


大津波で被災した人たちですら「防潮堤はいらない」「避難路を整備してくれればいい」と言っていたのに、これは一体どういうことなのでしょう(防潮堤建設は県の仕事)。

50年後の歴史本に「愚策」として掲載されるでしょう。 (4月30日)