五月歌舞伎座、市川男女蔵が父親の当たり役に挑みました | 妻を亡くした夫と母親を亡くした娘の生活

妻を亡くした夫と母親を亡くした娘の生活

2016年9月病院で愛妻が亡くなりました
夫は翌年大学生になった娘と愛犬2匹と暮らしていました
2022年11月二女が動物病院で亡くなりました
2024年1月に三女が後を追うように亡くなりました
大学生の娘と二人家族になりました

今朝の横浜の空、昨日とは一転、よく晴れています。しかし、午後から降雨の確率が高まるようで、帰宅が遅くなる今夜は傘を持って出かけることにします。

さて昨日はポツポツと雨が降り出した午前中から、JRで都内に出掛けました。行き先は歌舞伎座、「團菊祭五月大歌舞伎」昼の部の観劇です。通常は3つの演目を紹介するだけなのですが、大好きだった四世市川左團次さんの一年追善狂言との名目で「毛抜(けぬき)」が上演されましたので、本日はこれ1点についてご紹介します。

去年の4月15日、82年の生涯を閉じた四世市川左團次、大柄で荒事や敵役を得意としたと言われています。「毛抜」の粂寺弾正(くめでらだんじょう)も当たり役の一つですが、今月の歌舞伎座では長男の男女蔵が20年ぶりに演じます。男女蔵の長男男寅も姫君・錦の前を演じ、親子共演が実現しました。今月の筋書きよりあらすじをご紹介します。

小野小町の子孫である小野家のお家騒動に絡んだ物語の中、小野家の息女錦の前が奇病に罹り、これを案じた許婚の文屋豊秀が、見舞いの使者として家臣の粂寺弾正を遣わします。その弾正が錦の前の奇病をきっかけに、お家横領を企む悪人の謀略を察知、事件を解決します。

主人公の粂寺壇上は、歌舞伎十八番ならではの荒事の豪快さに加え、色気と愛嬌、さらに和実味を兼ね備えた捌き役という役柄。明るく屈託のない、弾正の人間性も本作の魅力です。

歌舞伎座では初演となった男女蔵による粂寺弾正、父親の当たり役を無事に引き継いでくれたと思いました。