ぼくの考えた"くるり"のすごいところ | とかげ日記

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【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。
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「くるりはヒットらしいヒット曲もないのに、威張っているようで癪に障る」と言っていた人がいた。

ヒット曲のあるなしでアーティストを評価するのはどうなんだろう?とか、岸田さんのツイートは威張っている訳ではなくてまっとうな意見を言っているだけだとか、音楽雑誌で称賛されるのも威張っている訳ではなく実力があるからだとか、色々と疑問が沸いたんだけど、「くるりは素晴らしいアーティストだよ」と正攻法で反論してみることにする。

以下、ぼくの考えた"くるり"のすごいところ。そういえば、彼らの一時期のキャッチコピーは「すごいぞ、くるり」だった。

1.古今東西様々な音楽を吸収して曲を作る
くるりのメンバーは音楽フリークだ。岸田さんはブラジルなどUK・US以外も含めてロックに詳しいのはもちろんのこと、クラシックやドラゴンクエストのすぎやまこういちを好きだったりもする。ベースの佐藤さんもファンファンも好きな音楽の幅が広く、岸田さんが自分よりも詳しいと言うほど。

そして、彼らの作る音楽は様々な影響を受けながらもくるりのオリジナリティにあふれたものになっている。最新アルバム『THE PIER』では、中東・東欧の民族音楽にアプローチしているが、少し変態チックだけどポップなくるり流のポピュラーミュージックに仕上がっている。

2.マンネリにおちいらない
様々な音楽性の曲を作れるからこそ、マンネリにおちいらない。エレクトロ・UK、USロック、ジャズ、『ワルツを踊れ』ではクラシック、前述した『THE PIER』では中東・東欧の民族音楽など、アウトプットに幅があるからこそ、リスナーは全く飽きない。他の音楽からの影響を直接には匂わせない中期のソングオリエンテッドなアルバム二作『魂のゆくえ』『言葉にならない笑顔を見せてくれよ』で僕の心はくるりから離れたけど、今聴くとこれらのアルバムにもフォーキーな歌心があって聴きごたえがある。

3.いい曲をたくさん作る
くるりがすごいのは、アレンジや意図した音楽を形にする演奏力だけでない。アレンジ前の曲の骨組みそのものが良いのだ。歌詞とメロディの絡み具合も絶妙だし、メロディがポップで芯があるので、弾き語りだけでも聴衆の心を捉える力がある。実際、弾き語りのカバーで彼らの曲を取り上げる人も多く、ギター弾き語りの楽譜が出版されているほどだ。

4.歌詞が素晴らしい
歌詞集が詩集として発売されるくらい、くるりの歌詞は素晴らしい。詩として優れているのだ。「Remember me」の歌詞は品の良い世界文学みたいだし、デビュー曲の「東京」の歌詞は言葉の節々にリアリティの魂が宿っている。

5.ライブが最高
くるりはライブバンドだと言われることもあるくらい、くるりにライブは欠かせない。くるりのライブに行けない人は、ライブ盤の『Philharmonic or die』を聴くのをオススメします。Disc1には2007年12月11日と12日にパシフィコ横浜で開催したウィーン・アンバサーデ・オーケストラによるライブ、Disc2には2007年12月6日に京都の磔磔で行なわれたライブを収録している。オーケストラと共に重厚な音楽を奏でるDisc1と演奏の骨太な骨格があらわになったDisc2では方向性が異なるが、どちらも音楽への愛情の深さを感じずにはいられない。

他にも色々あるけど、とりあえずはこんなところかな。みなさんも是非くるりを聴いてみてね! 9月19日には4年ぶりの待望のニューアルバムが発売されます♪