テンカラ釣りの装備 | 作爺の部屋

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昔、山里の暮しでは野良仕事の道具や身の回りのものは自分で作ったり、直したりしてきたようです。
今流に云うとそうしたDIYや外遊びが大好きです。

作爺のお決まりの源流テンカラの道具なんかを紹介します。

これから渓流釣りを始める方の参考となれば幸いです。

 

【テンカラ竿】

メイン竿は3.6mのシマノの渓峰テンカラ、予備としてダイワ3.3m。

以前は4.5mを振っていましたが、パーツ供給がなくなったので数年前に買い替えました。

 

竿先は折れ易いので#1と#2のスペアをプラパイプに入れてロッドケースの隙間に収めています。

下から2本目は廃竿の5番くらいを適当にカットしたもので、固着した場合のゴムパッチンのガイドとして使います。

このロッドケースは古いものですが、竿の終い寸法に合わせ加工しています。ザックへの外付けは危ないのでザック中へすっぽり入れています。

 

 

 

口元と竿尻にはクリップをつけて仕掛を巻けるようにしています。

高巻きやブッシュ通過で便利です。

 

 

#2の中で折れたものが詰まったことがあって、中を掃除できる緑色の細い針金も入っています。

足袋のファスナーが壊れたとき、この針金の先端をナガサで削り、ネオプレンの足袋をこれで縫って閉じる事にも使いました。

【毛ばり】

鉤は#12か#10を使って、自分で巻いています。

黒系の一種類ですが、これで十分です。

結局、いろんな色や形を変えても迷うだけです。

毛より鉤の方に気を使っています。

 

自作したコンパクトなケースです。

表裏が判るようにハンダゴテで焼き、刻みました。

弁当箱のような大きなフライケースで沢山持ち歩く人もいるようだけど、、、まあ自己満足の世界なのでとやかく言いいません。

 

 

 

【仕掛】

ラインはその昔、電動ドリルでナイロン糸を撚ってテーパーラインを自作していましたが、今はレベルラインを使っています。

今は大変 良いものが出てきました。

こんな細い糸がスーっと飛んでいったのにはビックリしました。

テンカラ釣りがポピュラーになってきたのはこのラインに拠るところも

大きいと思います。

 

リーダーは1.5号前後のフロロを使っています。

私の師匠は当時、一ヒロの3号ナイロン糸でバンバン魚を掛けていたので、ハリスなんて、そう気にすることは無いのです。

昔し作ったテーパーラインです。

当時は色々試行錯誤し拘ったものだが、今や持ち歩くことも無くなった。

 

【魚籠】

根曲がり竹で編んだ魚籠を使っています。

釣リ上げた都度、腹ワタを抜いて入れますが、水で洗ってはいけません。

3、4尾入れるごとに笹の葉かフキっ葉を敷いています。

 

この竹魚籠は3升入る大きさです。

実用品ですが、職人が手作りした工芸品でもあるように思います。観ていても美しい物です。

右の物は底がヤレてとうとう使えなくなりましたが、何とか修理できないかと、まだ、捨てられずに手元に置いてあります。

結構、重くなるので腰紐と肩紐もつけています。

夏場でも沢筋は涼しいので魚が傷むことはありません。

プラ製のクーラーなんて代役にはなりません。

 

 

 

【釣りベスト】

これは知人からの頂き物ですが、実際使ったら具合がいいですね。

毛鉤釣りの道具は僅かなので、小さなポーチにでも入れれば事足りるので、以前はこの恰好がいかにも釣り人でゴザイ!的な感じが嫌で、ベストは着ていませんでした。

しかし、釣り道具として考えれば、釣り始めで身に着けて、竿終いで脱げば、見る人は誰も居ないし要らん心配でした。

 

ベストの内側はラインカッターの他、竿袋を縫い付けてあるので、懐に竿を刺すことが出来き、ちょっとした滝登りや巻きで両手が空くので安全です。

 

 

 

 

ベストに入れる持ち物はこれだけです。

右下のものは毛鉤が木の枝に引っ掛かったときの奥の手です。

ほとんど使いませんが針外しとミニコンベックスも入っています。

 

パラコードをボールペンの胴を通して大きなハリに結んであります。

使い方はこの胴に竿の4番目くらいを刺して、枝先へ運びを紐を引き寄せます。

特にモミジの木は枝先も固く、毛鉤が引っ掛かったら最後、まず切るしかありません。

毛鉤が惜しいというより、テーパーラインのとき、強引に引っ張てリーダーが切れても、撚りが戻り、ちじれてしまうので作って使い始めました。

レベルラインでも仕掛を作り直すより、手っ取り早いです。

針先は少しだけペンチで落としてある。

但し、ミイラ取り?にならないように事前に見極めは必要です。

 

 

 

【リペア&スペア】

ベストのポッケットを閉め忘れ、ラインや毛鉤など川にぶち撒いて紛失なんてこともあったので、小物スペアはザック入れて持ち歩いています。

ヘビ口修理のリリアンと接着剤なども、この赤いポーチに入れています。

 

【足周り】

夏場なので渓流足袋とスパッツです。

これまで何足も履き潰してきました。

ウエーディングシューズは一度も履いたことはありません。

だって、テンカラなら和服に革靴を履くように感じが・・?。

昔、この手の足袋はつま先を岩にぶつけると飛び上がるように痛かったものですが、近年のものは痛いところもなく大変具合いがよいです。

 

【服装】

農作業の支度とほぼ同じで、化繊の作業ズボンと速乾のポロシャツです。

以前、紺系の服でクロスズメバチに刺され、アナフィラキシーを発症した事があり、それからは明る目の色しか着ないことにしています。

頭はたいてい菅傘かキャップ帽です。

 

 

【ザック】

38Lくらいだったと思います。キノコ採りでも使う。

フレームや腰ベルトなど余計なものが付いていないので軽くていいです。

底は水抜き穴を開けてある。

 

 

 

 

【緊急用袋の中身】

テーピングテープ25mm、ポイズンルムーバ、ライター、アルミシート、滅菌ガーゼ、小型予備ライトなど

 

【その他】

カッパ、剣鉈、ヘッドライト、テープ(お助け紐)、防水袋、手袋、虫よけ、熊鈴、ティッシュ

 

【弁当】

家で作った大きいおにぎりが4個、ペットのお茶、飴玉など。行きの道中は空の魚籠にちょうど入いります。

たいてい、おにぎりは1個残したまま帰ってきます。

 

缶ビールを持っていくこともありますが、夏、渓でプシュッは格別です。

 

【最後に】

源流での釣りを安全に楽しむために、装備は物をあれこれ持つことより、心構えが大事だと考えます。

・まず、絶対ケガをしないこと。

そのためには常に無理せず、慎重に歩くことが第一です。

・増水したら帰らない、覚悟をすること

装備や食料がなくても一晩くらいはやり過ごせます。

出かける前には、あり得る事として家族にも伝えておけば心配を掛けずに済みます。

 

過去の失敗談ですが、通い慣れた川で急に雷雨となり、一機に増水してきました。一目散に引き返しましたが渡渉中に濁流に揉まれ流されました。

鉄砲水は本当に出ます。

数十メート流されただけで運よく助かりましたが、慣れた場所だと甘く見てしまった苦い経験でした。