荘銀タクト鶴岡 開館記念事業 円楽・たい平二人会に行ってきました。 | そー市のあれこれ

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 すっかり秋めいた週末というものは、とてもいいものです。今年の夏は地獄のような暑さだったのが信じられないほどに、冷え込むようになってきました。山の上のほうは葉がすっかり色づいて、紅葉も真っ盛りという中で、落語を聞きに鶴岡市に行ってまいりました。

出演者はこのお二人、笑点でおなじみの三遊亭円楽師匠と林家たい平師匠です。とはいうもののあまり真面目に笑点を見ない人には、紫の人とオレンジの人と言うほうが通るとたい平師匠がおっしゃっていました。

 ポスターにあるように本日の落語会は荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)の開館記念事業として行われました。鶴岡市文化会館は2017年に建て替え工事が完了し、2018年3月18日にグランドオープンした出来立てほやほやの会場です。地元の銀行である、荘内銀行が命名権を買い取り、Tsuruoka Art Culture Terraceの頭文字をとって荘銀タクト鶴岡という愛称がつけられました。そのデザインは、出羽山地の眺望をイメージした曲線を多用したものになっています。ただ、総工費は45億円と当初の予算の倍以上に及んだことで問題視された面もあります。

波打つような屋根のデザインが特徴ですが・・・

内部の席の仕切りまで波打っております。自分の席がどこか非常にわかりにくいっ!そういうわけで、迷っている客をスタッフがいちいち誘導していました。奇抜なデザインもいいのですが、使いづらかったり、総工費が跳ね上がったりするのはどうなのかなという気がしながら席に着きました。

 さて、幕が開きます。前座は円楽師匠の孫弟子にあたる、三遊亭楽べえさんの古典落語「平林」です。マクラの替りに「携帯電話はお切りください。撮影、録音はかたくご遠慮ください」という呼びかけをされていました。弟子入りが2016年と非常に若いかたでしたので、今後のご活躍が楽しみです。

 続いて二つ目、三遊亭わん丈さんの登場です。わん丈さんの師匠である三遊亭圓丈は円楽さんの師匠、五代目圓楽の弟弟子なので、円楽さんとは従兄弟の関係とでも呼べるでしょうか。演目は古典落語「一目上がり」です。教養のない男、八五郎が絵の讃(3)、大沼蓮斎の詩(4)、一休禅師の悟(5)と数字になる様々な文章を聞き、その次は6ですねというと、七福神が出てきて、次は8ですなと言えば芭蕉の句(9)でサゲる噺です。これは多少知識を要するのでやや上級者向けの演目です。

 いよいよ真打、林家たい平師匠のご登場です。笑点メンバーとなるとマクラも笑点メンバーの話になりますね。メンバー全員で人間ドックに行って円楽師匠の腹部超音波検査中に機械のコンセントをイタズラで引っこ抜いたという話でした。腹の中が真っ黒!というわけです。またそばとうどんを食べるときの違いこれを見事に再現するところは、素晴らしいものでした。芸人魂を感じました。演目は古典落語「二番煎じ」です。火の用心をふれて回る組が休憩中に酒盛りを始めてしまい、そこに見回りの侍がやってくるという噺です。侍から鍋を隠したり酒を薬とごまかしたりする場面は各々の噺家の腕の見せ所です。たい平師匠は最後に鶴岡市民会館落成記念の花火ですということで、笑点でおなじみの花火の擬音でしめてくれました。

 中入り後は林家あずみさんの三味線漫談です。三味線の音とともに漫談をする芸は落語だけではない芸能の奥深さを感じさせてくれました。最後に鶴岡の・・・と言いながら、熊本民謡の「おてもやん」でしめまして、

 トリは円楽師匠です。肺がんの診断を受けて手術した後の病み上がりと聞いていましたので、大丈夫かとは思いましたが、そうとは思わせない語り口でした。ひょっとして今年亡くなった歌丸師匠と先代の圓楽が呼んだんじゃないかとも言っていましたね。マクラでは歌丸師匠のことを語ってくれました。自分が女だったら歌丸師匠に抱かれたい、でも骨張ってたからあばらが刺さりそうというので笑わせてくれました。さすがに今まで通りに歌丸師匠いじりをするわけにも行かなかったようで、座布団運びの山田隆夫さんが毒舌の対称になっていました。演目は古典落語「ちりとてちん」です。食通を気取って何を食べても素直に美味いとは言わずに批判する男に、珍味「ちりとてちん」と称して腐った豆腐を食べさせる噺です。最初に何でも旨い美味いと言って食べる男を出して、その対比で面白さを演出します。鶴岡の地酒「竹の露」を出して地元の人を喜ばせていました。

落語の面白さを理解するには多少の見識が必要になりますが、おおくの噺家さんたちが、頑張って現代でも通じるように努力をされています。近くで落語会が開かれるときにはぜひとも足を運ばれることをお勧めします。

最後に会場で買った、木久蔵ラーメンと円楽腹黒拉麺です。不味いという噂の木久蔵ラーメン、とパンチの利いたブラックな醤油味の円楽拉麺ですが、食べ比べてみるのが楽しみですね。