【考え方編】

  1. 再生、改善は感情8割、理屈は2割  …納得し、ハラに落ちないと行動につなげられない
  2. 成功は成功している自分を想像できてこそ達成できる …おカネを手にし、楽に暮らしている自分を強くイメージ
  3. イメージできたら、「ではどうやってやる?」を考える
  4. 過去は関係ない。変えられない。未来を変えるために「今」何をするか。
  5. できる。できるよ。必ずできる。

 

【おカネ編】

  1. おカネがないにもいろいろある  …明日つぶれるのか。今回限りのことか。毎月繰り返されるのか。資金繰り表、収支予定表、で実態を見える化せよ。
  2. 会社の再生は社長の家計の再生でもある …家計を維持できてこその社業。「役員報酬を削ってください」をうのみにしてはいけない。

【行動編】

  1. 業績改善のためのアイディは、どかどか当たるはずはない。10回トライして1回当たれば上々。ユニクロの柳井会長の著書のタイトルは「1勝9敗」。
  2. 行動を起こすとき、孤独感に襲われるかもしれない。しかし、「人は自分が期待する穂と、自分を見てはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない」(見城徹氏の著書のタイトル)
  3. 「準備したのか?」「カリスマ体育教師の常勝教育
  4. 発信しないのは存在しないのと同じこと(一人で頑張るY社長の座右の銘)

 

【周囲の助け編】

 

  1. 再生や改善のウラには女あり  …家庭内における奥様がキー。一人だけでは達成できない。
  2.  

 

 前の記事で期限の利益喪失について書きました。「期限の利益喪失とは・この用語だけは押さえて!

 

 この記事では期限の利益喪失についてもうちょっと専門的に、詳しく書いてみます。

 

 期限の利益喪失は、どこを見ればわかるのでしょうか。

 

 皆さんの会社が金融機関から借入をするとき、銀行取引約定書という契約を取り交わします。銀行が取引するにあたっての基本契約書のようなものです。この約定書に、期限の利益喪失条項が記載されています。

 

 銀行取引約定書は以前は統一フォームがありましたが今は自由に取り決められています。(とはいえ、銀行が提供するサービスに銀行間で大きな差異があるわけではなくほぼ同じ内容のものとなっています)

 

 銀行サービスで言えば、通貨オプションを中小企業に売ったりするなど提供商品は世相を反映して随時入れ替わっていきます。それに応じて銀行取引約定書も変わっていくのです。

 

 地元、北洋銀行の銀行取引約定書は平成16年に改訂さています。

 

 期限の利益喪失条項には「経営者が行方不明の場合」という文章が付け加えられました。

 

(引用開始)

 第5条(期限の利益の喪失)

①甲について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、乙からの通知催告等がなくても、 甲は乙に対するいっさいの債務について当然期限の利益を失い、直ちに債務を弁済する ものとします。

1.破産、民事再生手続開始、会社更生手続開始、会社整理開始もしくは特別清算開始の 申立があったとき。

2.手形交換所の取引停止処分を受けたとき。

3.前2号の他、甲が債務整理に関して裁判所の関与する手続を申立てたとき、もしく は弁護士等へ債務整理を委任したとき、または自ら営業の廃止を表明したとき等、 支払を停止したと認められる事実が発生したとき。

4.甲または甲の保証人の預金その他の乙に対する債権について仮差押、保全差押また は差押の命令、通知が発送されたとき。なお、保証人の預金その他の乙に対する債権の 差押等については、乙の承認する担保を差し入れる等の旨を甲が遅滞なく乙に書面 にて通知したことにより、乙が従来通り期限の利益を認める場合には、乙は書面にて その旨を甲に通知するものとします。ただし、期限の利益を喪失したことに基づき 既になされた乙の行為については、その効力を妨げないものとします。

②甲について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、乙からの請求によって、甲は乙に 対するいっさいの債務について期限の利益を失い、直ちに債務を弁済するものとします。
1.甲が乙に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき。

2.担保の目的物について差押、または競売手続の開始があったとき。

3.甲が乙との取引約定に違反したとき、または第14条に基づく乙への報告もしくは 乙へ提出する財務状況を示す書類に重大な虚偽の内容がある等の事由が生じたとき。

4.甲の責めに帰すべき事由によって、乙に甲の所在が不明となったとき。

5.保証人が前項または本項の各号の一つにでも該当したとき。

6.前各号に準じるような債権保全を必要とする相当の事由が生じたと客観的に認め られるとき。

③前項の場合において、甲が住所変更の届け出を怠る、または甲が乙からの請求を受領し

ないなど甲の責めに帰すべき事由により、請求が延着しもしくは到達しなかった場合に は、通常到達すべき時に期限の利益が失われたものとします。(引用終り)

 

 大きく説明すると、①に該当すると即、期限の利益喪失だよ(当然喪失)、②のときには、銀行が「期限の利益喪失だな」と判断して書面で通知した時に期限の利益喪失になるよ(通知喪失)、③そのときに行方をくらましていて書面(内容証明、ですね)が到達しなくても通知したことにするよ、という意味になります。

 

 気を付けて再度見ていただきたいのは、4.の差押です。よくあるのは、税金や社会保険料などを滞納し、なかなか納付が進まないとき、課税庁は国税徴収法を根拠に差押をして回収することができます。(それが地方税でも社会保険料でも、国税徴収法に準拠して手続きが進みます) もし、税務署が差押を実施し、それが銀行預金だったら、その銀行に差押が入った!という事実がリアルタイムで知られてしまうことになります。(詳しくは別記事で)

 

 つまり、公租公課の延滞→差押→期限の利益喪失、代位弁済、というようにどんどん事態が進んでしまう可能性がでてくるのです。

 

 ②の通知喪失の場合、目を引くのは、3.です。借り手企業が提出する「財務状況を示す書類に重大な虚偽がある」ときにはそれを理由にして期限の利益喪失できるのです。つまり、粉飾があって融資をしたとき、銀行側はそれを理由に取引打ち切り→回収へ進むことができるわけです。

 

 実際には粉飾をしている企業は多く、それら企業がすべて期限の利益喪失されるわけではありません。明確な基準はありませんが、借り手に悪意があるとき(=やむに已まれず…ではなく、明確に「融資金をだまし取ってやろう」という意思があるとき)には、この条項が適用されるのではないか、と思います。その場合、期限の利益喪失だけにとどまらず、民事刑事でも訴追や損害賠償請求に進むことになると思います。

 

 銀行取引約定書を見れば、銀行が考える、「まずい」状況とはなんなのかが見えてきます。

 

 「がんばれ経営者!ひとりでもできる事業再生ノウハウ」

 

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 代位弁済は、北海道信用保証協会に限らず、借入に対して保証をしている人や機関が原債務者になりかわって債権者に代位弁済を行い、原債務者に対し求償権を持つことを言います。信用金庫の貸し付けでたまに見かけるのはファイナンス会社の保証付のもの。このタイプの貸し付けが焦げ付いた場合も代位弁済へ進むことになります。

 

 ここでは北海道信用保証協会の代位弁済について書いていきます。

 

 先に書いた通り、利払いもできなくなったときや「本当に返せなくなったときにはどうなるか(リスケ後利息も払えないとき)」期限の利益喪失に進んだとき「期限の利益喪失とは(この用語だけは押さえて)」、保証協会付きの借入があれば代位弁済に進みます。もうちょっと詳しく見てみます。

 

 代位弁済に進むにはいろいろなケースがあります。

 

 金融機関が期限の利益を喪失させた場合 …金融機関本体が付き合えない、回収する!と言っている以上、金融機関は一通りの回収努力をしたうえで回収しきれない金額について代位弁済を請求します。何かあったときのために保証を付けているわけですから、代位弁済請求しない、という選択肢はありません。

 

 また期限の利益喪失と本質は同じ、と思いますが代位弁済を請求するかどうかの大きな節目が「3か月以上延滞が続いたとき」です。月の返済が3回延滞すると、保証協会に対し代位弁済請求できる要件がそろいます。また、延滞が4回、5回となっても代位弁済請求しないと、その後北海道信用保証協会は代位弁済に応じないことがあります。

 

 例外はリスケジュール審議中の場合で、「早々にリスケジュールに合意できる」という見込みがある場合は3回をまたいでも代位弁済になりません。とはいえあくまで3回延滞になる前にリスケジュール合意するか、正常返済に追いつくか、が原則になります。

 

 つまり、3回延滞になるかどうかは、金融機関が判断をしなければならない瀬戸際、ということになります。再生見込みがあるのなら、近日中にリスケジュール見込み、ということで代位弁済は見送り。その確信が持てなければ代位弁済して自行の損失計上を回避しなければならない…

 

 さて、代位弁済に進むまでのプロセスです。

 

1.期限の利益喪失、預金ロック、代位弁済請求の決定 …支店は本部と打ち合わせ、代位弁済請求するかどうか決定、北海道信用保証協会に報告、下打ち合わせ。

2.預金相殺など、自助努力で回収 …請求元金、未収利息などの確定

3.代位弁済請求と北海道信用保証協会の承認 …北海道信用保証協会から代位弁済の請求がありました、という通知のはがきが到来します。

4.代位弁済手続終了 …このような内容で代位弁済をしました、今後は北海道信用保証協会にお支払いください、という通知はがき。3.から1か月以上かかります。

5.北海道信用保証協会からの呼び出し …今後どのように払っていきますか?という質問をされます。金融機関の期限の利益喪失している状態ですので基本は「一括返済」になります。しかしながら実態を無視して何が何でも支払え、ということにもなりませんので、事業続行中なら資金繰り表を示して「月○○万円位なら…」というお話になってきます。また、売って返済に充てられるものがあれば当然「売れますか?」というお話がでます。

6.この話し合いの中で、「返せるはずなのに返済に誠意がない」と判断されれば強硬手段(裁判から差押など強制執行)に進みますし、少しずつでも返済が進めば、ということで様子見を兼ね、当面少額の返済で、という対応もありえます。ここには教科書はなく、どれだけ真摯に対応できるかが大きなカギとなります。

7.担保処分 …おカネを借りたとき、金融機関が担保不動産に抵当権設定をしているような場合、金融機関が担保処分をしてから北海道信用保証協会に代位弁済、が原則だと思いますが、処分には時間もかかります。このような場合、抵当権を北海道信用保証協会に移す形にし、北海道信用保証協会が抵当権実行できる状況になります。当面事業を続行しながら様子見、というケースもあると思いますし、とりあえず担保売ってもらいましょうか、という対応もあり得ます。

8.先に書いた通り、基本は一括返済になります。それをどのような条件に落とし込むかは話合いの結果で、ということになります。

 

 昭和の終わりころから平成一けたくらいまでの頃は、代位弁済した元金を死に物狂いで払いきった、と思ったら「延滞利息も」と言われ元金とほぼ同額の利息を払わされた、というお話も聞きました。今では延滞利息の取り扱いはかなり柔軟になってきているようです。

 

 民事再生法適用など法的な手続きを経る場合には、保証協会が債権者でも特に支障が出る場合はありません。特定調停など私的整理で対処するときは債権放棄のハードルは非常に高いものになります。

 

 

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