ふくろうず解散に寄せて | とかげ日記

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【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。

クリスマス・イヴ、ふくろうずが解散した。

僕は彼女たちのファンで、新譜が出ればアルバムも買っていたし、ライブにも何度か足を運んだ。

タワレコのインストアライブでのふくろうずを思い出すよ。メンバーと観客の笑顔に包まれる和気あいあいとした雰囲気の中で曲を披露していた。インストアライブ後にボーカルの内田さんと握手したことは未だに忘れられない思い出だ。

ありがとう、ふくろうず! そう叫んでみても、気分はどん底…。整理できない気持ちの中で何にも手がつかずに、入院中である身を利用してひたすら寝ていた。

ふくろうずロスで心にぽっかりと大きな穴が開いている。穴は次第に大きくなっていく…。

立ち止まっているヒマはない。前だけを向いていたい。でも、大好きだったバンドは後ろにいて、後ろを振り向きたくなる。

僕の心の中で内田さんは哀しげな微笑みを浮かべている。

「ごめんね」では、鬱っぽい歌唱を振り払うかのように、「ありがとっ!」とシャウトする。内田さんの装いは可愛らしい感じなのに、シャウトする熱さもあるのが唯一無二だった。青春のような切なさとまっすぐさがありつつ、ひねくれ者であるところにも僕は共感していた。

魅力があるのは内田さんだけではない。特徴的な音色で演奏し、技術のあるギタープレイをする石井さん。ツボを押さえたベースプレイをし、コーラスで美声を聴かせる安西さん。MCでの内田さん、安西さん、石井さんの三人のとぼけたやり取りも魅力だった。

さすらい続ける蝶になる。回転木馬はまわるまわる止まらない! 命を燃やして飛んで消えたふくろうずの音楽は、これからも僕と共にある。