前回「ザックバランにイエバ・・・」のなかで、「国際頭痛分類」について読者の間で誤解があるようですので、書き改めることにします。
問題の「国際頭痛分類」とは・・
1988 年 国際頭痛分類が初めて公開
1998 年 『国際頭痛分類初版』が国際痛学会から発刊
2004 年 『国際頭痛分類 第2版』刊行
2013 年 『国際頭痛分類 第3版β版』
このように、これまで3回にわたって大きな改訂が行われてきました。
頭痛に関する医学分類は1962年にはじめて行われました。この分類は、「アドホック委員会による分類」としてよく知られており、いくつかの病名だけが羅列されただけのものですが、はじめて世界的に頭痛を医学分類したことで画期的なものでした。これは、今回のものとは関係ありません。
これに続いて、1987年に提唱されたのが、国際頭痛分類第1版(初版)1988です。「国際頭痛学会による国際頭痛分類第1版(初版)1988」は、単なる病名の羅列ではなく、診断基準をも示して一気に頭痛の診断技術の向上をはかろうとしたものでした。この分類が、トリプタン製剤が開発された時に、治験対象者を決めるために作成された片頭痛の診断基準です。
便宜上、この分類を”旧分類”と呼ぶことにします。
このように、この旧分類は、診断技術の向上を図るばかりでなく、1980年代はじめにイギリスで合成されたトリプタンを意識的に評価する目的で作成されました。
トリプタンが医学的に薬剤として評価されるためには、一定の基準に基づいて診断された患者のなかでの治療成績を調べなくてはならないからです。
この旧分類では、片頭痛の患者であっても、さまざまな条件のためにトリプタンの処方に向かない症状を示す場合には、その患者を片頭痛とは診断できないような基準をつくってしまったのです。たとえば、ほぼ毎日のように頭痛が起きる「変容性片頭痛」などは、この基準に従って診断しますと、緊張型頭痛になるように仕組まれています。
しかも、この旧分類のなかには、薬剤誘発性頭痛という独立した項目が設けられています。そして、鎮痛消炎薬とエルゴタミンが薬物乱用頭痛を起こす薬剤として示され、鎮痛消炎薬なら1カ月あたりアスピリン換算で50グラム、エルゴタミンなら毎日2ミリグラム以上が、、薬物乱用頭痛を招く基準量として規定されました。
ところでこの診断基準の目的は、薬物乱用頭痛を防止するためというよりも、鎮痛消炎薬とエルゴタミンを多め使っていると危険だと、暗に示唆することにありました。このような基準をみれば、普通の医師なら、それなら問題のなさそうなトリプタンを処方しよう、という気になるに違いないと見越してのことが理由のように思われます。
この当時からエルゴタミンの短所とトリプタンの長所を比較した報告が多くされていました。このような比較をすれば、トリプタンは優れている、という結果になるのは目に見えていました。こうして、トリプタンの開発国のイギリス、さらに欧州、アメリカではトリプタンが爆発的に売れました。ビートルズ旋風も去り、ロールスロイスのジュットエンジンもアメリカGE社に押されがちとなり、北海油田も限界がみえてきたイギリスにとっては、トリプタンは世界をリードする格好の商品でした。開発した製薬会社がエリザベス女王から表彰されるほど、トリプタンは国家的な製品だったのです。
1999年のバルセロナの国際頭痛学会で、初めて「トリプタン誘発性頭痛」が報告されました。トリプタンを多用しすぎるといくら飲んでもトリプタンが効かなくなる、こうした現象はイタリアで多発していました。このように、当初からトリプタンが多用される布石はありました。
それは、エルゴタミンとの比較試験を行った結果、エルゴタミンよりトリプタンのほうが有効時間が短いことがわかっており、トリプタンが体内から排出されたときには、再発性(反跳性)頭痛がおこりやすいことが、すでに知られており、再発性の頭痛が起これば起こるほど、それを抑えるためにトリプタンが使われるわけです。
結局、旧分類は、たんにトリプタンの自画自賛を行うだけでなく、対抗品の排撃をねらったものと考えるべきでしょう。
2003年に、「国際頭痛学会による診断基準を伴う分類」の改訂分類が発表されました。2004 年 『国際頭痛分類 第2版』刊行です。
これを、便宜上”新分類”とします。
新分類では、薬物乱用頭痛の基準が変わりました。
鎮痛薬については月に15日以上、エルゴタミンについては月に10日以上となり、はじめてトリプタン乱用頭痛が設けられ、月に10日以上と規定されました。名称も、誘発頭痛から多用頭痛(日本語訳では「乱用頭痛」)に改められました。
1987年の旧分類は、トリプタンを評価するために作成されたものです。はじめからトリプタンを評価しやすい診断基準をつくり、それを用いて頭痛抑制薬を評価するわけですから、トリプタンが最も優れているというエビデンスが得られるのは当たり前です。
トリプタンの使用を月10回云々と入れざるを得なかったのは、製薬会社にとっては心外でしょうが、これはトリプタンの商品価値を下げないための苦肉の策とされています。
といいますのは、トリプタンの使用を月に10回とした根拠は明確にされていません。
聞くところによれば、イタリアではトリプタンが効かなくなってしまった患者例を集計すると、月に10回以上、しかも半年~1年間服用しつづけた患者のなかにトリプタンが効かなくなった人が多かったという結果を根拠にしているように言われています。
このように、この新分類で初めて、トリプタンによる薬剤乱用頭痛がとり入れられた訳です。
確かにトリプタン製剤はよく効く薬です。ところが国際的に示されるエビデンスでは、トリプタンをよしと評価するだけでなく、以前からよく使われていたエルゴタミン製剤などの薬剤については異様なまでにエビデンスのなさが強調されています。
こういったことは、欧米でトリプタンメーカーとトリプタン御用学者の連携のもとに行われているものと思われます。そして欧米の文献にはこれらのことがごく”自然”に塗り込まれているのです。
日本の医学界は、欧米崇拝主義ですから、背後に存在する問題点、日本人の特性などを考慮することなく、海外の文献的エビデンスにただ追随しているのが実情で、日本独自で、あるいは世界に先駆けてエビデンスを確立しようとする動きや意欲は、少なくとも頭痛領域に関しては乏しいようです。
そして、日本頭痛学会では、この新分類を根拠として片頭痛の診療ガイドラインがつくられています。このため欧米の文献を疑うことなく全面的に受け入れているわけです。この点が、それ以降の「日本の頭痛研究者」に対する影響力を考えるなら、計り知れないものが存在し、ここに日本独自の頭痛研究のあり方自体を疑問視しております。
このように頭痛専門医が金科玉条のものとされる「国際頭痛分類 第2版」の診断基準そのものは、トリプタン製剤の適応を決めるためのものとされる所以がここにあります。
このように頭痛診療では『国際頭痛分類第2版(International Classification of Headache Disorders 2nd Edition:ICHD-Ⅱ)』に準拠して頭痛を分類し診断します。
ICHD-Ⅱは、「一次性頭痛」「二次性頭痛」「頭部神経痛、中枢性・一次性顔面痛およびその他の頭痛」の3部から構成されており、頭痛を14のグループに分類しています。
そして、細かくは 268 種類の頭痛に分けられています。
国際頭痛分類第2版は、1988年の国際頭痛分類(ICHD-Ⅱ)をベースとし、その後のエビデンスや知識の集積を加えて改訂され、2004年に公表されたものです。ICHD-Ⅱは、世界中の頭痛専門家の英知が結集されてできた労作で、頭痛の治療・研究には必須のアイテムとされます。診断基準は、日常臨床で広く用いられるもので、これに従わないと、議論にならないと考えられています。
しかし、このような利用のされ方をしているのか甚だ疑問に思っております。
現在の頭痛診療では、2013年に改訂された「国際頭痛分類 第3版β版」が使われます。
それでは、話をもとに戻して、国際頭痛分類第1版(初版)1988とは、どのようなものだったのでしょうか。
1988年、国際頭痛学会(International Headache Society : IHS)の頭痛分類委員会(委員長 : Jef Olesen)より発表されたものです。
頭痛大分類として・・
一次性頭痛
•1. 片頭痛
•2. 緊張型頭痛
•3. 群発頭痛及び慢性発作性片側頭痛
•4. 器質的病変を伴わない各種の頭痛
二次性頭痛
•5. 頭部外傷に伴う頭痛
•6. 血管障害に伴う頭痛
•7. 非血管性頭蓋内疾患に伴う頭痛
•8. 原因物質あるいはその離脱に伴う頭痛
•9. 頭部以外の感染症に伴う頭痛
•10. 代謝障害に伴う頭痛
•11. 頭蓋骨,頸,眼,耳,鼻、副鼻腔,歯,口あるいは他の顔面・頭蓋組織に起因する頭痛あるいは顔面痛
•12. 頭部神経痛,神経幹痛,求心路遮断性疼痛
•13. 分類できない頭痛
それでは現在の国際頭痛分類第3版(β版)とは、どのようなものなのでしょうか。
第1部: 一次性頭痛
1 片頭痛
2 緊張型頭痛
3 三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)
4 その他の一次性頭痛
4.1 一次性咳嗽性頭痛
4.2 一次性運動時頭痛
4.3 性行為に伴う一次性頭痛
4.4 一次性雷鳴頭痛・・入浴関連頭痛
4.5 寒冷刺激による頭痛
4.5.1 外的寒冷刺激による頭痛
4.5.2 冷たいものの摂取または冷気吸息による頭痛
※ (アイスクリーム頭痛)
4.6 頭蓋外からの圧力による頭痛
4.6.1 頭蓋外からの圧迫による頭痛・・ゴーグル頭痛
4.6.2 頭蓋外からの牽引による頭痛・・ポニーテイル頭痛
4.7 一次性穿刺様頭痛・・アイスピック頭痛
4.8 貨幣状頭痛
4.9 睡眠時頭痛
4.10 新規発症持続性連日性頭痛
第2部: 二次性頭痛
5. 頭頸部外傷・傷害による頭痛
6. 頭頸部血管障害による頭痛
7. 非血管性頭蓋内疾患による頭痛
8. 物質またはその離脱による頭痛
9. 感染症による頭痛
10. ホメオスターシスの障害による頭痛
11. 頭蓋骨、頸、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口あるいはその他の顔面・頭蓋の構成組織の障害に起因する頭痛あるいは顔面痛
12 精神疾患による頭痛
そして、「片頭痛の分類」として、以下のように示されます。
1. 片頭痛
1.1 前兆のない片頭痛
1.2 前兆のある片頭痛
1.2.1 典型的前兆を伴う片頭痛
1.2.1.1 典型的前兆に頭痛を伴うもの
1.2.1.2 典型的前兆のみで頭痛を伴わないもの
1.2.2 脳幹性前兆を伴う片頭痛
1.2.3 片麻痺性片頭痛
1.2.3.1 家族性片麻痺性片頭痛(FHM)
1.2.3.1.1 家族性片麻痺性片頭痛 I 型 (FHM1)
1.2.3.1.2 家族性片麻痺性片頭痛 II 型 (FHM2)
1.2.3.1.3 家族性片麻痺性片頭痛 III 型 (FHM3)
1.2.3.1.4 家族性片麻痺性片頭痛,他の遺伝子座位
1.2.3.2 孤発性片麻痺性片頭痛
1.2.4 網膜片頭痛
1.3 慢性片頭痛
1.4 片頭痛の合併症
1.4.1 片頭痛発作重積
1.4.2 遷延性前兆で脳梗塞を伴わないもの
1.4.3 片頭痛性脳梗塞
1.4.4 片頭痛前兆により誘発される痙攣発作
1.5 片頭痛の疑い
1.5.1 前兆のない片頭痛の疑い
1.5.2 前兆のある片頭痛の疑い
1.6 片頭痛に関連する周期性症候群
1.6.1 再発性消化管障害
1.6.1.1 周期性嘔吐症候群
1.6.1.2 腹部片頭痛
1.6.2 良性発作性めまい
1.6.3 良性発作性斜頸
このように、初版にしても「第3版β版」にしても、一次性頭痛と二次性頭痛の2つに分けており、西洋医学でいう疾患分類に合わせるような配慮がなされているかのごとく印象づけられています。一次性頭痛=原因不明ということが、伏せられているかのごとくです。
「国際頭痛分類 第3版β版」では、明らかに単一遺伝子異常によるものから、遺伝様式の”不明確”なものまで、並列して、記載され、ここに混乱の根源が存在しています。
また、片頭痛は、「前兆のあるもの」と「前兆のないもの」に分類されていますが、現実には同一の患者さんが、ある時は前兆を伴い、また別の発作時には前兆を伴わないこともあります。さらに、片頭痛の患者さんでも、ある場面では緊張型頭痛のような軽い頭痛で終わってしまうこともあります。このように、このような国際分類では、便宜的に「頭痛」そのものを分類しているに過ぎないということを理解しておく必要があります。
結局のところ、この「国際頭痛分類第3版 β版」の真の目的とすることは、片頭痛を明確に定義することによって”片頭痛と間違いなく診断”して、この片頭痛に対して”トリプタン製剤を処方する”ためのものです。これが一番の目的でありここが大切な点です。
この分類は、あくまでも「頭痛300種類以上」の”頭痛の分類”であり、皆さんが頭痛を訴えて医療機関を受診されますと、この国際分類に従って、頭痛診断が行われることから、場合によっては、一人の患者さんが”4つも5つも頭痛”を持つことも当然あります。このようなことから、実用的ではなく、以下のように大雑把に考えるべきです。それは・・
頭痛を引き起こすものには大きく分けて、2つの原因があります。
それは、”脳の中に異常のある頭痛”と原因が”脳のなかに異常のない頭痛”です。
脳の中に異常のある頭痛は、医学用語で「二次性頭痛」と呼ばれています。この中には、クモ膜下出血や脳腫瘍や脳出血、慢性硬膜下血腫などの命にかかわる頭痛もあります。このため、こうした致命的な頭痛を見逃さないために、まずこれを検査で確認する必要があります。こうしたことから、皆さんが頭痛を訴えて医療機関を受診されますと、CTとかMRIといった画像検査がされることになります。このような二次性頭痛は、頭痛の起こり方に特徴があり、突然起こり、今までに経験したことのないような激しいのが一般的です。これ以外には、脳炎とか髄膜炎のようなものもあります。これらは頭痛以外に発熱があったり、嘔吐したり、意識がおかしくなったりすることもあります。これも起こり方は急激に頭痛が起きてくるという特徴があります。また、風邪による頭痛、二日酔いによる頭痛、薬の飲み過ぎによる薬剤乱用頭痛があります。
これに対して、”脳のなかに異常のない頭痛”があります。医学用語では「一次性頭痛」(慢性頭痛)と呼ばれています。
このような頭痛は、これまで皆さんも実際に経験されておられ、お分かりとは思いますが、決して、このために命を落とすことはないのが特徴です。このため軽視されがちな頭痛です。しかし、辛い頭痛であることは間違いない事実です。「片頭痛のセルフケア」では、このような「慢性頭痛」について述べたものです。
頭痛の専門家が使っている「国際頭痛分類 第3版β版」という国際頭痛学会が作成した診断分類では、先程も述べましたように、この「一次性頭痛」は4つに分類されています。
緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、その他の一次性頭痛です。
一次性頭痛のなかには、インドメタシンという鎮痛薬が極めて有効な頭痛があります。
絶対的に有効な頭痛としては、発作性片側頭痛と持続性片側頭痛です。
有効とされる頭痛としては、一次性穿刺様頭痛、一次性咳嗽性頭痛、一次性運動時頭痛、性行為に伴う一次性頭痛、睡眠時頭痛、貨幣状頭痛があります。
これらは、「その他の一次性頭痛」のなかに分類されるものです。
そして、発作性片側頭痛、持続性片側頭痛、一次性穿刺様頭痛、貨幣状頭痛の4つの病態は、いまのところ詳細には分かっておらず、全く不明とされ、これらはひとまず”別格”のものとして、当面は別の頭痛として、除けておくことにします。頻度的にも極めて少なく(9%前後)、このようなものがあるとして、あくまでも症状の上から診断し、インドメタシンを投与することにします。
そして、群発頭痛は、症状は典型的であり、一般の方々でもネット検索で自分で診断される程診断に苦慮することなく、対処策も一応確立されていますので、これも除けておきます。
残りの慢性頭痛の9割を占める「緊張型頭痛と片頭痛」を中心に、一括して、”トータル”で、その本態の解明をしていくべきであり、これが解明されれば、自ずと、その他の一次性頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)の病態解明へと繋がっていくはずです。
”定義”だけで論じられる世界 ・・
そして、問題となることは、このように「国際頭痛分類」は定期的に改訂されてきました。そして、改訂の度に、頭痛そのものの”定義”が変化しています。
今回の「国際頭痛分類 第3版β版」では、3の「三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)」が大幅に改訂されました。このため、この定義が以前のものと変わることによって、専門家はこの相違点ばかりを議論されることになっています。
これまでも、改訂の度に、定義の解釈だけの議論に終始され、頭痛そのものの本態についての議論はまったくされることはありません。
とくに、片頭痛の慢性化についての議論は、これまた”定義”論争で終始され、片頭痛そのものの慢性化する根源的な理由は論じられることはありません。
このため、学会が創設され、日本にトリプタン製剤が導入されて以来、日本の慢性頭痛の研究は完全にストップしてしまっていると言っても過言ではありません。
こうしたことから、学会を主導される方々が「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究において絶対的な基準と考えることにその根本原因があると考えなくてはなりません。
「国際頭痛分類 第3版β版」は、あくまでも頭痛の診断基準でしかないはずです。
こうしたことから、「国際頭痛分類 第3版β版」を離れて、「慢性頭痛とは何か」という根源的に研究する考え方で進めていくことが大切なはずです。
現在では、CTやMRIなどの画像検査のできる時代です。ということは、二次性頭痛は簡単に除外できるはずです。そうなれば、一次性頭痛(慢性頭痛)をトータルでひっくるめて考えればすむはずです。ということは、「国際頭痛分類 第3版β版」はあくまでも診断基準にすぎないはずであり、参考程度に止めることを意味しています。
「国際頭痛分類 第3版β版」という基準で雁字搦めに”定義”された枠内では、何も進歩的な発想は生まれないことになってしまいます。
単純に考えればすむことです。日常生活に支障をきたすほどの頭痛であれば、片頭痛であり、そうでなければ緊張型頭痛と考えればすむことであり、わざわざ、頭痛外来を受診し、専門家の診断を仰ぐまでもないことで、簡単なはずです。
そして、現在では・・
現在では学会を主導される方々は、「国際頭痛分類 第3版β版」という「頭痛分類」を頭痛診療および研究の”絶対的な基準”とされ、「慢性頭痛診療のガイドライン」に従って、治療方針を決定され、ややこしい頭痛であれば「頭痛ダイアリー」で謎解きをされるようになりました。
このように「国際頭痛分類」が絶対になっています。
さらに、片頭痛の病態はすべてトリプタン製剤の作用機序の観点から説明されてきました。片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップし効力を発揮するとされていますが、肝心の「脳内セロトニンの低下」がどのように起きてくるのかは不明とされ、さらに、このような治療方針でトリプタン製剤を服用していますと、なかには慢性化してくる方々も多く出現するようになってきましたが、この慢性化する機序も不明とされます。
特に、40、50歳代の悲惨な状況に至る方々を眼にするたびに現在の片頭痛医療のあり方に疑問を呈して来ましたが、学会を主導される方々は我関せずの状況にあります。
このように、これまでトリプタン製剤一辺倒の治療方針で行われてきた片頭痛医療では、トリプタン製剤導入後、諸々の問題点が浮上してきました。
しかし、このような問題点を専門家の方々は、私達一般の患者さんには一切、明らかにされることはありません。
現状の片頭痛医療はどのように理解すべきでしょうか?
これまで述べて来ましたように、現在の学会を主導される方々は、ADITUS Japan 以降、トリプタン製薬メーカーと常に、二人三脚でお互い手を携え合って頭痛診療および研究を進めてきました。
このような事実は、その後どのような結果がもたらされてきたのでしょうか?
これを考えるには、DR.RATH HEALTH FOUNDATION の「製薬業界は一般大衆を欺いている」を思い出す必要があります。
”製薬業界は私達の社会をコントロールし続けます。製薬業界の求めるところは医学研究をコントロールし、医療従事者をこの製薬業界に依存させることです。この権力を確実に手放さずに済むよう、製薬企業は立法機関およびメディアをうまく操っています。 全メディアを通じた大規模な宣伝キャンペーンでは、医薬品のPRおよび宣伝部門によって、製薬業界の真実を隠そうと煙幕が張られています。
製薬企業は、ルイ・パストゥール、ロバート・コッホ等の医学上のパイオニアと重ね合わせて自社のイメージを描こうとしています。彼らは人道主義に基いて疾病の根絶を目指していると主張しています。しかしながら、真実はまったくその逆です。つまり、製薬業界は、製薬市場拡大の基盤として疾病を存続させ続けることが目的なのです。コーデックス・カルテルは、意図的な疾病の根絶妨害をその目的としています。したがって、製薬業界は人類救済の伝統にもとづいてではなく、自らの利益を維持するために無数の人間を犠牲にする組織的犯罪者のグループであるIGファルベン社の伝統に基づいて運営されているのです。”
ここに、すべてが集約した形で現状を物語っていると考えなくてはなりません。
「国際頭痛分類 第3版β版」を”絶対的な基準”とする弊害
現在の学会を主導される方々は、この国際頭痛分類である「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究の”絶対的基準”とされ、世界共通の言語とされます。
「国際頭痛分類 第3版β版」は、国際頭痛学会が作成されたものであるというのが現在の学会を主導される方々の基本的な考え方です。
このように世界的に権威ある「国際頭痛学会」が作成したものとされます。しかし、冒頭でも述べましたように、この「国際頭痛分類」は欧米のトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成されたものです。この点を決して、忘れてはならない点です。このように”衣の下には鎧があった”ということです。
すなわち、全世界の頭痛研究者が基準とされることから、これを”絶対的なもの”とされることに、根本的な問題があると考えなくてはなりません。
「国際頭痛分類 第3版β版」を”絶対的な基準”とすることから、トリプタン御用学者は当然のこととして、片頭痛の病態はトリプタン製剤の作用機序からだけでしか説明されないことになりました。こうしたことから、トリプタン製剤が片頭痛の”特効薬”とされ、これ以外の考え方は、一切、問答無用で排除されることになっています。
このため、「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛」という考え方は徹底して排除されることになっています。
さらに、「国際頭痛分類 第2版」での改訂以来、頭痛と頸椎病変の定義が極めて曖昧になったことから、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」はエビデンスなしとされ、カイロプラクター・整体師・鍼灸師による施術をエビデンスなし、とされ全く評価されることはありません。これはガイドラインでもはっきり明記されています。
このように、専門家は「国際頭痛分類 第3版β版」を”絶対的基準”とすることから、緊張型頭痛と片頭痛は全く別の範疇の頭痛であり、緊張型頭痛と片頭痛が連続したものであるとの機能性頭痛一元論を否定され、「体の歪み(ストレートネック)」を否定することにより、慢性頭痛とくに片頭痛の骨組み・屋台骨を取り去りました。
(このように、緊張型頭痛と片頭痛は厳密に区別され、区別しなくてはならないということは、現在でも、ネット上の”常識”とされるまでに、製薬メーカーは徹底して啓蒙活動を行ってきました)
このようにして、片頭痛そのものは屋台骨を抜かれたことで骨抜きにされ、宙ぶらりんの亡骸(なきがら)だけの”理解不能な頭痛”になってしまいました。まさに、”不思議で・神秘的な頭痛”にされてしまい、まさしく俗人がタッチすべきではない頭痛とさえなってしまい、どなたも病態解明といった大それた考えに挑む方は輩出されることはありませんでした。(このように、医師からは片頭痛を解明させる方向性はこれまで、一切示されることはありませんでした)
学会を主導される方々は、片頭痛治療の世界にトリプタン製剤を導入したことによって、「片頭痛の治療体系は確立された」と自画自賛されます。
このため、「慢性頭痛診療ガイドライン」ではトリプタン製剤が片頭痛治療の”第一選択薬”として地位を確立し、これに付随した予防薬を中心とした「薬物療法」が全てとなりました。
啓蒙活動の面では、学会を主導される方々は、トリプタン製剤を導入すると同時に、製薬メーカーと共同して、トリプタン製剤の宣伝・啓蒙活動を盛んに行い、作成した「慢性頭痛診療のガイドライン」をメーカーの手で、全国津々浦々の医療機関に配布しました。
とくに脳神経外科の先生方には、メスを捨てたロートル??の脳外科医が、現役バリバリの脳外科医を指導・啓蒙するといった茶番劇まで臆面もなく行ってきました。
頭痛協会を設立し、さらに患者団体を巻き込み、そのトップを広告塔として、「トリプタン製剤の恩恵に浴していない不幸な片頭痛患者さんが未だに存在する」と言って宣伝してきました。
そして、一般開業医が、片頭痛患者さんへトリプタン製剤を処方しないことから、Headache Master School Japan(HMSJ)を毎年開催することにより、専門医の量産を策しています。それは専門医であれば、トリプタン製剤を処方するからです。
すなわち、専門医であれば、片頭痛にトリプタン製剤を処方するといったことが暗黙のように求められており、これが専門医の条件とされます。
このように、学会を主導される方々はメーカーと一致団結啓蒙活動をしてきました。
このような事実は、さらに次のような点が如実に示しています。
毎年、頭痛学会総会が開催されます。この総会では、他の学会と異なる点は、シンポジウム、教育講演、ランチョンセミナー、イブニングセミナー、招待講演等々、多数行われますが、これら全てが「トリプタン製薬」の製薬メーカーを中心に、製薬メーカーがスポンサーとなって名を連ねており、まさに奇異な思いにさせられます。
あたかも、「トリプタン製薬」の製薬メーカー協賛の発表のような印象を感じさせられます。これが、学問を論じる場なのかと疑いたくなります。
そして全国各地で、頭痛研究会や勉強会が開催されますが、必ずといってよいくらいトリプタン製薬会社がスポンサーになっています。
当地域では「関西頭痛懇話会」が存在しますが、これも某トリプタン製剤の製薬メーカーがスポンサーになり、年2回、高級ホテルで開催され多額の金額を拠出されています。
診療面では、頭痛診療を担当する医師に対して、「国際頭痛分類第3版 β版」で症候論から、片頭痛を明確に定義することによって”片頭痛と間違いなく診断”して、この片頭痛に対して”トリプタン製剤を確実に処方”させるというように、「国際頭痛分類 第3版β版」をまさに頭痛診療の”絶対的基準”としました。専門家は、こうした「国際頭痛分類 第3版β版」を巧妙に組み込んだ形の問診方法を叩き込まれ、独特な診察スタイルを構築されます。このため、その根底に何が存在しようとも一切、我関せずです。
頭痛研究の面では、片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序からしか説明されないことから、「脳過敏の原因が何か」さらに「片頭痛の慢性化がどこからくるのか」が説明できなくなったことから、片頭痛はもともと「脳のなかに異常のない頭痛」(一次性頭痛・機能性頭痛)とされて来たにも関わらず、これが最近では「中枢神経疾患」であると考えられるようになり、こうしたことから、中枢神経性の要素を考慮することがすでに近年の研究の主流になってきました。片頭痛の予防の考え方も中枢神経の興奮性(脳過敏)の抑制に変化しつつあり,片頭痛の予防薬の開発目標は、皮質拡延性抑制をいかに抑える薬を見つけるかが鍵になっています。そして、今後の新薬の開発に躍起になっている現状が存在します。
しかし、中枢神経の興奮性(脳過敏)の原因は、これから述べるように別にあります。
”脳過敏・慢性化”を引き起こす要因
1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
2.脳内セロトニンの低下
3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続
本来、「脳過敏」の要因は上記3つにあり、これらは全て「片頭痛の慢性化」の要因になっています。このように考えるべきものを決してこのようには考えません。
すなわち、「片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛であり、このために引き起こされたセロトニン神経系の機能低下です。そして、この両者によって引き起こされるのが「体の歪み(ストレートネック)」です。これらは、専門家が「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛研究の”絶対的な基準”とした結果、これらの3つ全てを否定された訳です。まさに自分で自分の首を絞めたようなもので、自業自得としか言えないはずです。
この”進行性疾患”としたのは、先程の3つの要因を否定した結果にすぎません。
このように「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究の”絶対的な基準”とされることから、片頭痛診療は専ら「国際頭痛分類第3版 β版」の診断基準に従って、ただ症候論から(症状だけから)診断され、その根底に何があろうとも、片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序の面からしか説明されなくなり、その結果として「脳過敏」「片頭痛の慢性化」が説明出来なくなったことから、片頭痛が「中枢神経疾患」とまでされるに至っております。さらに片頭痛は”進行性疾患”とまで”おまけ”まで付けられている始末です。
この中枢疾患とされる根拠は「片頭痛発生器」の存在で、この推定される部位が脳幹部ということです。脳幹部に病変があり進行性であれば、当然、”致命的”のはずです。
片頭痛が”進行性疾患”であり「中枢神経疾患」(脳幹部に病変がある)であるとするなら、単純に考えても、片頭痛は”致死的な頭痛”ということになってしまうことになります。果たして、これまで片頭痛が直接原因で亡くなられた方がおられたのでしょうか?
このような支離滅裂な・馬鹿げた、まさに”迷走ぶり”が示されています。
専門家とは、このような「国際頭痛分類 第3版β版」を金科玉条のものとする医師集団であり、これを遵守しなければ”モグリ”とされ、一切信用されることはありません。すべて排除することになっています。
学会の場でも、「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛研究の絶対的な基準とされることから、この枠内で考えたことしか学会発表での議論の対象とされることはありません。
このことは、過去の発表をみれば明確に示され、当然、「国際頭痛分類 第3版β版」に批判的な発表そのものは行われないことになっています。学会とは、宗教法人の学会なのでしょうか?
まさにカルト教団を彷彿とさせられる状況でしかないようです。
このような「国際頭痛分類 第3版β版」という極めて限られた”土俵”のなかだけで考えるのでは不適切なのです。これだけでは、到底、解明するためには程遠いということです。
これまで、専門家はこうした限られた枠内で、慢性頭痛とくに片頭痛を研究してきたため、いつまでたっても研究成果が挙がらなかったのはここに原因があります。
「国際頭痛分類 第3版β版」が、欧米のトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成されたものである以上、これだけを基にした考え方では、自ずと限界があり、トリプタン製薬メーカーにとって”不利益となる考え方”は生まれることはありません。
このため、片頭痛がこの世からなくなってしまう論理は、まさに論外となっています。
製薬業界の目的は、製薬市場拡大の基盤として”疾患を存続させ続ける”ことです。
このように、頭痛診療および研究をトリプタン製薬会社と二人三脚で行う限りは、「国際頭痛分類 第3版β版」を遵守することから、以上のように”雁字搦め”にされて、真実が覆い隠されてしまい、片頭痛の病態は永久に解明されることはありません。
このことはトリプタン製薬メーカーにとっては願ってもないことであるはずです。
少なくとも、「臨床頭痛学」という生身の人間の頭痛を研究する”自然科学”の領域に「国際頭痛分類 第3版β版」といった人為的な基準を”絶対的な基準”とすること自体に問題があるはずでありながら、どなたもこのような枠内でしか考えず、その不条理ささえ、感じておられないようです。これが頭痛の専門家の姿です。
こういったことから、「国際頭痛分類 第3版β版」を絶対的な基準とする医師集団からは、慢性頭痛の本態解明は不可能であるということです。
こうしたことから、学会を主導される方々は、「頭痛をサイエンスとして、”エビデンスにもとづいて”、頭痛そのものを細かく分類する」だけしかできないと考えるべきかもしれません。なかば、”ヤケクソ”としか思われません。 このような暇人がすることはすべきではないはずです。もっと「基本的な検討課題」が山積みされているはずです。
来年こそは、このような馬鹿げた専門家はすべて排除し、学者らしい専門家の出現を期待することにしましょう。地の果てまで転落した学会を救済するためにも・・・しかし、既に地に落ちた指導者をいくら救済しようとも、これまで辿ってきた迷走ぶり、悪く謂えば詐欺そのものです。許容の範囲を逸脱していると断ずるべきであり、来年はこのような輩(やから)を相手にする暇はなく、暇人にその糾弾を任せるべきと思っております。
私達は、今後の”理論武装”を構築することに、全てを架ける覚悟が求められています。
来年も、よろしく御願い申し上げます。
ここでコマーシャルです。
頭痛が気になったら・・
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