認知症予防のための食事・・食事療法のポイント | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 食事療法のポイントは以下のように要約されます。


1.認知症予防の食事のポイント!


  マグネシウムの重要性


2.食事を和食中心(魚・野菜)に切り変える


  魚を頻繁に食べる人は認知症になりにくい
  野菜の抗酸化作用が、認知症を予防し、もの忘れを防ぐ
  ごま成分の抗酸化作用が認知症予防になる
  卵に含まれるコリンでアルツハイマー病予防
   抗酸化物質の含まれる食べ物
   L-カルニチンは認知症予防に大切です
     葉酸


3.植物油(食用油)の摂り方

 
  オメガー3系脂肪酸を多く含む植物油
  オリーブオイル
  えごま油
  亜麻仁油(あまにゆ)
  ココナッツオイル


4.カレー 週に2 ~ 3 食以上


5.その他


  ナッツ
  シナモン
  チョコレート


6.認知症を予防する飲み物


  コーヒー1日3~5杯
  1日2杯以上の緑茶
   1日1杯の赤ワイン
  ザクロジュース

 

  その要点について述べておきます。
 
 
   1.マグネシウム不足に注意


 マグネシウムは糖尿病などの生活習慣病を予防することが知られています。
 日本人は慢性的なマグネシウム不足です。マグネシウムが不足すると糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こしやすくなり、ひいては認知症になりやすくなります。
 アルツハイマー型認知症は、海馬の萎縮が原因となり、この萎縮の最大の原因はストレスです。ストレスによってマグネシウムは消費されます。マグネシウムは、私達が日常生活を送る上で、容易に不足する生活環境に置かれていることを忘れてはなりません。このため、常にマグネシウムの補給を念頭におく必要があります。
 マグネシウムが不足すると、こむら返りが起こりやすくなります。
 成人の1日のマグネシウムの推奨量は、270~370mg。
 マグネシウムを多く含む食品は、以下のようなものがあります。
  
  
   玄米によるご飯  100g 48mg
   白米によるご飯  100g  40mg
   米、麦こうじ味噌 100g  80mg
   豆こうじ味噌   100g 130mg
   アーモンド    30g 87mg
   カシューナッツ  30g 72mg
   国産大豆        30g 66mg
   落花生          30g 60mg
   干しひじき   10g 54mg
   納豆1パック   100g 100mg
   かき       70g 50mg
   ほうれん草    70g 50mg
   いんげん豆   30g 45mg
   かつお     100g 40mg
   あおのり    3g 40mg
   あずき     30g 36mg
   とうもろこし  1本120g 35mg
   枝豆      50g 35mg
   バナナ     100g 34mg

 

2.抗酸化食品(野菜・果物)の摂取不足


 私達の身の回りのは活性酸素が満ち溢れています。このような活性酸素の毒消しをするのが、フリーラジカルスカベンジャーです。
 私達の体には活性酸素を取り除く手段として、抗酸化物質が備わっています。このなかで、スーパー・オキサイド・ディスムターゼ SODの産出能力は25歳から下降しはじめ、40歳を過ぎて急速に低下することがわかってきました。
 コエンザイムQも同様に40歳を境に減少してきます。
 この生体に備わった抗酸化物質を補う目的で抗酸化食品を意識して摂取しなくてはなりません。抗酸化食品は活性酸素を除去します。こうしたことから、抗酸化物質の摂取不足はミトコンドリアの働きを悪化させることになります。


  抗酸化食品には、以下のようなものがあります。


  アントシアニン(ブルーベリー・カシス)、ケルセチン(そば)、ルチン(そば)、カテキン(お茶)、イソフラボン(大豆)、カルコン(明日葉)、クロロゲン酸(コーヒー豆)、ロズマリン酸(シソ)、ゴマリグナン(ゴマ)、クルクミン(ウコン)、タンニン(お茶)、スルフォラファン(ブロッコリー)、βカロチン(緑黄色野菜)、リコピン(トマト)、カプサイシン(唐辛子)、アスタキサンチン(鮭・イクラ)、ルテイン(ケール・ほうれん草)、フコイダン(海藻)、βグルカン(キノコ)、ペクチン(リンゴ)、テアフラビン(紅茶)


■ 体内の活性酸素を除去する食品をまとめてみますと・・

 
  ビタミンA:ニンジン、ほうれん草、卵黄、牛乳、バター
 ビタミンC: ブロッコリー、小松菜、ピーマン、トマト、イチゴ、緑茶、        ジャガイモ
 ビタミンE:大豆、落花生、しじみ、うなぎ
 βーカロテン : ニンジン、小松菜、ほうれん草、かぼちゃ、ニラなど
 ポリフェノール : 赤ワインなど
 リコピン : トマトなど
 スルフォラファン : ブロッコリー、キャベツ、カリフラワーなど
 メラノイジン : みそ、しょうゆなど


 抗酸化物質のほとんどは、日ごろから食べている野菜や果物に含まれています。
 つまり、日ごろから、好き嫌いなく、バランス良く積極的に野菜や果物を食べていれば不足することはないと考えられます。
 しかし、一人暮らしの方や外食が多い方などは野菜不足になりがちです。
 また、高カロリー・高脂肪な肉食中心の欧米型の食事は、体が酸化しやすいため、活性酸素の攻撃を受けやすいと考えられます。
 少しずつ食生活を変え、上手に抗酸化作用があるサプリメントを取り入れて、活性酸素を抑えましょう。

 

3.必須脂肪酸の摂取のアンバランス・・オメガ3とオメガ6に注意


脂質の役割


 脂質(脂肪)とは、糖質、たんぱく質とともに食品の3大栄養素のひとつであり、水に溶けず、脂肪酸をもち、生体で利用されるもののことを言います。
 人の生体内にある脂質は、おもに、中性脂肪、リン脂質、脂肪酸、コレステロールの4種類。
 中性脂肪はおもにエネルギーの貯蔵、リン脂質は細胞膜の主要な構成成分としての役割があります。脂肪酸とコレステロールに関しては、このあと詳しく述べることにします。
 糖質はほとんどがエネルギー源として働きますが、脂質には、エネルギーの貯蔵のほかにも多くの機能があります。たとえば、エネルギー源になるほか、生体膜の構成成分・ホルモンや胆汁酸・ビタミンなどの原料ともなります。また、血管の保護や、免疫や炎症を調節する機能、細胞同士の情報を伝達する機能もあるのです。
 このように、脂質は生体内でとても重要な多くの役目を果たしており、いい脂質を摂取することは、健康にとってきわめて重要になります。「脂質は太る」というイメージがあるためか、摂取を極端に制限する人がいますが、無理なダイエットなどは慎むべきです。
 基本の食事のなかで、脂質はバランスよくとることが大切になってきます。


  人間の体の中で“脳”は最も重要な器官の1つですが、その構成成分の60%は脂肪が占めています。そして、このうち一番量が多いのが「オメガ3」です。無数の神経細胞から成り立っている脳は、神経刺激を伝達したり、外からの刺激を受け取ったり、いつも活発な活動をしていますが、その動きに鋭敏に反応し、素早く対応しているのが「オメガ3」なのです。脳では「オメガ3」が最も大切な脂肪酸なのです。


  細胞内小器官(ミトコンドリア)の膜構造には食べた脂肪酸がそのまま使われますので、どのような種類の脂肪酸を含む脂質を食べたかにより、膜構造の状態が大きく異なり、ミトコンドリアの働きが左右されます。このため摂り方に問題があれば、ミトコンドリアの機能が悪くなります。


  体内に吸収された脂肪酸は、酵素を触媒として次のように変換していきます。


 体内での脂肪酸の変換には「飽和脂肪酸系列」「リノール酸系列」「アルファ・リノレン酸系列」の3つがあります。そして重要なことは、これら3つの系列の脂肪酸は「体内で相互変換しない」ということです。つまり、どれだけ大量の飽和脂肪酸を摂っても、ガンマ・リノレン酸に変わることはありません。またリノール酸が、EPAやDHAに変わることもありません。


  このように「体の脂肪酸バランス」は、食べ物として摂った脂肪酸によって決まってしまいます。すべての細胞の脂肪酸の状態が、摂取した脂肪酸によってストレートに決定してしまうのです。
  このため、からだにいい油と悪い油を見分けることが重要です。


からだにいい油と悪い油の見分け方


  からだにとっていい油と悪い油を見分けるには、脂質のなかのおもな成分である脂肪酸の分類を理解する必要があります。


  脂肪酸は炭素同士が長くつながった構造をもち、この炭素同士の結合に二重結合がない脂肪酸を「飽和脂肪酸」、二重結合がある脂肪酸を「不飽和脂肪酸」と言います。
  飽和脂肪酸は常温では固体で、動物性食品(バター、ラードなど)に多く含まれています。
  不飽和脂肪酸は二重結合の数(価数)により性質が大きく変わり、数が多いほど油はやわらかくなるいっぽうで、酸化しやすくなります。常温で液体であり、植物性食品(植物油)に多く含まれ、価数によりオメガω-9系、オメガω-6系、オメガω-3系に分けられます。一価不飽和脂肪酸はオメガω-9系であり、オリーブ油やなたね油に多く含まれます。多価不飽和脂肪酸は二価のオメガω-6系と、三価のオメガω-3系に分けられます。ほとんどの植物油はオメガω-6系に分類されます。オメガω-3系の油はえごま油、あまに油、青魚に多く含まれます。
 不飽和脂肪酸に関して重要なことは、オメガωー6系とオメガω-3系のバランスです。ほとんどの植物油などのオメガω-6系はからだの炎症、アレルギー反応などを促進し、えごま油やあまに油などのオメガω‐3系は抑制します。現代の日本人は、圧倒的にオメガω-6系を摂りすぎていてオメガωー3系は足りない状態です。
 オメガωー6系は、「まごわやさしい」の食材をとっていれば十分なので油としての摂取は控え、オメガωー3系を積極的にとる必要があります。オリーブ油などのオメガω-9系は、炎症などには関係していませんが、脂質自体が生体に必要ですので、加熱して少量とるくらいがいいでしょう。
 もっともとってはいけないのは、マーガリンやマヨネーズなどに入っている、自然界にないトランス脂肪酸です。トランス脂肪酸は自然界には存在せず、植物油に人工的に水素添加してつくられた油です。次に、バターや乳製品など、動物性である飽和脂肪酸になります。
  いずれにせよ、どんな油でもつくられる過程が重要です。オーガニックで遺伝子組み換えでない国産の原料を使った油や、低温・圧搾法でつくられた本物の油が理想です。


必須脂肪酸について


 ほかの脂肪酸から合成できないため、食事などから摂取する必要のある脂肪酸を「必須脂肪酸」と言います。
  必須脂肪酸には、オメガω-6系とオメガω-3系があります。
  オメガω-6系の脂肪酸の代表はリノール酸とアラキドン酸です。オメガω-3系の代表はα-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)です。ωー6系とωー3系の脂肪酸は互いに抑制し合い、身体内ではまったく逆の反応を誘導するため、このふたつの比率がとても重要です。
  オメガωー6系は、炎症やアレルギー性疾患を誘導したり、血管が詰まりやすい状態にしたりします。逆にオメガωー3系は炎症やアレルギー性疾患をしずめ、血管が詰まりにくい状態にします。
  簡潔に言い換えますと、オメガ-6系脂肪酸のとりすぎが炎症体質を悪化し、オメガ-3系脂肪酸をとると炎症体質は改善されるということになります。
  これらのことから、摂取する「オメガ- 6 系油とオメガ- 3 系油の比」をもって「酸化ストレス・炎症体質」にならないための油脂の摂取量の目安量を知ることができます。
  いわゆる、オメガ-6系/オメガ- 3 系の比が大きな値を示すほど「酸化ストレス・炎症体質」は悪い状態に向かい、逆に小さな値であるほど「酸化ストレス・炎症体質」は良好な状態に向かうということなのです。
 がんなどの生活習慣病・認知症のベースには「酸化ストレス・炎症体質」があり、オメガω-6系とオメガω-3系脂肪酸の比率が関係しています。オメガω-6系は、炎症やアレルギー性疾患、血栓(心筋梗塞や脳梗塞)、がんなどを引きおこしやすくするので悪い印象を受けますが、オメガω-6系が働かないと感染に対して炎症を起こして治る力が働きませんし、少しの傷で出血が止まらなくなります。


  どちらがいいというよりも、あくまでバランスが重要であり、理想的なオメガω-6系とオメガω-3系の摂取割合は3一1とされています。現代の日本人は、圧倒的にオメガω-6系が過剰で、オメガωー3系が極端に少なくなっています(20~40:1)。揚げものや炒めもの、洋食中心の食生活が多い人は注意しましょう。
  オメガω‐3系を積極的にとり、オメガω-6系を控える必要があります。ただし、えごま油やあまに油などのオメガωー3系の油は非常に酸化しやすく、加熱料理には向きません。あえものやドレッシングなどで、積極的にとるよう心がけましょう。


トランス脂肪酸について


 トランス脂肪酸は、液体である植物性の油に人工的に水素添加を行うことにより固体化させた脂肪酸です。自然界にもごくわずかに存在しますが、人工的につくられたきわめて不自然なものです。あらゆる脂肪酸のなかでもっとも害があるとされています。
  普通の脂肪酸と構造が異なり、おもに細胞膜の性質を変化させ、全身の細胞の機能を阻害します。動脈硬化、がん、アレルギー性疾患、クローン病、認知症などとの関係が強く指摘されています。
 マーガリンやショートニングに入っているのが有名で、いつまでもパンをやわらかいままにしたり、クッキーをサクサクにしてくれたりする便利な成分です。そのほか、フライトポテト、スナック菓子、コーヒーフレッシュなど、非常に多くの加工品に使われており、知らず知らずのうちに多くの人々が摂取してしまっています。


  欧米のほとんどの国では、表示義務が課され、使用制限などの規制もあります。日本でも一時規制がかかる動きが見られましたが、なぜか途中で頓挫したままになっており、現在は表示の義務すらありません。どうしても使いたい場合には、トランス脂肪酸フリーのものを使いましょう。


コレステロールについて


 「コレステロールはからだに悪い」というイメージが定着しています。しかし、コレステロールは生体内でとても重要な役割を果たしており、なくてはならないものです。
 コレステロールは細胞膜、ホルモン、ビタミンD、胆汁酸の原料となります。また、血管や脳の神経細胞を守る働きもしています。コレステロールの20%は食べもの由来で、80%は体内で合成されています。コレステロールから、非常に多くのホルモンが副腎で合成されます。肝臓から胆汁酸として排出されますが、95%は小腸で再吸収されます。胆汁酸は、脂肪や脂溶性ビタミンの消化・吸収に欠かせません。
  もうひとつ重要なことは、コレステロールには善玉と悪玉があるという理解は正しくない、ということです。
  一般的に、HDL=善玉コレステロール、LDL=悪玉コレステロールと言われがちですが、じつはそれは誤りなのです。
  コレステロールは水に溶けない脂質の一種ですので、血液内を移動するときは、たんぱく質と結合した「リポたんぱく」という形で運ばれます。このリポたんぱくにはいくつかの種類があり、そのうちのHDLは全身から余ったコレステロールを肝臓へ運び、LDLは肝臓から全身ヘコレステロールを運ぶ役割をします。HDLコレステロール、LDLコレステロールとは、それぞれHDL、LDLに含まれているコレステロールという意味になります。コレステロール自体は1種類しかなく、善玉も悪玉もないのです。
 ですから、コレステロールはHDL、LDLと分けて考えるよりも、総コレステロール値で考えるのがよいでしょう。


  最近、日本人ではコレステロールの値がある程度高い(総コレステロール値259mg/dlまで)ほうが、死亡率が低下することがわかってきました。
  私は、動脈硬化にはコレステロールよりも、活性酸素や糖、カルシウムのとり方のほうが、影響を与えていると考えています。


植物油(食用油)の摂り方
  

 皆さんの中には、「植物油は健康によい」と思っている方も多いのではないでしょうか? もしあなたが「植物油は健康によい」と信じているのであれば、「植物油のとり過ぎが、じつは健康を害する最大の原因である」と認識を変えてほしいのです。


  植物油の中にも「よい植物油」と「悪い植物油」があるので一概にはいえないのですが、悪い油のとり過ぎが、認知症発症の引き金となる「活性酸素」と「遊離脂肪酸」を発生させることにつがなっていることは確かです。よいものと悪いものを見極める目を持つことが大切です。私がお勧めする植物油は、昔ながらの製法「低温圧搾」で造られたシソ油(エゴマ油)や亜麻仁油などのオメガー3系脂肪酸を多く含む植物油と、エクストラバージンオリーブ油、低温圧搾で作られたゴマ油やナタネ油などの植物油です。これら以外の市販されているサラダ油など多くの植物油は、いずれも「悪い油」といってもよく、多くとってはいけないものばかりです。また、マーガリンやショートニングなどの脂もダメです。
  こうした「悪い油」を原材料とするマヨネーズやドレッシング、植物性ヨーグルト、ケーキ、ビスケット、クッキー、チョコレート……なども、できるだけ避けたい食品といえます。加工食品の成分表を見ればわかるのですが、植物油が加えられていない加工食品はまれにしかありません。これらの植物油のほとんどは悪い油です。注意してください。


オリーブオイルをアルツハイマー病予防のために使ってください


 エキストラヴァージン(EXV)オリーブオイルは健康に良い植物油です。血圧を下げ、コレステロール値を安定させ、血液をサラサラにしてくれます。これは「オレイン酸」という脂肪酸の働きです。
 オレイン酸とは植物油に多く含まれている脂肪酸。悪玉コレステロールを減らしてくれます。動脈硬化、高血圧、糖尿病などの予防につながります。
  悪玉(LDL)コレステロールとは肝臓で作られたコレステロール(脂質)を体の隅々まで運ぶ役割があります。けして悪い働きをするわけではありません。ですが、この悪玉コレステロールは増えすぎると血管を詰まらせます。その結果動脈硬化の原因となってしまいます。
  オレイン酸が様々な生活習慣病の予防になります。そのいろんな病気が脳血管性認知症につながってしまうので健康維持は重要なことです。
  抗酸化物質である「ビタミンE」、「オレウロペイン」というポリフェノール類も含まれています。これらの抗酸化物質は、老化の原因にもなる活性酸素を抑えてくれる働きがあります。
 オレウロペインとはオリーブの葉に含まれるポリフェノールの一種です。血糖値をさげたり、抗菌作用などがあります。コラーゲンの吸収を助ける働きもあります。

 
 そしてEXVオリーブオイルには、他にも認知症予防のために役立つ物質が入っています。それが「オレオカンタール」です。
  オレオカンタールとはEXVオリーブオイルから抽出される天然有機化合物です。抗酸化作用、そして抗炎症作用があります。
  この化合物が、アルツハイマー病の原因になるアミノロイドβタンパクのオリゴマー化を防いで、脳細胞の破壊を妨げてくれるのです。
  EXVオリーブオイル特有のオレオカンタールが老人斑の形成を阻止し、アルツハイマー病の予防策になります。そして脳内で起きる炎症による脳細胞破壊にも抗炎症作用で対抗できます。


エキストラヴァージン(EXV)オリーブオイルの認知症予防効果

 
  オレイン酸によるコレステロール値の正常化
   活性酸素を抑える抗酸化作用あり

 
 オレオカンタールがアルツハイマー病の原因を取り除いてくれる健康に良い植物油です。EXVオリーブオイルの活用法はいろいろあります。野菜サラダにかければ、抗酸化物質いっぱいのヘルシー食になります。野菜、果物ジュースに数滴入れて飲むのも良いです。
  何に使うかはご自由です。ごはんにかけたり、豆腐にかけたりなど、何にでも使用できます。ご家族の方のお好みの利用法でよろしいと思います。

 
 利用法は非常に簡単です。ただ、保存の仕方にだけご注意してください。日光、そして蛍光灯など、光にさらされることで劣化しやすくなります。高温になるところの近くもよくありません。
 せっかくの風味を失ってしまいます。EXVオリーブオイルは健康のために、認知症予防のために、とても有効です。是非お試しください。


  以上のように、オリーブオイルは・・
 

 オリーブオイルに含まれるオレイン酸が認知症の人の脳内に蓄積される物質「アミロイドβ」の量を減らすと言われています。
 オリーブオイルは新鮮なサラダにかければ、抗酸化物質も含まれた健康食になります。炒め物や揚げ物を作る際には、ぜひオリーブオイルを使ってみてください。ただ、脂質は私たちの体にとって非常に大事なものですが、摂りすぎはあまりよくありません。調理で使う油の場合、1日おおよそ大さじ2杯程度にしておきましょう。

 
その他の食用オイルで認知症予防


  認知症予防には、40代~50代からの食生活習慣の見直しが推奨されています。ここでは認知症予防に良いとされる食用オイルをご紹介いたします。それぞれ味や認知症予防以外に期待される効果も違うので、あなたにあった食用オイルを試してみるのもいいかもしれません。


1.えごま油で認知症予防


  最近話題のえごま油。テレビでも認知症予防に紹介されることも多く、認知症予防の食用オイルといえばえごま油を連想する方も多いかと思います。
 どうしてえごま油が認知症に良いとされるのか、それは豊富に含まれるαリノレン酸です。α-リノレン酸は脳の栄養素。体内で脳の栄養素であるEPAあるいはDHAに変化し、脳に多くの血液を送り血流が良くなるため、脳の神経細胞が活発に動くようになるのです。


  α-リノレン酸はコーン油やオリーブオイルなどにも含まれていますが、含有量は約60%とえごま油がとりわけ多いため、認知症予防として話題になりました。


  では、EPAやDHAを魚などでそのまま摂取すればよいのではないか?と思うかもしれません。しかし、推奨される1日の摂取量2gはサバだと半尾ですが、えごま油では大さじ1杯と少量で済むのです。


[お勧めの摂取方法]


 えごま油は熱に弱いため、高い熱を加えない料理が理想です。また、脳の神経細胞同士のつながりを強める卵や大豆類など、タンパク質と一緒に摂るとより効果的です。


[風味の特徴]


 少し生臭いので、気になる人は味の濃いものと一緒に食べるのがお勧めです。


[1日の摂取量の目安]


  約小さじ1杯


[認知症予防以外に期待される効果]


  うつ病改善、血管の若返り、ダイエット、美肌、歯の健康、視力回復


 2.亜麻仁油(あまにゆ)で認知症予防


 えごま油と同じようにテレビでも取り上げられ話題となった亜麻仁油もα-リノレン酸を約25%と豊富に含むため、認知症予防に良いとされています。
 もともとは塗料やインクの原料として用いられていましたが、豊富な栄養素により現在は食用油として注目されています。


[お勧めの摂取方法]


  亜麻仁油も熱に弱いため、高い熱を加えない料理が理想です。えごま油同様に脳の神経細胞同士のつながりを強める卵や大豆類など、タンパク質と一緒に摂るとより効果的です。


[風味の特徴]


  えごま油より少し生臭いので、こちらも気になる人は味の濃いものと一緒に食べるのがお勧めです。


[1日の摂取量の目安]


  約小さじ1杯


[認知症予防以外に期待される効果]


  花粉症などアレルギー症状の緩和、生活習慣病の予防・改善、血流の改善、美肌、便秘の解消、ダイエット、更年期障害の改善、不妊、リウマチ、気管支炎、肝炎、腎炎などの炎症を抑える、免疫力を高める、癌の予防、鬱病、統合失調症、自律神経失調症、など精神疾患の予防・改善、慢性疲労の予防・改善、片頭痛の予防・改善


3.ココナッツオイルで認知症予防


 ココナッツオイルには中鎖脂肪酸が多く含まれます。この中鎖脂肪酸が認知症予防に良いとされるのです。
 脳のエネルギー源はブドウ糖ですが、これが不足したとき肝臓で作られるケトン体がブドウ糖の代わりに使われます。そのケトン体を効率的に作るのが中鎖脂肪酸なのです。


  一般的な油に含まれる長鎖脂肪酸でもケトン体は作られますが、血中ケトン体量の変化を比べると、同量の中鎖脂肪酸を摂取したときのほうが、約10倍も多くのケトン体が作り出されていることがわかりました。


  また、アルツハイマーに罹患している脳は、エネルギー源となるブドウ糖の利用が進まず、エネルギー不足の状態となり認知機能が低下します。ケトン体はブドウ糖に代わり脳のエネルギーとして利用されます。

 
  アメリカの研究では、若年性アルツハイマーの患者にココナッツオイルを食べさせたところ、4時間後には会話能力などの認知障害の改善がみられており、この効用が認知機能低下の予防にも効果があることを実証する研究が今も進められています。

 
 [お勧めの摂取方法]


  ココナッツの風味を活かした蜂蜜トーストやアイスへかけるなど、デザート系がお勧めです。


[風味の特徴]


  ココナッツの香りと風味がします。熱を加えるとココナッツ風味は少し落ちます。


[1日の摂取量の目安]


  約小さじ3.5杯


 ※一気に多く摂ってしまうとお腹をこわすことがあるので、最初は小さじ1杯くらいから、少しずつ量を増やしてください。


[認知症予防以外に期待される効果]


  ダイエット、便秘の解消、コレステロール値の低下、糖尿病の予防・改善、心臓血管疾患リスクの低下、免疫力の向上、美肌、美白

 
4.L-カルニチンは認知症予防に大切です


 L-カルニチンとは、特殊なアミノ酸の一種で体内の脂肪を燃焼し、エネルギーに変えるための必要不可欠な栄養素のことです。
 体についた脂肪は、そのままでは燃えません。まず、燃えやすい遊離脂肪酸に変化し、血液の中に流れ出します。そして、各細胞内のミトコンドリアへと流れていきます。ミトコンドリアは、エネルギーを生み出す場所です。遊離脂肪酸を燃料としてエネルギーを生み出すのです。こうして、脂肪は燃焼します。ところが、遊離脂肪酸は”L-カルニチン”がないと、ミトコンドリアの中に入ることができません。つまり、L-カルニチンがミトコンドリアの鍵を開けることで、はじめて遊離脂肪酸はミトコンドリアに入ることができるというわけです。
  L-カルニチンは遊離脂肪酸をミトコンドリアに運ぶ役割を果たしています。つまり、L-カルニチンが不足していては、体についた脂肪を燃やしてなくすことはできないのです。

 
  L-カルニチンには、もう一つ重要な働きがあります。それは、健康な脳機能を維持することです。L-カルニチンが不足すると、脳のアセチル-カルニチンが不足します。アセチル-カルニチンが不足すると、脳の細胞が壊れやすくなり、認知症になりやすくなります。このことは、数多くの臨床研究から明らかにされています。L-カルニチンは、認知症防止にも役立つというわけです。
  L-カルニチンは、ミトコンドリアの中で脂肪を燃焼して肥満を防止し、脳の中でアセチル化して認知症を防止してくれる、私達には欠かせない物質なのです。

 

L-カルニチンのパワーはCoQ10なしでは発揮されません!


 肥満を解消したいからと、いくらL-カルニチンを摂っても、それだけでは効果はあまり期待できません。その優れた体脂肪の燃焼効果を発揮させるためには、CoQ10が欠かせないのです。
 L-カルニチンだけがたくさんあっても、CoQ10が不足していては、脂肪はうまく燃焼されません。逆に、CoQ10だけがたくさんあっても、L-カルニチンが不足していては、脂肪はうまく燃焼されません。つまり、この二つの相乗効果で、認知症改善・肥満が解消できるというわけなのです。
  L-カルニチンはCoQ10と一緒にしっかり摂ってこそ意味があるのです。


  2002年山梨大学のyasuiらのグループの論文によると、L-カルニチンは体の中でアセチルL-カルニチン(ALC)に変化します。
 このアセチルL-カルニチン(ALC)は脳に多く含まれており、脳内のアセチルL-カルニチン(ALC)が不足すると脳細胞は壊れやすくなります。人間の脳細胞は生まれたから日々減っていく一方で、1日に何万という細胞が壊れています。
  アセチルL-カルニチン(ALC)が不足すると、この細胞が壊れるスピードが速まり、認知症になりやすくなります。
  ですから、L-カルニチンを摂取すれば、アセチルL-カルニチン(ALC)が体内で合成され、認知症予防になります。

 

 これらの実験や論文からも分かるように積極的なL-カルニチンの摂取が必要です。特に50歳を超えた人は1日に100mgを摂るべきであろうと言われています。
ではどのようにL-カルニチンは摂れるでしょうか?
  L-カルニチンは動物性の赤みの肉、特に羊の肉に多く含まれているようです。
  L-カルニチンを多く含むのは何といっても羊肉です。しかし、あの匂いが苦手という人は牛肉などでも十分にL-カルニチンを摂取することができます。.

 

4.カレー 週に2 ~ 3 食以上


カレーが認知症予防に繋がる?

 

「インド人は認知症患者が少ない」と言われているのは、ご存じでしょうか? インド人はカレーを中心とした食生活を送っており、豆類や野菜類を多く摂取しています。なお、インド発祥と言われるカレーは、スパイスが効いた煮込み料理を指します。カレーには、ターメリックと呼ばれる黄色く着色できるスパイスが含まれていることが特徴。このターメリックのなかに、認知症予防に繋がるクルクミンが含まれています。


クルクミンに認知症予防の効果があると言われている


そもそも、アルツハイマー型認知症は、「アミロイドβ」と呼ばれるたんぱく質が脳に蓄積することで神経細胞の破壊を引き起こします。アミロイドβの蓄積から認知症が発症するまでには、一般的には20~30年ほどかかると言われています。 クルクミンには抗炎症作用や抗酸化作用があり、ポリフェノールの一種としても知られています。ターメリックに含まれるクルクミンは、アミロイドβが脳に蓄積するのを阻む成分です。つまり、カレーを定期的に摂取することで、認知症の引き金にもなるアミロイドβを掃除してくれるとイメージすると良いでしょう。


認知症予防にカレーが効果的な論文


・富山医科薬科大学和漢薬研究所薬効解析センターの東田千尋氏は「カレースパイス成分のクルクミンがアルツハイマー痴呆を予防する」という論文を2002年に発表

・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のミラン・フィアラ博士の研究チームが、全米科学アカデミー会報で「カレーに含まる成分が、脳の働きを阻害しアルツハイマー病を特徴付けるタンパク質を吸収する免疫細胞を、活性化する可能性がある」と発表


5.その他


  ナッツ
  シナモン
  チョコレート


 明治は愛知学院大学、愛知県蒲郡市との「チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究」で、カカオポリフェノールを多く含むチョコを継続摂取した場合、脳由来神経栄養因子のBDNF値が上昇することを確かめた。BDNFは記憶効果を高めたり、アルツハイマー型認知症との関連性が報告されており、研究に携わった愛知学院大の大澤俊彦教授は「チョコの摂取で認知症を予防したり、進行を遅らせられる可能性が高い」という。明治は共同研究成果を、高齢者向けの認知症予防食品やチョコのPRに活用する。

  3者の共同研究は蒲郡市のヘルスケア計画の中で2014年3月にスタートし、45―69歳の中高年男女347人にカカオ分72%の高ポリフェノールチョコを1日25グラム、4週間続けて摂取してもらい、効果を調べた。すでに高血圧の人の血圧低下や動脈硬化予防効果を確認済みで、今回、新たにBDNF値の上昇と酸化ストレス指標の低下を確かめた。

  明治は今回の研究で特定保健用食品(トクホ)や健康機能性食品に直ちに活用はしないものの、チョコのイメージアップや消費拡大につながるとみている。


日刊工業新聞2015年05月22日 素材・ヘルスケア・環境面


6.認知症を予防する飲み物

 

   コーヒー1日3~5杯
  1日2杯以上の緑茶
   1日1杯の赤ワイン
  ザクロジュース