桜への思いを前にしての決意 | おひとりさまの四方山日記

おひとりさまの四方山日記

一生懸命働いて、自分の好きなことに取り組んでいただけ。ふと気がつけば五十路(笑)
アラフィフおひとりさまの暮らしや日々の徒然を、思うままにユルユルと綴る日記です。


春に赤くなる垣根

いつも思いますが
自然の紅色というのは

なんて目に優しくて美しい
4月も半ばまで来て
ようやく春らしくなりましたね

今年の桜は
続いていた春の雨で
あっという間に
散ってしまいました

4月に部署移動して2週間
慣れたかといえば
慣れつつあるとは思う

管理上の問題は
気が遠くなりそうなほど
山積みにある

前部署で築いた実績があるなら
そのままここで活かせばいいと
思うかもしれない

実際のところ上司も軽い感じで
私にそう命じている

だけどね、、
そういうものでは
ないのです

なぜなら
人の生命や人生を
預かっている現場で

そこにあるのは
人の技術や観念

簡単に、同じように、
当てはめればどうにかなる
というものではないことは

4年前、、
前部署に移動したとき学習した

これから先
どうしていこうかと
思案中です

何か最近の私は
愚痴が多くなりがちで

貧乏くじ引いたなーと
思わずにはいられないのが
本音ではあるのですが

でも結局この環境を
引き受けたのは
他の誰でもない自分
(業務命令やむなしでも)

本気出して
やるしかないよね
そう思ってみる

**********

先日、
ターミナル期の患者さんの
御家族から
「最期の桜を見せてやりたい」
という申し出がありました

人手不足で無理です

というのが本音

そう言うのは簡単ですが

旦那さんに最期の桜を、という
奥さんの願いを
叶えたくなりました

実際は車椅子にも
乗れない状態です

少しでも動かすことで
急変の可能性もある

医師からも御家族と本人に
そう説明されました

でも、、、
という思いに

「わかりました。やりましょう」
そう判断したのは私です
(もちろん医師の許可のもと)

肝心の病棟の看護スタッフは
残念ながら全くの無関心でした

「新しい師長が何か言うてるわ」
それくらいの感覚です

否定しかしない人に
強要するつもりはありません

賛同してくれたリハビリスタッフに
協力をお願いして実行しました

せめて病院の玄関の桜を
見せてあげたい

タイムリミットは
行って戻るまで
15分以内が限界

酸素ボンベはリハスタッフが
背負ってくれました

総勢4名と奥さんで
玄関までの冒険です

すっかり
葉桜にはなっていましたが

優しい風が吹いて
桜の花びらが舞い
患者さんの顔や手に触れました

神様の
なんて粋な計らいだと
ふと、そう思いました

桜舞い散るなかで
奥さんと患者さんの
記念写真も撮りました

とても素敵な光景でした

奥さんは気丈にも
本人の前で泣かないように
笑顔でした

少し息が苦しかったはず
それでも患者さんは
皆の前では一言も
しんどいと言わずに

乱れる息も途切れ途切れに
「ありがとう」を
繰り返していました

何とも優しい瞬間に
立ち会えて

私は自分が
以前の療養病棟で
10年間の時間

こんなふうに
寄り添いの思いを大切に
働いていたことを
思い出しました

だから
定年で役職を降りたら
最後はいち看護師として
療養病棟で働くと
決めていました

そういう思いも全部
このときに思い出しました

忙しい、人が足りない
療養病棟において
これはどこも、同じです

だからといって
看護をおろそかにしていい
という、理由にはなりません

私はそのことを
今のスタッフに
伝えていかなければなりません

なかなか難しいことです

でも、このときの
「やってみてよかった」という
気持ちを、

今いる病棟のスタッフにも
いつか感じてほしい
そう思います

それを目標に
頑張ってみることにします

ありがとう桜の木
昼間の写真は撮れなかったけど
目には焼き付いています照れ