治療の”てびき”の必要性 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 頭痛講座20 


 皆さんはご存じかも知れませんが、片頭痛のような”多因子遺伝”をする生活習慣病である糖尿病、高血圧があります。このなかのⅡ型糖尿病では、日本糖尿病学会は患者さんのための治療指針として「糖尿病治療のてびき」「食品交換表」の2冊を作成し、治療を円滑に進める工夫がなされています。
 このような頭痛治療のてびきとして、頭痛学会は「慢性頭痛治療のガイドライン」(市民版)を作成されますが、学会は片頭痛を生活習慣病と考えていないため、専ら鎮痛を目的とした「薬物療法」が中心に書かれています。
 すなわち、現在の片頭痛治療方針では、発作急性期には各種のトリプタン製剤を使い分け、発作間歇期には各種の予防薬を”適切に”選択すべきとされ、これで片頭痛の治療体系は確立されたとされています。
 一方、緊張型頭痛では、原因不明とされることから、筋弛緩薬、抗不安薬、血流改善薬の3種類の薬剤が処方されるのが一般的です。
 このように「薬物療法」がすべてであり、慢性頭痛という辛い痛みだけを軽減・緩和させることに主眼が置かれ、このようにしておれば、片頭痛では、いずれ3割前後の方々は治癒していくとされています。
 これ以外の治療法はまったく評価されずに殆ど記載されていません。


 前回も述べましたが、頭痛治療は、「たちまちの鎮痛」と「生活習慣の問題点の改善・是正」を同時進行で進めなくてはなりません。


 具体的には、現在起こっている頭痛は、緊張型頭痛なのか片頭痛なのかそれ以外なのか、ということです。このようなことを自分で判断しなくてはなりません。場合によっては、救急車を要請して、脳神経外科を受診しなくてはならないかもしれません。こうしたことをダイレクトに判断する知識が求められています。四六時中、「頭痛外来」の主治医は寄り添って居てくれる訳ではありませんので・・
 このような知識を得るには、現在学会が作成される「慢性頭痛治療のガイドライン」(市民版)が適切であるかもしれません。また、「頭痛講座18」で紹介した一般の啓蒙書が役立つかもしれません。

  尤も、緊張型頭痛は片頭痛か、については、片頭痛big true migraineにまで進展している方では、理論的には、緊張型頭痛small migraineの段階でも、トリプタン製剤は効くはずですが、緊張型頭痛の段階でトリプタン製剤を服用することは、先々のことや、経済的なことを考慮すれば、市販の鎮痛薬が効いておれば、それでよいと私は思っております。
 

 これとは別に、片頭痛も糖尿病や高血圧症のような生活習慣病と同様に、片頭痛がどのような生活習慣の問題点から発症してくるのか、どのようにすれば、片頭痛そのものを発症させずに済むのかを知っておく必要があります。


 このような知識を身につけることで、一端、片頭痛を発症した場合でも、これまでの自分の頭痛の経過を振り返って思い起こし、その経過と生活習慣の変化との関連を冷静に見つめ直すこと(内省すること)によって、生活習慣の問題点を炙り出し、これを是正・改善させることによって、片頭痛が改善されてくるということに他なりません。
 こうしたことを行うためには、片頭痛がどのようにして発症し、どのような要因が関与しているのかを明確にさせておく必要があります。
 生活習慣病としての片頭痛についての記載が主になってくることは言うまでもありません。


 片頭痛の大半は、その遺伝素因である「ミトコンドリア活性の低さ」に、”環境因子”として、食生活が原因で「さらに、ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」(片頭痛体質)を形成することにより引き起こされる生活習慣病です。
  片頭痛の”環境因子”として「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」の3つがあります。

 これらの”環境因子”の関わり方は人それぞれです。


 片頭痛という頭痛は、皆さんのこれまでの生活習慣とくに食生活・姿勢等の問題が原因となり、謂わば、あなたの”生きざま”すべてが関与して起きてくるものです。これらは、いずれも日常生活を送る上で、”何気なく無意識に”行ってきた「食事・姿勢・体の使い方・ポリシー」が原因となっていることを意味しています。


 ミトコンドリアは、エネルギー産生を行う大切な場所です。このエネルギー産生を円滑に行うためには、必要な栄養素、ビタミン、ミネラルを満遍なく、過不足なく摂取することが重要になってきます。こうしたことから、食生活が極めて重要な環境因子となります。
  この食生活には、先祖代々引き継がれた食習慣があります。間違った食習慣は、無意識に受け継がれます。もし間違った食習慣があり、家族に片頭痛の”素因”が存在すれば、片頭痛を発症してくることになります。


 日常生活において、知らず知らずのうちに摂取される環境汚染物質や残留農薬などの有害物質に起因するものもあります。知らず知らずのうちに摂取した有害物質が「代謝異常」にも深く関わり、ミトコンドリアの働きを悪くし、片頭痛を発症させてきます。
 また、身の回りには活性酸素を発生するものが多く存在します。こうした多くの「活性酸素を生み出す要因」が存在するわけで、これらもまた「ミトコンドリアの働き」を悪くさせる要因となり、これも環境因子となってきます。


 このようにミトコンドリアの機能低下による頭痛、ということをわかりやすく解説していく必要があります。

 

  これに付随して、ミトコンドリア、セロトニン神経系、生理活性物質、腸内環境、姿勢の問題、運動と食事の問題と、直接「健康」にどのように関与しているのかを解説する必要があります。以下。「てびき書」の例です。

 

第1章 慢性頭痛とは、とくに片頭痛とは何か? 
   

第2章 「健康的な生活を送る」ためには
  

  (1)ミトコンドリア
       

     (2)セロトニン神経系
        

     (3)生理活性物質
         

     (4)腸内環境
       

第3章 姿勢の悪さ→体の歪み(ストレートネック)


  慢性頭痛の基本骨格・・
  

  「体の歪み(ストレートネック)」の治し方
    

第4章 片頭痛の発生機序
    

第5章 「酸化ストレス・炎症体質」の形成過程
   

第6章 慢性頭痛の発症過程
   
 
   ”日常的に感じる極く軽度の頭痛”
   

  市販の鎮痛薬の弊害
   

  「脳過敏」はどのように形成されるのか?
    

第7章 慢性頭痛の症状
     

第8章 お薬を服用される際の考え方・注意点
   

第9章 生活習慣を見直すために
  

  規則正しい生活を送りましょう
  

  睡眠を十分にとりましょう
   

  食事をバランスよく摂りましょう
  

  適当に体を動かしましょう
   

  姿勢を正しくしましょう
   

  セロトニン生活の励行・・リラックスする生活習慣


  ミトコンドリアを活性化する9つの生活習慣
   

第10章 運動療法


  運動療法の原則
 

  ミトコンドリア・ダイエット
   

第11章 食事療法


  食事療法の原則
    

  マグネシウム補充は十分に・・
  

  食事で脳内セロトニンを増やす
  

  鉄分の補充を・・特に、女性はお忘れなく
   

   現代人の栄養摂取状況
   

  野菜・果物を・・フリーラジカルスカベンジャーを
   

  食物繊維をしっかりと・・
   

  水分摂取もお忘れなく
   

  食事に含まれる危険な有害物質
   

  脂質について理解を深める!!


  デトックス効果が高い食品
   

  早食い・ドカ喰いはいけません
   

  食べ過ぎはよくありません
 

第12章 有害化学物質への対策・・デトックス
     

第13章 慢性頭痛治療の着眼点・原則
   


 以上の項目を最低限、織り込む必要があります。


 先日、読者の方には、今回の「頭痛講座」には目次がなく、このため煩雑で読めないとお叱りを頂戴しましたが、この講座は大切な部分を中心に述べ「目次」は必要ないと考え、敢えて付けませんでしたが、この「てびき」書では、最低、この程度の目次は必要とされます。


 そして、紙ベースの書籍にする必要があります。

 

 その理由は、パソコン、スマホではデイスプレイの問題、ブルーライト、電磁波(光)との関連、また長文すぎても読みづらい、それより長時間画面が見れない方々が多く、このようなブログでは不適切です。
 また、挿絵・図表もふんだんに取り入れたいものです。入れると入れないでは理解度には雲泥の差があります。
 このようにして、作成しておけば、自由に読みたい箇所に移ることが可能になります。
 

 私が、まだ現役の頃は、このように挿絵・図表で作成し、財政的に余裕のある頃は、患者さん個人個人に印刷・製本してお渡ししておりました。最後ころは、医院も潰れかかり、DVDに収録したものを渡していました。これは、家族でご覧戴くことも含めてしておりました。特に、女性の片頭痛患者さんには、将来の子供さんのことを考えて、子供さんが頭痛を訴えたら、どのように対処すべきか一緒に指導していました。


 このように考えますと、残念なのは、以前慢性頭痛友の会が、定期的に「会誌」を発行されておられましたが、10回前後追加すれば、1冊の「てびき」は作成可能と思われます。
 現在では、レーザー・プリンターの時代です。800人前後の会誌などあっという間に作成できるはずです。これで、会員の片頭痛が完治してしまうことを考えれば、安いものと思われますが・・。それにしても、現在は休会中のようで残念な限りです。


 一応、今回の頭痛講座は、読者から読みづらいとのお叱りを頂戴し、これで終了します。
 大切なことは、すべて記載できましたので・・
 次から、死にくさしの老体の懺悔録でも・・と思っております。

 

 

 

 ここでコマーシャルです

 

  頭痛が気になったら・・

     https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12644567389.html