立ち耳スコティッシュフォールド『見えない季節の水彩画』感想&レビュー【期待のニューカマーバンド】 | とかげ日記

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●期待のニューカマーバンド

待ってました、初の全国流通ミニアルバム!

意思を持つかのようにサウンドスケープを描くクリーンとクランチのギター。磐石なリズム隊。アルバムタイトルにある「水彩画」のような淡く美しい音楽だ。

神聖かまってちゃんからの影響があるとメンバーは発言しているが(そもそも、バンド名にあるスコティッシュフォールドは"の子"の飼っていた猫種だ)、神聖かまってちゃんのようにポップで愛嬌のあるメロディの音楽だと思う。

ベースボールベアーやスーパーカー初期に通じる男女ツインボーカルのギターロックの音楽性は、まさに青春そのもので、歌声もサウンドも青春をアオハルって呼んじゃいそうなくらいのフレッシュなみずみずしさ。

立ち耳スコティッシュフォールドのメンバーでスピッツの「ロビンソン」をカバーしている動画を観たが、サウンドは全くの別物であるものの男女ツインボーカルの青春性が「ロビンソン」の恋愛の世界観に通じるものがあった。また、胸キュンギターポップ的なギターリフのキャラクター性(例えば、#1「昔の写真」のイントロ)はスピッツからの影響を感じる。



男性ボーカルの声音には、爽やかなんだけど爽やかに収まりきれないルサンチマンも感じる。ただ甘酸っぱいだけではなく、ヒリヒリしたところもあるのが好きだ。#4「ベルベットと一緒」では、自己憐憫のあまりの狂気さえも憶える。男性ボーカルに連れ添うような女性ボーカルもひたむきな切実さを感じられて良い。

曲ごとにサウンドの表情はあるものの、描く情景やメッセージにあまり違いは感じられないが(どの曲も熱量を感じるが、その高低差はない)、聴いているだけで気持ち良い、そういう音楽だと思う。清々しいギターが心地よい風を運んでくる。

世間に早く見つかりますように…! いつか、僕の一押しのバンドのダニーバグと対バンしてほしい。同じ関西のバンドだし、いいでしょう?



Score 7.8/10.0

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