長い寒波が抜けてようやく風の冷たさも和らいだ1日でした。
そういえば、昨年県農業試験場での見学の日もハウス内では
汗だくだったような・・・
この日は3軒の栽培農家さんに新種“うた乃”を中心にお話を伺ってきました。
今ではスタンダードになった「高設栽培」ですが、
具体的な金額をお聞きしてビックリです。
土耕栽培と併設されている施設もありました。
昨年から本格的に生産者さんを募り栽培され始めた“うた乃”ですが、
猛暑から始まり天候に振り回され作りにくい年だったと、
どの農家さんもおっしゃってました。
種子・育苗にかけては病害虫のリスクは少ないようですが、
定植後は従来の栄養繁殖と似たレベル。
収量は、かおり野・章姫などに比べ半分ほどですが、
綺麗な形の中玉がメインになっているようです。
肝心の味については、どの農家さんも完熟物はかなりの甘味に対し酸味は感じられず、
口腔内に吹き抜けるような爽やかな甘さは、昨年の試験場のものと変わりません。
というものの、農家さんごとに微妙な違いは皆さん感じているようでした。
どのタイミングで収穫するかによっても変化があるようで、
道の駅など直売所への出荷をメインとされている農家さんは、
より完熟した状態で収穫。
JAや遠方への出荷をメインとする農家さんは、
少し早め80%くらいの熟度で収穫されるようです。
流通段階で痛みのリスクを避けるためで、完熟物よりスッキリした食味を感じます。
どの作物についても同様、農家さん1軒ごと考え方に違いがあって当然。
それぞれ求めていることも違うから、目指す方向も違ってくる。
同じ品種を栽培しても「思い」が違うから、
全く同様の「収穫物」にはならない。
当然、消費者・生活者には同じ味のものは届かない。
食味の感想も一人一人の個人差以上に違ってしまい、
結果品種としての評価がバラついてしまう。
これって仕方のない事なんでしょうか?
日本中に数多あるイチゴの品種。
この乱世の中を生き抜いて勝ち組に入るには、もう少し統一感を持って
一丸となって進めて行く必要もあるんだろう・・・
埋もれてしまわないためにも・・・
文責 向
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