平成30年度百里基地航空祭 ー首都の守り、天空の亡霊と鷲ー 1 | そー市のあれこれ

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山形はだいぶ冷え込んできましたね。昨日はあったかかったのにすっかり冬の空気に替わってしまいました。足が痛いそー市です。その理由はというとこれから書く記事なわけですがひとつおつきあい願います。

 去る12月2日に茨城県の百里基地で航空祭が開かれました。筆者が初めて基地航空祭に行ったのは今年の秋のことでございまして、こちらの記事に書いたように、北海道胆振東部地震の影響で飛行展示が自粛されてしまいまして、今回の百里はそれのリベンジもかねての基地航空祭への参加ということになります。さてこの百里基地ですが、茨城県は首都圏に入っていることもあり、まさに人人人でした。三沢の航空祭とは人の入りが全く違うことは予見はしていましたが目の前にあると、辛いものがありますな。筆者は家がある山形を12月1日に車で出まして、その日は水戸に宿泊し、百里基地へと向かったわけであります。道すがらあちこちに「茨城空港駐車場には航空祭参加者は駐車できません」の看板が立っています。百里基地は民間の茨城空港と滑走路を共用している空港ですが空港駐車場に止められないとなると・・・適当に走っていればどこかに停められる場所があるだろう、そう思いながら百里基地に向かいました。近付いていくと歩道を歩く人が次第に増えていきます。何割かの人は手にカメラを持ち、巨大なバズーカ砲のようなレンズを装着している人が多数見られたので、これが百里基地に向かう列だとわかりました。道すがら駐車場を見つけたのでこれをおいて他に停める場所はないと思い、そこに車を置いて、基地に向かいます。ただ人の歩く方向に付いていけばいいだけなので、迷うことなく基地に近付きました。

百里基地は民間の茨城空港と滑走路を共用しているので、旅客機が頭上を飛んでいくことは2度ほどありましたが、それとは全く違う大きな爆音を轟かせて行く飛行機がありました。自衛隊のT-4練習機による天候調査です。いよいよ航空祭が始まったことを告げる合図です。

百里基地の門です。米軍基地も兼ねている三沢基地に比べると、そこまで警備は物々しいものではありませんでした。門では特に荷物検査は行われません。

滑走路近くで手荷物検査を受けると凄まじい爆音が鳴り響きました、人がカメラを向ける方向を見ると2機のF-4EJ改 ファントム戦闘機が飛び立っていきました。

2機のファントムが飛び去って行った方角を見ると、先に空中で待機していた僚機との6機による編隊飛行が見られました。一糸乱れぬ6機の編隊飛行は見事なものでした。

会場で配られたパンフレットです。表紙には特別塗装が施されたF-4 の写真が載っています。来年を最後に引退するとのことです。

パンフレットで表紙を飾っていたファントムも展示されていました。機首と尾翼に描かれているのはオジロワシでして第302航空隊のシンボルマークでもあります。

 さてここでF-4EJ改ファントムIIの説明をします。F-4が開発された1950年代には、すでにミサイル万能論という戦術理論が出来上がっていました。すなわち戦闘機とは、敵機にミサイルを命中させる運搬手段に過ぎず、第二次世界大戦時のような戦闘機同士の取っ組合い、格闘戦のようなことは起こりえず旋回性能や加速性能を重視する必要はないとされました。その代わりに長い航続距離と高速性能を持った戦闘機が必要とされました。この要求にマクドネル社が応えて開発し、1958年に初飛行したのがF-4ファントムIIです。

 双発複座という大柄な機体は、その後の発展の余地を大いに残していたため、数度にわたる改良がおこなわれ、ベトナム戦争では大いに活躍しました。西側各国にも輸出され、開発から60年が経過した現在も日本、韓国、ギリシャなどの国では現役の戦闘機として使われています。

 我が航空自衛隊では、1971年から配備が始まり、輸入、ノックダウン生産、ライセンス生産で1981年の生産終了までに154機が調達されました。現在は主に百里基地で運用されています。

 展示されている機材を見ていると、アニメ「魔法少女リリカルなのはA's」の主題歌「Eternal Blaze」を合図に先のファントムが飛び立っていきました。会場で流れているBGMは何故かアニメソングが中心なのはやっぱり自衛隊には好きな人が多いのかなと思わせる演出でした。

頭上を一気に飛び去るファントムです。その爆音は空気を震わし大地を揺らす、そんな表現がぴったりと合っていました。戦闘機の飛行を間近で見たのは筆者にはこれが初めてでしたが、凄まじい迫力でした。

特別塗装機は、白地の機体と黒地の機体の二機がありましたがなかなか同じフレームに収めるのはむずかしいですね。

ファントムの飛行展示が終わると、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の主題歌「Raise Your Flag」が流れ始め、それを合図にしたようにF-15のエンジンに火が入ります。このF-15は小松基地からこの航空祭のためにやってきたと思われます。

飛び立ったF-15が会場の上空を翔けます。ちょうど青空になったその空をバックにべーパー(高速で飛ぶ機体の圧力により後ろに出ることがある水滴の尾)を引く様子を撮ることができました。

広角レンズで飛行機を撮る難しさがわかる一枚ですね。観客の頭がもろに映ってしまいました。

初めて目の前で飛行する戦闘機を見てテンション上がりっぱなしで、航空祭は終わりましたがまだお楽しみが残っていますよ。

地上展示されていた、他の機体が自分の基地へと帰還していく姿です。これは厚木基地に配備されているP1対潜哨戒機です。このわずか半月後韓国駆逐艦レーダー照射事件で大いにP1の名が知れ渡ることになるとはこのときは思いもよりませんでした。

 

しかし、この会場に広角レンズ一本で入ると何だか恥ずかしいようなそんな感じがしましたね。一眼レフカメラには皆バズーカのような望遠レンズを付けた人たちばかりで、いや実は筆者もカメラ好きの同僚からもらったレンズがあるのですが、今持っているニコンD5600ではオートフォーカスが効かないという致命的な状態です。ニコンのD7000番台というシリーズでならば効くとのことなので、無理して買ってしまおうかと考えた日でもありました。こういった飛行する飛行機は望遠レンズでないととても撮ることができません。

最後に基地で退役して、展示機材になっているファントムを撮影しました。今年を最後に退役する老兵たちもやがてはこのような展示物になっていきます。日本の空を守り続けた誇り高き翼として輝き続けることでしょう。